妊娠何週まで出生前親子鑑定が可能か

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出生前親子鑑定は、妊娠6週以降であれば出産直前まで受けられます。「もう時期を逃したのではないか」「今から申し込んでも間に合うのか」と不安に思う方は少なくありません。この記事では、検査が妊娠6週から可能になる医学的な理由と、申し込みから結果報告までの具体的なスケジュールを解説します。

この記事でわかること

  • 出生前親子鑑定を受けられる期間(妊娠6週〜出産直前)
  • 妊娠6週以降でなければ検査できない医学的な理由
  • 出生前親子鑑定(NIPPT)と新型出生前診断(NIPT)の違い
  • 申し込みから結果報告までのスケジュール目安
  • 法的な手続きを急いでいる場合の進め方
  • 妊娠6週になる前にできる準備

なぜ妊娠6週以降なのか?cfDNAが検査のカギ

出生前親子鑑定を妊娠6週以降からしか受けられないのは、赤ちゃん由来のDNA(cfDNA)が母体の血液中に十分な量流れ込むタイミングだからです。

cfDNAとは、細胞の外に存在する断片状のDNAのことです。英語ではcell-free DNAと呼ばれ、頭文字を取ってcfDNAと表記されます。妊娠中は、胎盤を通じて赤ちゃん由来のcfDNAが少しずつ母親の血液中に流れ出します。妊娠初期のごく早い段階ではこの量がまだ少なく、正確な解析に必要な水準に達していません。妊娠6週を過ぎたころから、解析に十分な量のcfDNAが安定して検出できるようになります。

相談窓口にお伺いしていると、「なぜもっと早く受けられないのか」という質問を実際によくいただきます。妊娠6週に満たない時期に採血すると、cfDNAの量が不足し、十分な精度で判定できないことがあります。妊娠6週という基準は、精度を保ったまま検査するための医学的な区切りだとご理解ください。母体血中のcfDNAの割合は、一般的に妊娠週数が進むにつれて増えていく傾向があるとされていますが、体重など個人差の影響を受けることも知られています。ヒロクリニックでは、独自の検査体制により妊娠6週からの実施を可能にしています。

ヒロクリニックの出生前親子鑑定は、母親の血液と、父親候補となる男性の頬粘膜を採取するだけで完了する非侵襲的な検査です。おなかに針を刺す処置がないため、母体にも赤ちゃんにも負担をかけません。

なお、医療機関によっては、絨毛採取(妊娠6週〜12週に実施されることが一般的)や羊水穿刺(妊娠15週〜20週に実施されることが一般的)といった、母体に直接針を刺す侵襲的な検査方法が用いられる場合もあります。これらは主に染色体異常などを調べる出生前診断を目的とした処置です。親子関係の確認だけが目的であれば、こうした侵襲的な処置を伴わない血液採取のみの方法を選べます。

出生前親子鑑定(NIPPT)と新型出生前診断(NIPT)の違い

出生前親子鑑定(NIPPT)と新型出生前診断(NIPT)は、どちらも母体血中のcfDNAを使う検査ですが、調べる目的がまったく異なります。名称が似ているため、混同されることが少なくありません。

新型出生前診断(NIPT)は、赤ちゃんの染色体の数的異常(21トリソミーなど)の可能性を調べるスクリーニング検査です。一方、出生前親子鑑定(NIPPT)は、赤ちゃんと父親候補となる男性との間に生物学的なつながりがあるかどうかを、STR法を用いて判定する検査です。調べる対象も使う手法も異なる、別の検査だとご理解ください。

相談窓口でも、「NIPTを受けたことがあるので、そのデータで親子鑑定もできますか」というお尋ねをいただくことがあります。NIPTの検査データをそのまま親子鑑定に転用することはできません。出生前親子鑑定を希望される場合は、あらためて専用の採血・採取が必要になる点にご留意ください。

項目出生前親子鑑定(NIPPT新型出生前診断(NIPT)
調べる対象父親候補との生物学的なつながり染色体の数的異常の可能性
必要な検体母親の血液+父親候補の頬粘膜母親の血液のみ
用いる手法STR法主にSNP法や次世代シーケンサーによる網羅解析

このように、同じ「母体血中のcfDNAを調べる」検査であっても、目的と解析手法がまったく異なるため、名称が似ていても別の検査として扱う必要があります。

検査の流れとスケジュール目安

お申し込みから結果報告まで、標準的な流れは4つのステップで、結果までは約2週間が目安です。初めての方でもイメージしやすいよう、時期ごとの目安を表にまとめました。

ステップ 時期の目安 内容
1. お申し込み・ご相談 妊娠6週になったら 電話またはWEBから予約し、検査内容とプランを決めます
2. 採血・検体採取 予約日 提携医療機関または自宅で、母親の血液と男性の頬粘膜を採取します
3. 検査機関での解析 採取後 自社ラボ「東京衛生検査所」でSTR法による解析を行います
4. 結果報告 標準で約2週間後 医師から結果の説明を受けます

