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一般内科・健康診断のご予約
慢性疲労症候群(CFS)は、長引く倦怠感や集中力の低下、睡眠障害などで日常生活に支障をきたす症状を引き起こします。原因は多岐にわたりますが、内科的な観点から正しく理解し、対策を講じることで改善への道筋が見えます。この記事では、内科医としての視点から、CFSの可能性のある原因と、臨床やエビデンスに基づく実践的な改善策を詳しくご紹介します。専門的な内容を丁寧に、読みやすくまとめましたので、慢性的な疲労にお悩みの方はぜひご一読ください。
この記事でわかること
慢性疲労症候群(CFS: Chronic Fatigue Syndrome)は、単なる「疲れ」や「体力不足」とは異なる、医学的に認められた疾患です。特徴は、6カ月以上続く強い全身の倦怠感で、十分な休養をとっても改善しないことが多い点にあります。
さらに、CFSでは倦怠感以外にもさまざまな症状が現れるのが特徴です。たとえば、集中力や記憶力の低下、質の悪い睡眠、頭痛や筋肉痛、喉の痛み、リンパ節の腫れなどが挙げられます。これらの症状が複数重なることで、日常生活や仕事に大きな支障をきたし、患者さんのQOL(生活の質)を大きく低下させる要因となります。
CFSは症状が幅広く、他の病気と区別するのが難しいため、診断は除外診断が基本となります。まずは、似た症状を示す他の疾患を一つひとつ除外していくことが必要です。具体的には、
これらを丁寧に確認し、該当しない場合にCFSの可能性が検討されます。
米国疾病管理予防センター(CDC)の診断基準など国際的な基準も活用されます。そのうえで、以下のような検査を組み合わせ、患者さんの状態を多角的に評価していきます。
このように、CFSの診断は「ひとつの検査で判定できる病気」ではなく、内科的な知見をもとに総合的に判断する必要があるのです。貧血が気になる方は貧血を改善する内科的アプローチと食事の工夫もあわせてご覧ください。
慢性疲労症候群は、休んでも回復しない強い疲労が6か月以上続き、日常生活が明らかに制限される状態を指します。単に疲れが取れないだけでは診断されません。国際的には、次の3つがそろうことが必須とされています。
| 必須の症状 | 具体的な状態 |
|---|---|
| 著しい活動低下 | 仕事や家事、学業の水準が発症前より明らかに落ち、6か月以上続く。休息では戻らない |
| 労作後倦怠感 | 体を動かした後、数時間から数日遅れて症状が強く悪化する。以前なら平気だった活動でも起こる |
| 回復感のない睡眠 | 睡眠時間は足りているのに、朝起きたときに休めた感じがしない |
これに加えて、認知機能の低下(集中力が続かない、言葉が出にくい)または起立不耐性(立っているとふらつく、横になると楽になる)のいずれかがみられます。米国医学研究所が2015年に示した基準に沿った考え方です。
特徴的なのは労作後倦怠感です。頑張った翌日ではなく、2日後に動けなくなるという訴えは、通常の疲労ではあまり聞かれません。この時間差が診断の手がかりになります。
疲労が続くときは、まず内科を受診してください。慢性疲労症候群は、他の病気が隠れていないことを確かめたうえで診断される疾患だからです。同じような疲労感を起こす病気は少なくありません。
| まず除外する病気 | 見分ける手がかり | 主な検査 |
|---|---|---|
| 甲状腺機能低下症 | むくみ、寒がり、体重増加、便秘を伴う | TSH・FT4の血液検査 |
| 貧血 | 動悸、息切れ、立ちくらみが目立つ | 血算(ヘモグロビン) |
| 睡眠時無呼吸症候群 | いびき、日中の強い眠気、朝の頭痛 | 簡易睡眠検査 |
| うつ病 | 興味や喜びの喪失が中心。体を動かせば気分が晴れることもある | 問診・心理評価 |
| 糖尿病・肝腎機能障害 | 口渇、多尿、健診での指摘 | 血糖・HbA1c・肝腎機能 |
うつ病との区別は特に迷いやすい部分です。うつ病では活動によって気分が改善することがありますが、慢性疲労症候群では動いた後にかえって症状が悪化します。この違いは診察でも重視されます。
当院では、血液検査で甲状腺・貧血・糖代謝・肝腎機能をまとめて確認し、必要に応じて睡眠検査もご案内しています。原因がはっきりしないまま疲労が続いている方は、一度ご相談ください。
慢性疲労症候群(CFS)は、単に「疲れやすい体質」と片付けられるものではなく、体の免疫、ホルモン、エネルギー代謝、そして心の健康まで、複数の要因が複雑に絡み合って生じると考えられています。ここでは、内科的な観点から考えられている主な原因をご紹介します。
CFS患者では、体の防御反応である免疫系が過剰に働いていることが多く報告されています。特に、炎症を引き起こす「サイトカイン」(インターロイキン-6など)が過剰に分泌されることで、体が常に「炎症状態」に近い状態に陥り、強い倦怠感や集中力低下を引き起こすと考えられています。
また、ウイルス感染後に症状が悪化するケースも多く、異常な免疫応答や細菌由来の微小炎症(LPSなど)が、疲労を長引かせる要因とされています。
私たちの体は、ストレスに対応するために「HPA軸(視床下部-脳下垂体-副腎)」というシステムを使い、コルチゾールというホルモンを分泌します。しかし、CFS患者ではこのシステムがうまく働かず、ストレスに対して必要なホルモンが分泌されにくいことがわかっています。
