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「血圧が高いと言われたけれど、何をすればよいかわからない」「薬はいつから始めるべき?」といった不安を抱える方は少なくありません。高血圧は日本人の3人に1人が抱えるとされる国民病であり、放置すると脳卒中や心筋梗塞といった重大な合併症を引き起こします。しかし、正しい知識を持ち、日常生活の中で管理していくことで、予防・改善は十分に可能です。本記事では、内科医の視点から、血圧の正しい測定法、生活習慣の改善ポイント、薬物療法の役割について、科学的根拠に基づいて詳しく解説します。

1. 血圧とは何か?まずは基礎知識から

● 血圧の定義と役割

血圧とは、心臓が血液を全身に送り出すときに血管の内壁にかかる圧力のことです。
通常、以下の2つの数値で表されます。

  • 収縮期血圧(上の血圧):心臓が収縮し血液を送り出すときの圧力
  • 拡張期血圧(下の血圧):心臓が拡張し血液をためるときの圧力

● 正常な血圧値とは?

日本高血圧学会のガイドライン(2024年版)では、以下のように分類されています。



血圧分類


収縮期血圧


拡張期血圧
正常血圧<120 mmHg<80 mmHg
正常高値血圧120〜129<80
高値血圧130〜13980〜89
高血圧(Ⅰ度)140〜15990〜99
高血圧(Ⅱ度)160以上100以上

高値血圧や高血圧Ⅰ度は、生活習慣の改善で管理可能なケースが多く、早期対応が重要です。

2. 血圧測定の正しい方法:誤差をなくすコツ

● 家庭血圧が重要な理由

近年では「診察室血圧」よりも「家庭血圧」が重視される傾向にあります。
家庭血圧の方が、日常の血圧をより正確に反映するためです。

● 測定のポイントと注意点

正しい測定には以下の条件を満たすことが大切です。

  • 測定前に5分以上安静にする
  • カフェインや喫煙後30分は避ける
  • 排尿を済ませてから測定
  • 座位で足を組まず、背もたれ・腕置き使用
  • 毎日、朝と夜の決まった時間に記録

家庭血圧の目標値は、135/85 mmHg未満です(診察室血圧は140/90未満)。

3. 血圧を上げる原因とは?リスクファクターを知る

血圧を上昇させる要因は多岐にわたります。以下に主なリスクファクターを整理します。

リスク要因解説
塩分の過剰摂取ナトリウムが体内に水分を保持し血圧を上げる
肥満・内臓脂肪の増加血管抵抗が高まり心臓に負担がかかる
運動不足血管の柔軟性が低下し高血圧につながる
アルコールの過剰摂取一時的に拡張するが、長期的には上昇
精神的ストレス交感神経優位で血管が収縮しやすくなる
加齢血管が硬くなり血圧が上がりやすくなる
遺伝的体質両親が高血圧の場合、発症リスクは2倍以上

4. 生活習慣の改善による血圧管理:実践法と効果

● 減塩:血圧管理の基本

  • 目標:1日6g未満の塩分摂取
  • 具体策:
    • 醤油や味噌は控えめに(小皿に出して使用)
    • 出汁や香辛料を活用して風味を工夫
    • 加工食品やカップ麺は避ける

日本人の平均摂取量は約10gとされており、無意識のうちに摂り過ぎているケースが多いです。

● 適度な運動:週150分を目標に

  • 有酸素運動(ウォーキング、サイクリングなど)を1日30分・週5回
  • 運動により血管拡張作用が高まり、収縮期血圧で5〜10 mmHgの低下が期待できます

● 食事内容の見直し

  • 野菜・果物・海藻・魚を積極的に摂取(DASH食が推奨される)
  • 飽和脂肪酸やトランス脂肪酸を控える

● アルコールと喫煙の見直し

  • アルコール:男性は1日20g(日本酒1合)、女性はそれ以下に
  • 喫煙は血圧を急上昇させるため完全禁煙が推奨されます
stopする医者

5. 薬による治療:内科的アプローチと継続の重要性

● 薬物療法の開始基準

高血圧が生活習慣改善でも十分にコントロールできない場合、薬物治療が検討されます。
以下のようなケースでは、初期から薬物治療が必要です。

  • 高血圧Ⅱ度(160/100mmHg以上)
  • 糖尿病・腎疾患・脳血管疾患の合併がある
  • 家庭血圧でも140/90mmHg以上が継続

● 主な降圧薬の種類と作用機序

薬の種類代表薬主な作用
ARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)ロサルタン、テルミサルタン血管拡張、心保護作用あり
Ca拮抗薬アムロジピン血管の平滑筋を緩める
利尿薬トリクロルメチアジド体内の余分な水分とナトリウムを排出
β遮断薬ビソプロロール心拍数を抑え心臓の負担を減らす

ポイント: 医師の指導のもと継続することが大切。症状がなくても中断しないことが予後改善に繋がります。

6. よくある質問とその回答(Q&A)

Q1. 血圧が高いときだけ薬を飲めばよいですか?
A:いいえ。高血圧は継続的な疾患です。血圧が高くない日でも、薬を毎日定時に服用する必要があります。

Q2. 食事と運動だけで血圧を下げられますか?
A:軽度高血圧であれば可能ですが、一定期間内に改善が見られない場合は薬物療法の併用が勧められます。

Q3. 家庭用の血圧計は信用できますか?
A:上腕式の電子血圧計で、医療機関が認定している製品であれば信頼性は十分です。手首式や指式は誤差が大きいため推奨されません。

7. まとめ:正しい血圧管理が未来の健康を守る

血圧管理は「今の自分」のためだけでなく、「10年後の自分」のためでもあります。症状がなくても、毎日の生活習慣の積み重ねが、脳卒中・心筋梗塞・腎不全といった重篤な疾患の予防につながります。

クリニックでは、患者一人ひとりに合わせた個別の血圧管理計画を立て、生活指導から薬物療法までトータルにサポートが可能です。ご自身やご家族の健康管理の第一歩として、ぜひ内科の専門医にご相談ください。