解析には、日本で初めて導入されたQiagen社製「MiSeq FGx System」を使用しています。STR法は52座位を分析し、99.99%以上の精度で結果を導き出せる手法です。座位とは、DNA上にある特定の目印のことで、調べる座位の数が多いほど、より確実な判定につながります。次世代シーケンサーを保有し、CAP・ISO9001を取得した自社ラボ「東京衛生検査所」での一貫運用のため、外部機関へ委託する場合と比べて検体の受け渡し回数が少なく済みます。

採血は、提携医療機関での実施に加えて、自宅で採取した検体を郵送する方法も選べます。通院の時間を確保しづらい方でも、自分のペースでスケジュールを組めるのは心強い点です。

費用は、私的鑑定が108,000円(税込)、法的な手続きに使える法的鑑定が149,800円(税込)です。料金の違いや選び方について詳しくは、出生前親子鑑定の費用相場|他院4社比較と選び方で解説しています。

妊娠6週になる前にできる準備

妊娠6週になってから慌てないために、それより前の段階でも準備しておけることがあります。検体採取そのものは妊娠6週からとなりますが、事前の準備は早く始めるほど当日の流れがスムーズになります。

まず、超音波検査などで正確な妊娠週数を確認しておくことが基本です。妊娠週数の数え方によっては数日のずれが生じることもあるため、かかりつけの産婦人科で最新の週数を確認しておくと安心です。次に、父親候補となる男性の協力が得られるかどうかを早めに確認しておきましょう。頬粘膜の採取は本人が専用綿棒で行うだけの簡単な作業ですが、遠方に住んでいる、直接会えないといった事情がある場合は、採取キットの郵送方法について事前にご相談ください。

私的鑑定と法的鑑定のどちらを選ぶかも、早めに決めておきたいポイントです。法的な手続きを予定している場合、法的鑑定では本人確認や採取の立会いといった手続きが必要になるため、当日になって私的鑑定から変更しようとすると調整に時間がかかることがあります。目的をあらかじめ整理しておくことが、余計な手間を減らす近道です。相談を受けていると、目的がはっきりしないまま予約だけを済ませてしまい、後から必要書類が足りないと気づく方も見受けられます。

急いでいる場合の対応

離婚や中絶など期限が迫っている場合は、妊娠6週になった時点でできるだけ早く相談窓口へ連絡することが最初の一歩になります。

妊娠中に出生前親子鑑定を検討する背景は、人によってさまざまです。中絶を含めた今後の判断材料にしたい方もいれば、離婚調停や養育費の話し合いを控えている方もいます。どのような事情であっても、まず妊娠週数を確認し、6週に達しているかどうかを把握することが最初のステップになります。

私的鑑定であれば、法的な手続きを想定していない分、比較的シンプルな検査体制で進められます。一方、裁判所への提出や認知手続きなど法的な用途がある場合は、本人確認や採取の立会いといった手続きが必要な法的鑑定を選ぶことになります。どちらを選ぶべきか迷う場合は、DNA鑑定の費用(私的、法的鑑定の比較)も参考にしてください。

相談窓口で日々やり取りしていると、「何週までに動けば間に合うか」という質問を数多くいただきます。検体採取自体は妊娠6週からとなりますが、早めに情報収集しておくことで、6週を迎えてから慌てずに手続きを進められます。妊娠週数にかかわらず、気になる点があれば相談窓口までお問い合わせください。

なお、法的な手続きの進め方そのものについては、行政書士や弁護士など専門家に相談したうえで判断してください。検査結果はあくまで血縁関係を示す資料であり、手続き全体の進行を保証するものではありません。

よくある質問

検査を受けられる時期に関するご質問は、6週という基準への疑問と、急ぎの事情への対応に大きく分かれます。ここでは、特に多くいただく8つの質問にお答えします。

Q1. 出生前親子鑑定は妊娠何週から受けられますか?

A. 妊娠6週以降であれば検査を受けられます。母体血中に赤ちゃん由来のDNA(cfDNA)が十分な量流れ込むタイミングが目安になるため、これより早い時期に採血しても、正確な判定に必要な精度を確保できません。

Q2. 出生前親子鑑定は妊娠何週まで受けられますか?