その結果、体が十分に回復できず、常に疲労が溜まったままの状態となり、慢性的な倦怠感につながると考えられています。
エネルギーの生産工場であるミトコンドリアの働きが落ちていることも、CFSの大きな原因とされています。通常、私たちは食事から得た栄養をATP(エネルギー)に変換して活動しますが、CFS患者ではミトコンドリアの働きが弱まり、必要なエネルギーを十分に作り出せません。
これにより「常に体が重い」「少し動いただけで疲れる」という感覚が生じ、心身の回復が遅れることにつながります。
CFSは体の異常だけでなく、心や社会的ストレスとも深く関係しています。慢性的な心理的ストレス、不眠、不安やうつ症状は、疲労を悪化させる大きな要因となります。特に、疲労が長引くことで仕事や学業、家庭生活に支障をきたし、そのこと自体がさらにストレスとなり、悪循環を生み出すケースも少なくありません。
したがって、CFSの改善には、体の治療と同時に、心理面や生活環境を含めた全人的なケアが求められます。

内科的アプローチでは、まず血液検査、甲状腺ホルモン、ビタミン欠乏、感染症(EBウイルス、サイトメガロウイルスなど)の有無を精査します。原因を特定しながら、患者ごとに現実的な改善目標を立てることが大切です。
認知行動療法(CBT)やカウンセリングにより、ストレスの受け止め方や生活の質を改善する取り組みが効果的です。医師との対話を通じた安心感も、症状の改善につながります。
漢方薬(補中益気湯、加味帰脾湯など)は、倦怠感や体力低下に対して用いられることがあります。また、CoQ10、L-カルニチン、ビタミンB12などのサプリメントも、医師の監修のもとで補助的に活用できます。
症状は日々変化するため、定期的な診察や生活状況の見直しが欠かせません。必要に応じて専門外来(神経内科、心療内科など)への紹介も視野に入れ、柔軟な対応を心がけます。
慢性疲労症候群(CFS)は、未だに原因が完全には解明されていない複雑な疾患ですが、近年の研究によって少しずつ新しい知見が蓄積されています。従来は「疲れやすい体質」や「心の問題」と片付けられることもありましたが、医学的な研究が進むにつれて、体の仕組みや免疫・代謝に深く関係している疾患であることが明らかになってきました。
近年特に注目されているのが、腸内環境とCFSの関係です。腸には全身の免疫細胞の多くが存在し、腸内フローラ(腸内細菌叢)のバランスが免疫機能や神経伝達物質の働きに大きな影響を与えることが分かってきました。
これらの点から、プロバイオティクス(善玉菌を含む食品やサプリ)やプレバイオティクス(善玉菌のエサとなる成分)の摂取が、CFSの症状改善に有望ではないかと考えられています。まだ研究段階ではあるものの、腸活がCFS治療の一助になる可能性があります。腸内環境と便通の関係については内科医が解説する便秘と下痢の同時対策法も参考にしてください。
さらに、将来的には遺伝子検査や免疫調整薬を用いた個別化医療も期待されています。
患者さんごとの体質や免疫の状態を詳しく調べることで、「誰にどの治療が有効か」を事前に予測できるようになると考えられています。これにより、従来の画一的な治療では得られにくかった効果が、より高い確率で得られる可能性があります。
CFSは今なお「未解明な部分が多い疾患」ですが、世界中で研究が進んでおり、少しずつではあっても確実に治療の道筋が見え始めている段階です。腸内環境の改善や新しい免疫療法、個別化医療の発展によって、将来的にはより効果的で根本的な治療法が確立されることが期待されています。
慢性疲労症候群は、一過性の疲れとは異なり、さまざまな生理学的・心理学的要因が複雑に絡み合う疾患です。内科的アプローチでは、正確な診断、適切な生活指導、補助療法の活用を通じて、症状の軽減と生活の質の向上を目指すことができます。医師との連携のもと、無理なく焦らず、自分に合った改善方法を見つけていくことが大切です。慢性疲労に悩む方々にとって、この記事が少しでも回復へのヒントとなれば幸いです。
Q. CFSは完治しますか? A. 個人差がありますが、適切な治療と生活改善により症状の軽減が期待できます。焦らず継続的なケアが大切です。
Q. どのくらい休んでも疲れが取れません。何科を受診すればいいですか? A. まずは内科での血液検査などにより他の疾患を除外することが重要です。必要に応じて神経内科や心療内科と連携します。
Q. サプリメントだけで改善しますか? A. 補助的な効果は期待できますが、根本的な原因の特定と生活習慣の見直しが基本です。医師の監修のもとで活用してください。
Q. 運動をすると余計に疲れます。運動療法は必要ですか? A. 段階的運動療法(GET)は体調に応じたペースで行うことが重要です。無理をせず医師と相談しながら進めてください。
一般内科・糖尿病内科を担当しています。
この記事は、ヒロクリニックの医師紹介・監修体制にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。
岡 浩子 (おか ひろこ)
医療法人社団福美会 理事長
この記事は、ヒロクリニックの医師紹介・監修体制にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。
一般内科を担当しています。
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