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胸に手をあてる

「最近、汗が急に吹き出すようになった」「夜中に目が覚める」「気持ちが落ち込みやすい」――これらは典型的な更年期障害のサインです。女性の人生における転機、更年期(45〜55歳)は、ホルモンバランスの急激な変化により心身両面に影響が出る時期です。内科クリニックでは、症状の緩和のために生活習慣指導やホルモン補充療法、代替療法をバランスよく組み合わせたケアを提供しています。本記事では、更年期障害の主な症状、内科的ケア法、セルフケアの実践例を専門的に解説し、安心して乗り越えるためのヒントをご紹介します。

1. 更年期障害とは?ホルモン変動と体の変化

● ホルモンバランスの変化

更年期は卵巣機能の低下に伴い、エストロゲンの分泌が急激に減少する時期です。これにより自律神経や脳内ホルモンが不安定になり、以下のような症状が多く生じます。

  • ホットフラッシュ(急な汗・ほてり)
  • 不眠や寝付きの悪化
  • 気分変動、抑うつ、不安
  • 頭痛、めまい、手足の冷えなどの身体症状

● 自律神経・免疫への影響

エストロゲンは血管拡張、骨量維持、免疫安定などにも関与しています。減少すると動脈硬化や骨粗しょう症、免疫機能の低下が加速することもあります。これは内科としても重要な予防対策ポイントです。

2. 内科的評価と受診の目安

● 問診と身体診察

内科ではまず、症状の出現状況(頻度・強度・生活への影響)を丁寧に聞き取り、血圧・脈拍・体温・腹部・循環器評価を実施します。貧血や甲状腺疾患、他の内科疾患の可能性を排除します。

● 必要に応じた検査

  • ホルモン検査:FSH(卵胞刺激ホルモン)、エストラジオールなどを測定
  • 血液検査:貧血、甲状腺、肝・腎機能、脂質、血糖値
  • 骨密度検査:骨粗しょう症の早期発見に有用
  • 尿検査:代謝・腎機能のチェック

これらの検査結果に基づき、内科医が更年期障害か、他の内科疾患かを鑑別します。

3. 内科でできる治療の選択肢

● ホルモン補充療法(HRT)

更年期症状の中でも強いホットフラッシュや眠れない夜に対して、HRT(ホルモン補充療法)は最も効果的です。エストロゲン単独またはプロゲステロン併用治療があり、内科で適応を判断しつつ実施します。

注意点:

  • 血栓・乳がん・子宮体がんのリスク評価が必要
  • 定期的な検査と内科フォローが欠かせません

● 漢方治療・代替療法

ホルモンを使いたくない方には、漢方療法(加味逍遥散、桂枝茯苓丸など)やサプリメント(イソフラボン、ブラックコホシュ)も選択肢となります。医師の診察を踏まえ、生活背景に合わせた処方を行います。

● 症状に応じた対症療法

  • SSRI/SNRI:気分変動や抑うつに対応
  • 睡眠薬・抗不安薬:短期間の症状緩和を目的
  • 血管拡張薬:手足の冷えや頭痛に対して処方することもあります

4. セルフケアで更年期症状を和らげる方法

● 食事の工夫

  • 大豆イソフラボン・マグネシウムの摂取(納豆、豆腐、ナッツ、緑黄色野菜など)
  • 発酵食品(ヨーグルト・味噌)で整腸・免疫維持
  • 甘いもの・カフェイン・アルコールは、ホットフラッシュや動揺感を悪化させる恐れがあるため控えめに
緑黄色野菜

● 運動とリラクゼーション

  • 有酸素運動(ウォーキング・スイミングなど)を週150分程度
  • ヨガ・ストレッチ・深呼吸法で自律神経を整える
  • マインドフルネス瞑想はストレスを軽減し、脳内ホルモン調整に寄与

● 睡眠改善のポイント

  • 就寝前1時間はスマホ・PCから離れる
  • 寝室環境(遮光カーテン・室温・湿度)を整える
  • ホットフラッシュのために薄着で快適温度を維持
  • 就寝前に白湯やスロー呼吸、軽いストレッチでリセット

5. 心のケアと更年期後も続くサポート

● 心理的サポートの重要性

更年期は家庭・仕事・親の介護などストレスが重なる時期でもあります。カウンセリングやピアサポートwebや市民講座などの情報共有を活用し、孤立しない工夫が大切です。

● 継続的な内科フォローの重要性

  • HRT・漢方・サプリを利用する場合は3〜6ヶ月毎の再評価が必要
  • 骨密度検査・血液検査も1〜2年ごとの定期検診を意識して受けましょう

6. よくある質問(Q&A)

Q1:HRTはいつから始めるのが良いのでしょうか?
A:症状が日常生活に支障をきたす場合、更年期初期(45〜50歳)からの開始が推奨されますが、個人差があるため医師の相談が重要です。

Q2:漢方薬でも効果がありますか?
A:漢方はHRTより作用は緩やかですが、顔のほてり・肩こり・気分の波などに有効な例も多く、体質に応じて選択されます。

Q3:更年期が終わってもケアは必要ですか?
A:エストロゲンが回復しなくても、骨密度、心血管リスク、メンタルヘルス管理は継続が望ましいです。定期の診察で早期に変化に対応することが重要です。

まとめ:体も心も整える更年期ケアの4ステップ

  1. 内科受診で症状・検査結果を評価
  2. HRT・漢方・代替療法など最適な治療を選択
  3. 食事・運動・睡眠・ストレス対策をバランスよく実践
  4. 定期的な内科フォローと心理的サポート環境を整える

更年期は体と心が変わる大きな転機ですが、適切なケアとサポート体制があれば、穏やかに乗り越えることができます。一人で悩まず、専門医に相談してみてください。