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寝起きの女性

「なかなか眠れない」「夜中に何度も目が覚める」「朝起きても疲れが取れない」――このような不眠症の症状に悩む人は少なくありません。不眠症は単なる睡眠不足にとどまらず、日中の集中力低下や免疫機能の低下、さらには心身のさまざまな不調につながります。内科では、身体的疾患や精神的要因の両面から不眠症の原因を探り、患者さん一人ひとりに合った治療と生活指導を行っています。本記事では、不眠症の種類や内科的な診断、効果的な治療法、そして日常生活で実践できる睡眠改善のポイントについて詳しく解説します。

1. 不眠症とは?種類と主な原因

● 不眠症の定義と分類

不眠症とは、十分な睡眠時間を確保してもなお、眠りの質が悪い、入眠困難や中途覚醒が続く状態を指します。厚生労働省の調査では、日本人の約20%が何らかの睡眠障害を経験していると報告されています。

不眠症は大きく以下の3種類に分類されます。

  • 入眠困難型:寝つきが悪く、布団に入ってから眠るまでに30分以上かかる
  • 中途覚醒型:夜間に何度も目が覚めてしまう
  • 早朝覚醒型:朝早く目が覚めてしまい、その後再び眠れない

● 不眠症の主な原因

不眠症の原因は多岐にわたり、以下のような身体的・精神的要因が関与します。

身体的要因

  • 内科疾患:高血圧、糖尿病、心疾患、慢性呼吸器疾患、胃食道逆流症(GERD)などが睡眠を妨げることがあります。
  • 疼痛や不快感:関節痛、腰痛、頻尿、呼吸障害なども睡眠障害を引き起こします。
  • 薬剤の影響:一部の降圧薬、抗うつ薬、喘息治療薬などは不眠の副作用を持ちます。

精神的要因

  • ストレス・不安・うつ病:精神的な緊張や不安は入眠困難の大きな原因です。
  • 生活リズムの乱れ:シフト勤務や時差ボケによる体内時計の乱れも不眠を招きます。

2. 内科での不眠症診断の流れと重要ポイント

● 問診と睡眠歴の聴取

内科診療ではまず、患者さんの生活習慣や睡眠状況を詳しく聞き取ります。具体的には、

  • 睡眠時間や就寝・起床時刻
  • 眠りに入るまでの時間や夜中の覚醒回数
  • 日中の眠気や集中力の状態
  • 過去の病歴や服薬状況
  • ストレスや心理的状況

これにより、不眠の種類と可能性のある原因を絞り込みます。

● 身体検査と必要な検査

身体的要因を除外または特定するため、次のような検査を実施します。

  • 血液検査(貧血、甲状腺機能異常、糖代謝異常など)
  • 血圧測定
  • 睡眠時無呼吸症候群を疑う場合は簡易検査やポリソムノグラフィー(睡眠検査)
  • 精神状態のスクリーニング

● 鑑別診断の重要性

不眠症はうつ病や不安障害などの精神疾患の初期症状として現れることも多いため、適切な鑑別診断が重要です。また、睡眠時無呼吸症候群や周期性四肢運動障害など、他の睡眠障害との区別も必要です。

3. 内科的アプローチによる不眠症の治療法

● 生活習慣の改善指導

内科医の治療の基本は、まずは生活習慣の見直しです。具体的には、

  • 規則正しい生活リズムの確立
  • 就寝前のスマートフォンやパソコンの使用制限
  • カフェインやアルコールの摂取制限(特に夕方以降)
  • 適度な運動(ただし寝る直前は避ける)
  • リラックス法の導入(深呼吸、ストレッチ、ぬるめの入浴など)

これらを根気強く継続することが、睡眠の質改善に繋がります。

ストレッチをする女性

● 薬物療法

生活習慣の改善だけでは不十分な場合、内科では以下の薬剤を用います。

  • 睡眠薬:ベンゾジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系の睡眠導入剤や睡眠維持剤。ただし依存や耐性のリスクに注意が必要です。
  • 抗うつ薬:特にうつ病や不安症状を伴う不眠に用いられます。
  • メラトニン受容体作動薬:体内時計の調整に効果的な薬剤です。

いずれも医師の指示に従い、短期的かつ慎重に使用することが推奨されます。

● 精神療法やカウンセリング

心理的な要因が強い場合は、認知行動療法(CBT)が有効です。これは、

  • 睡眠に対する過剰な不安を和らげる
  • 睡眠習慣を整える
  • ストレス管理技術を習得する

などを目的とした専門的な心理療法で、近年注目されています。

4. 日常生活で実践できる不眠症対策のポイント

● 環境整備

  • 静かで暗い寝室を用意する
  • 快適な寝具を選ぶ
  • 室温は適温(夏は涼しく冬は暖かく)に保つ

● 食事・飲み物の工夫

  • 寝る3時間前は食事を控えめにし、胃の負担を減らす
  • カフェイン摂取は午後3時までに留める
  • アルコールは寝つきは良くするが睡眠の質を低下させるため注意

● ストレスマネジメント

  • 日中に適度な運動や趣味を取り入れる
  • 深呼吸や瞑想などリラクゼーション法を習慣化
  • 仕事や人間関係の悩みは専門家に相談する

まとめ:不眠症は医学的診断と生活改善で改善できる可能性が高い

不眠症は単なる「寝不足」ではなく、身体的疾患や精神的ストレスが絡み合う複雑な睡眠障害です。不眠症外来では詳細な問診と検査で原因を見極め、適切な治療と生活習慣の改善を支援します。睡眠の質を高めることは、生活の質向上や全身の健康維持に直結します。眠れないと感じたら一人で悩まず、早めに受診し、専門的なサポートを受けることをお勧めします。