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ちょっと歩いただけで息切れがしたり、集中力が続かなかったり…「疲れやすさ」は、単なる気力の問題ではなく、体の中で何かが起きているサインです。睡眠不足や栄養状態の乱れ、ストレス、運動不足などが積み重なると、疲労が慢性化し、免疫力低下・高血圧・糖尿病といった生活習慣病につながることもあります。
本記事では、内科視点で「なぜ疲れるのか?」を理解し、具体的な健康習慣を紹介。元気な毎日を取り戻すヒントをお届けします。
1. 疲れやすさの原因を知ろう
疲れの背景には、さまざまな要因が潜んでいます。代表的なものは以下です。
- 睡眠不足・質の低下:浅い眠りや夜中の目覚めは、疲労の原因に。
- 栄養不足・代謝異常:鉄・ビタミンB群・カルシウムなどの不足が、エネルギー代謝や神経機能に影響。
- ストレス過多・自律神経の乱れ:慢性ストレスは疲労を引き起こすだけでなく、自律神経失調や免疫低下につながります。
- 運動不足・日常活動の少なさ:日々の消費エネルギーが少ないと、代謝も落ちて疲労感が蓄積。
- 潜在的な内科疾患の可能性:貧血・甲状腺機能低下症・慢性疲労症候群などが隠れていることも。
● 受診のサイン
以下に当てはまる場合は、早めに内科医に相談しましょう。
- 1ヶ月以上続く慢性的な疲労
- 家事・仕事に日常的に支障あり
- 息切れ・めまい・体重変動など他の症状を伴う場合
2. 食事で疲れにくい体へ:内科的栄養アドバイス
● 三大栄養素+微量栄養素のバランス
- ビタミンB1・B2(豚肉・魚・豆)でエネルギー代謝を支える
- 鉄分・カルシウム(レバー・小魚・緑黄色野菜)は酸素供給や神経安定に必要
- オメガ3脂肪酸(青魚)は脳や免疫の健康に有用
● 1日3食・ベジファーストで安定エネルギー
「1日2食や朝抜き」は疲労の元です。朝・昼・晩の3食を規則的に摂取し、野菜を先に食べる“ベジファースト”で血糖値の急上昇を抑え、疲れにくい体を作りましょう。
● 水分補給の重要性
脱水は疲れ・頭痛・集中力低下を招きます。毎日1.5〜2Lの水分摂取を目標にし、常温でこまめに補給を。
3. 睡眠と休息の質を上げる
● 良質な睡眠環境の整備
- 毎日6〜8時間の睡眠
- 寝る1時間前にはブルーライトを遠ざける
- 室温18〜23℃、遮光、静音環境に調整
● 積極的休息(パワーナップやデジタルデトックス)
- 昼寝15〜20分程度(パワーナップ)で集中力と効率が向上
- 週末や寝る前のデジタルデトックスも心身の回復に効果あり
4. 動くことで疲れにくい体をつくる
● NEATで自然とエネルギー消費
ジム通いより、掃除・立ち仕事などの日常活動(NEAT)のほうが効率的。掃除や庭仕事を“家事トレ”として活用しましょう。
● グレード運動(段階的運動)のすすめ
疲れやすい人には、無理のない運動プラン(grated exercise therapy)で、少しずつ強度・時間を増やすのが効果的。
例:初週10分ウォーキング→毎週10%ずつ延長、無理は禁物。
5. ストレスケアと心の回復
● 笑顔・呼吸・瞑想で交感神経抑制
- 笑顔を意識するだけでセロトニン・エンドルフィンが分泌され、免疫力向上に繋がる
- 腹式呼吸・マインドフルネス瞑想でストレスホルモンを抑えます
● リラックス活動の習慣化
- 森林浴、温泉、ストレッチ、趣味時間などは心身の回復に効果あり
- 何もしない時間(ぼーっとするだけ)が心身の回復を支える

6. チェックリスト:疲れやすさが止まらないとき
| チェック項目 | 詳細 |
| 睡眠時間・質 | 6〜8時間、寝起きはスッキリ? |
| 食事 | 1日3食、野菜・タンパク質・水分は十分? |
| 運動量 | 週150分の運動or日常で体を動かせている? |
| ストレス | 笑顔・瞑想・趣味などできている? |
| 内科的症状の有無 | 息切れ・体重変動・めまいなどがない? |
✓が複数ある、または1ヶ月以上改善が見られない場合は、内科で一度相談することをおすすめします。
まとめ:今日からできる4ステップ健康法
- バランス食とこまめな水分補給で基礎代謝と免疫力を支える
- 良質な睡眠+昼寝+デジタルオフで脳と体を回復
- 日常動作+段階的運動で体力を少しずつ高める
- 笑顔・呼吸・趣味の時間で心身のストレスを緩和
疲れやすさは、自分の体からのメッセージです。上記の習慣を取り入れることで、免疫力や集中力、生活の質も自然と底上げされます。
それでも改善が感じられない方は、一度内科クリニックでチェックを受けましょう。初期段階で解決することで、将来の異常の芽も摘むことができます。ぜひ、今日からできる一歩を踏み出して、元気で充実した毎日を取り戻しましょう。



