DNA出生前親子鑑定の導入が進む国々

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この記事の概要

DNA出生前親子鑑定(Prenatal DNA Testing)は、妊娠中に胎児と親との関係を確認するための遺伝子検査であり、最近ますます注目されています。この記事では、DNA出生前親子鑑定の基本的な概要から、各国での導入状況、倫理的および法的な課題に至るまで、詳しく解説します。特に、アメリカ、イギリス、ドイツ、日本など、DNA出生前親子鑑定の導入が進んでいる国々について詳しく見ていきます。

母体血液を使った出生前DNA検査は2011年のアメリカでの実用化以降、世界中に広がりましたが、その多くは染色体異常を調べる「新型出生前診断(NIPT)」です。親子関係を調べる出生前親子鑑定とは目的が異なります。

本記事では、この2つの検査が混同されやすい理由と、国ごとの普及・提供状況を整理します。各国の法規制の詳細は関連記事でご確認ください。

この記事でわかること

  • 母体血液を使ったDNA検査技術が広まった経緯
  • 「NIPT」と「出生前親子鑑定」の違い
  • アメリカ・イギリス・日本での提供状況の違い
  • 各国の法規制について詳しく知る方法

妊娠6週からできる親子鑑定
周りにバレずにこっそり判定

母体血液を使うDNA検査技術が広まった経緯

母体血液中の胎児由来DNA(cfDNA)を解析する技術は、2011年10月にアメリカでSequenom社が「MaterniT21」という染色体異常スクリーニング検査を商業化したことで実用化されました。これが、母体血液だけで胎児の遺伝情報を調べる検査が世界に広がる出発点となっています。

その後、同様の技術を用いた検査が各国のメーカーから相次いで登場し、母体血液を使う出生前検査は急速に普及しました。出生前親子鑑定も、この母体血液からcfDNAを解析する基盤技術の応用として提供されています。

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「NIPT」と「出生前親子鑑定」は目的が異なる検査です

NIPT(新型出生前診断)は胎児の染色体異常の可能性を調べる検査であり、父親候補との親子関係を判定する出生前親子鑑定とは、目的も検査項目もまったく異なります。名称が似ているため、海外の制度を調べる際にも混同されやすい点に注意してください。

項目NIPT(新型出生前診断)出生前親子鑑定
目的染色体異常(21トリソミー等)のスクリーニング父親候補との親子関係の判定
比較対象胎児のDNAのみを解析胎児と父親候補、双方のDNAを比較
公的医療制度での扱い国によっては公的スクリーニングに組み込まれる例がある基本的に自由診療・私費負担

たとえばイギリスのNHS(国民保健サービス)は、ダウン症候群などのリスク評価を目的としたNIPTを妊婦健診の一環として提供していますが、これは親子関係を調べる検査ではありません。詳細はNHS inform(英国国民保健サービスの案内サイト)で確認できます。

出生前親子鑑定を目的とする場合、NHSの対象にはならず、民間の検査サービスを利用することになります。

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主要国における提供状況

ここでは、出生前親子鑑定(NIPPT)に絞って、主な国での提供状況を紹介します。各国の法規制・禁止事項の詳細については、後述の関連記事で解説しています。

アメリカ——民間検査として広く普及

アメリカでは、複数の民間検査会社が出生前親子鑑定を提供しています。検査自体は自由診療にあたり、公的医療保険や多くの民間保険の対象外です。費用は数十万円規模になることも珍しくなく、全額自己負担が基本です。

イギリス——NHS対象外の民間サービス

前述の通り、NHSが提供するのは染色体異常のスクリーニングであり、出生前親子鑑定は対象に含まれません。親子関係の確認を目的とする場合は、民間の検査機関に依頼する必要があります。

日本——医療機関が主体となって提供

日本でも、母体血液を使った出生前親子鑑定を提供する医療機関が増えています。公的医療保険の対象外である点は他国と共通していますが、医師の診察のもとで検査を受けられる医療機関が中心になっていることが特徴です。国内で検査を受ける利点は出生前親子DNA鑑定が国内検査であるメリットで詳しく解説しています。

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検査市場は今も拡大が続いている

母体血液を使うcfDNA検査は、2011年の実用化以降、医療分野の中でも特に急速に広まった検査の一つとされています。染色体異常のスクリーニング(NIPT)分野では、実用化からわずか数か月のうちに複数の検査会社が新たなサービスを投入し、その後も年率にして二桁近い成長が続いてきました。