A. 出産直前まで受け付けています。妊娠後期に入ってからのお申し込みでも、検査自体は可能です。妊娠が進んでいることを理由に諦める必要はありません。

Q3. 結果が出るまでどのくらいかかりますか?

A. 標準プランではおよそ2週間が目安です。採血から解析、医師による結果説明まで一貫して行われるため、お急ぎの事情がある場合は、あらかじめ相談窓口にお伝えください。

Q4. 妊娠6週になる前でも相談はできますか?

A. 検体採取自体は妊娠6週からとなりますが、それより前の段階でもお問い合わせいただけます。早めに情報収集しておくと、6週を迎えてから落ち着いて手続きを進められます。

Q5. 法的な手続きで急いでいる場合はどうすればいいですか?

A. まずは妊娠6週になった時点で、できるだけ早く相談窓口へご連絡ください。手続きの進め方や必要書類については、行政書士や弁護士など専門家にも相談しながら判断してください。

Q6. 周囲に知られずに検査を進めることはできますか?

A. プライバシーに配慮した体制で対応しています。検体の受け渡し方法や結果通知の方法について、事前に相談窓口へご確認ください。

Q7. 新型出生前診断(NIPT)を受けていれば、そのデータで親子鑑定もできますか?

A. できません。NIPTは染色体の数的異常を調べるスクリーニング検査で、出生前親子鑑定(NIPPT)とは調べる対象も手法も異なります。親子鑑定をご希望の場合は、あらためて専用の採血・採取が必要です。

Q8. 妊娠週数がはっきりしない場合はどうすればよいですか?

A. かかりつけの産婦人科で超音波検査を受け、正確な妊娠週数を確認してから相談窓口にご連絡ください。週数の数え方によっては数日のずれが生じることがあるため、最新の情報をもとにご案内します。

まとめ

出生前親子鑑定は、妊娠6週以降から出産直前まで受けられます。6週という基準は、赤ちゃん由来のDNAが母体血中に十分量流れ込むタイミングに基づいており、精度を保つための医学的な理由によるものです。妊娠が進んでいるからといって、検査自体を諦める必要はありません。新型出生前診断(NIPT)とは目的も手法も異なる検査である点も、あわせて押さえておいてください。

結果までは標準でおよそ2週間。法的な手続きを予定している場合は、6週になった時点でできるだけ早くご相談ください。私的鑑定と法的鑑定のどちらが自分の状況に合っているかも含め、ご自身のペースで確認するところから始めてみましょう。詳しいよくある質問は、Q&Aページでもご確認いただけます。


執筆・医療監修: 岡博史(医療法人社団福美会 理事長/ヒロクリニック統括院長/医学博士/CAPラボディレクター)
共同監修: 堤修一(博多駅前院院長/医学博士)

参考情報: 公益社団法人 日本産科婦人科学会

妊娠6週からできる親子鑑定
周りにバレずにこっそり判定

医師監修 監修日:2024年9月1日

岡 博史 (おか ひろし)

医師・医学博士 ヒロクリニック統括院長

YouTubeチャンネルなどを通じて、遺伝子やNIPT(新型出生前診断)についてわかりやすく発信しています。

略歴

  • 1996年 慶應義塾大学医学部 卒業
  • 2004年 慶應義塾大学 医学博士号 取得
  • 2005年 慶應義塾大学 皮膚科学教室 助手
  • 2008年 ヒロ皮フ形成クリニック 開業
  • 2009年 医療法人社団福美会 理事長
  • 2015年 医療法人社団福美会 理事

資格・所属

  • CAPラボディレクター
  • 日本皮膚科学会 皮膚科専門医
  • 日本医師会 産業医
  • 東京衛生検査所 指導監督医

この記事は、 ヒロクリニックNIPPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。

医師監修 監修日:2024年9月1日

堤 修一 (つつみ しゅういち)

医師・医学博士 ヒロクリニック博多駅前院 院長

略歴

  • 1993年 東京大学医学部医学科 卒業
  • 2016〜2019年 東京大学先端科学技術研究センター 准教授

発信・関連リンク

この記事は、 ヒロクリニックNIPPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。

参考文献

  1. Lo YM, Corbetta N, Chamberlain PF, Rai V, Sargent IL, Redman CW, Wainscoat JS. Presence of fetal DNA in maternal plasma and serum. Lancet. 1997 Aug 16;350(9076):485-7.
  2. Ryan A, Banjevic M, Demko Z, et al. Noninvasive prenatal paternity testing using massive parallel sequencing of single nucleotide polymorphisms. Genet Med. 2013 Nov;15(11):894-901.

記事の監修者