この急速な普及の背景には、採血だけで完結する非侵襲的な検査であることへの需要の高さがあります。出生前親子鑑定も同じcfDNA解析の技術基盤の上に成り立っています。

検査会社・医療機関の増加とともに、利用できる地域は今後も広がっていくと考えられます。検査そのものの仕組みはDNA出生前親子鑑定NIPPT)とは?で詳しく解説しています。

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国によって法規制が大きく異なる点に注意

出生前親子鑑定に対する法規制は、国によって大きく異なります。フランスやドイツのように、裁判所の関与や本人同意がなければ検査自体が違法となる国もあれば、アメリカ・イギリス・日本のように比較的自由に検査を受けられる国もあります。

海外に住んでいる方や海外に検査を依頼しようと考えている方は、その国の法規制を必ず事前に確認してください。各国の禁止・制限事項の詳しい比較は出生前親子鑑定の各国の事情で解説しています。

海外の検査サービスを直接利用する場合の実務的な注意点

法規制の問題をクリアできたとしても、海外の検査サービスには実務面での注意点もあります。検体を国際便で送付する必要がある、報告書が日本語対応していない、日本の裁判所提出用としてそのまま使えるとは限らないといった点です。

特に法的な用途を想定している場合、検体採取の立会いや本人確認の手続きが、日本国内の法的鑑定と同じ水準で行われているかを事前に確認することが欠かせません。手続きに不備があると、後から証拠として認められない可能性があります。

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よくある質問

NIPTを受ければ、親子関係もわかりますか。

いいえ、わかりません。NIPTは染色体異常のスクリーニングを目的とした検査であり、父親候補との比較は行わないため、親子関係の判定はできません。

海外では出生前親子鑑定に公的保険が使えますか。

アメリカ・イギリス・日本を含め、出生前親子鑑定は基本的に公的医療保険や国の保健サービスの対象外です。全額自己負担での検査となります。

海外の検査サービスに直接依頼してもよいですか。

国によっては私的な鑑定自体が法律で制限されている場合があります。依頼前にその国の法規制を確認し、不明な点は専門家に相談してください。

日本国内で受けた結果は海外でも通用しますか。

提出先の国や機関によって、求められる証明手続きが異なります。海外での利用を予定している場合は、事前にクリニックへご相談ください。

今後、日本でも公的な制度が整備される可能性はありますか。

今後の制度整備の方向性は現時点で断定できません。関連する法整備の動きについては、随時情報を更新していきます。

まとめ

母体血液を使ったDNA検査技術は2011年のアメリカでの実用化を機に世界へ広がりましたが、染色体異常を調べるNIPTと、親子関係を調べる出生前親子鑑定は目的が異なる検査です。アメリカ・イギリス・日本のいずれも、出生前親子鑑定は公的保険の対象外です。

民間または医療機関による自由診療として提供されており、国ごとの法規制の詳細は関連記事もあわせてご確認ください。

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医師監修 監修日:2024年8月22日

岡 博史 (おか ひろし)

医師・医学博士 ヒロクリニック統括院長

YouTubeチャンネルなどを通じて、遺伝子やNIPT(新型出生前診断)についてわかりやすく発信しています。

略歴

  • 1996年 慶應義塾大学医学部 卒業
  • 2004年 慶應義塾大学 医学博士号 取得
  • 2005年 慶應義塾大学 皮膚科学教室 助手
  • 2008年 ヒロ皮フ形成クリニック 開業
  • 2009年 医療法人社団福美会 理事長
  • 2015年 医療法人社団福美会 理事

資格・所属

  • CAPラボディレクター
  • 日本皮膚科学会 皮膚科専門医
  • 日本医師会 産業医
  • 東京衛生検査所 指導監督医

この記事は、 ヒロクリニックNIPPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。

医師監修 監修日:2024年8月22日

堤 修一 (つつみ しゅういち)

医師・医学博士 ヒロクリニック博多駅前院 院長

略歴

  • 1993年 東京大学医学部医学科 卒業
  • 2016〜2019年 東京大学先端科学技術研究センター 准教授

発信・関連リンク

この記事は、 ヒロクリニックNIPPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。

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