アトピー性皮膚炎の光線療法とは|効果と保険適用を解説

当院の光線療法設備(全身照射に対応)

当院は、全身にまとめて照射できるキャビン型(ボックス型)のナローバンドUVB治療器と、患部だけをねらって照射するエキシマライト「セラビームUV308」の両方を備えています。全身型の照射装置は設備規模が大きく、導入している医療機関は限られますが、当院では皮疹が広い範囲におよぶ場合も全身照射で対応でき、症状に応じて全身照射と局所照射を使い分けられます。

この記事でわかること

  • アトピー性皮膚炎に対する光線療法の役割と位置づけ
  • ナローバンドUVBとエキシマライト(セラビームUV308)の違い
  • 光線療法が向いているケースと、慎重に検討したいケース
  • 治療の流れ・通院ペース・保険適用の考え方
  • 照射後に起こりうる副作用と、日常で気をつけたい点

アトピー性皮膚炎の光線療法とは

光線療法は、外用治療でかゆみや炎症が残るアトピー性皮膚炎に対して、特定の紫外線をあてて症状をやわらげる補助的な治療法です。あくまで保湿やステロイド外用などを土台としたうえで、それでもコントロールが難しい中等症から重症の方に検討されます。

当院では、医師が照射量を管理しながら安全に進める体制をとっています。まずは、光線療法がどんな場面で力を発揮するのかを整理していきましょう。

なぜアトピー性皮膚炎に光線療法が使われるのか

光線療法は、皮膚のかゆみや炎症に関わる免疫の反応を落ち着かせる働きが期待できるため、外用中心の治療を補う選択肢として用いられます。仕組みを知ると、なぜ塗り薬だけで足りない場合に検討されるのかが見えてきます。

アトピー性皮膚炎はどんな病気か

アトピー性皮膚炎は、強いかゆみを伴う湿疹が良くなったり悪くなったりを繰り返す、慢性の皮膚の病気です。背景には皮膚のバリア機能の低下と、アレルギーや免疫の関与があると考えられています。

バリアが弱ると、乾燥や刺激、汗、ダニなどの影響を受けやすくなります。かくことで炎症がさらに広がり、また眠りにくくなる。この繰り返しが、日々の生活の質を下げてしまう厄介さです。

治療の第一選択と光線療法の位置づけ

治療の基本は、保湿によるスキンケア、ステロイド外用薬、タクロリムスなどの外用薬、そして悪化因子を避ける工夫です。日本皮膚科学会のアトピー性皮膚炎診療ガイドラインでも、これらが土台に据えられています。

重症例では、注射の生物学的製剤やJAK阻害薬の内服が使われることもあります。光線療法は、こうした外用や内服とうまく組み合わせて、残ったかゆみや炎症をおさえる位置づけと考えてください。皮膚科で行う光の治療全般については皮膚科の光治療とはもあわせてご覧ください。

光線療法の種類と当院の機器

アトピー性皮膚炎の光線療法では、主にナローバンドUVBという波長の紫外線が用いられ、全身照射と部分照射を症状に応じて使い分けます。当院がそろえている機器を具体的にご紹介します。

ナローバンドUVB照射

ナローバンドUVBは、炎症に関わりやすい波長をしぼって照射する方法で、広い範囲の湿疹に対応しやすいのが特徴です。全身にあてる装置を使い、背中や手足など範囲が広い方に向いています。

1回の照射は短時間で終わります。筆者が診療の現場で話を聞くと、通院の負担が思ったより軽く、続けやすかったという声が少なくありません。

エキシマライト(セラビームUV308)

エキシマライトは、症状が残る部分をねらって照射できる方法で、狭い範囲に集中して光をあてられます。当院ではエキシマライト光線療法機器「セラビームUV308」を導入しています。

ひじの内側やひざの裏、首まわりなど、しつこく残りやすい部位にピンポイントで届く手軽さ。全身照射と部分照射を組み合わせられる点は、症状のばらつきが大きいアトピーと相性のよい工夫です。

外用治療と光線療法の比較

外用治療と光線療法は、どちらが優れているという話ではなく、役割が違います。下の表で位置づけを整理しました。

項目外用治療(保湿・ステロイド等)光線療法(ナローバンドUVB・エキシマライト)
役割治療の土台。毎日のケア外用で残る炎症・かゆみを補う
対象軽症〜重症まで幅広く中等症〜重症でコントロール不十分な場合
実施場所自宅で毎日クリニックで通院しながら
頻度の目安毎日のスキンケア週1〜2回程度を継続
主な注意点塗り方・塗る量・継続照射後の赤み・乾燥、紫外線量の管理

光線療法を始めても、保湿や外用薬をやめるわけではありません。土台のケアを続けながら、そこに光の治療を上乗せするイメージで考えてください。

Web予約はこちら(皮膚科)

お電話でのご相談:0120-241-929(川口院)

光線療法が向いているケースと慎重に検討するケース

光線療法は、外用でかゆみや炎症が残る方や、湿疹の範囲が広い方に向いた治療です。一方で、体の状態によっては先に相談が必要な場合もあります。

向いていると考えられるケース

次のような状況では、光線療法が力になりやすいと考えられます。まずは目安として参考にしてください。

  • ステロイド外用などを続けても、かゆみや赤みが残る
  • 湿疹の範囲が広く、塗り薬だけでは手間がかかる
  • 外用薬の量をなるべく増やしたくない

ただし、当てはまるからといって全員に適しているわけではありません。実際に向くかどうかは、診察で肌の状態を見ながら判断します。

慎重に検討したいケース

次に挙げる状況では、事前に医師へ必ずお伝えください。安全に進めるための大切な確認事項です。

  • 妊娠中、または妊娠の可能性がある
  • 光線過敏症がある、または疑われる
  • 皮膚がんの既往がある
  • 光に反応しやすい内服薬を使っている

こうした背景がある場合でも、治療そのものを一律に諦める必要はありません。状況を共有していただければ、他の選択肢を含めて一緒に考えていきます。かゆみの原因や症状別の考え方はかゆみ・症状別の解説も参考になります。

治療の流れと通院ペース

光線療法は、週1〜2回程度の通院を続けながら、少しずつ肌の反応を見て照射量を調整していく治療です。1回あたりの照射は短く、日常生活への負担を抑えやすい方法といえます。

初回は診察で肌の状態や治療歴を確認し、照射の量を控えめに設定します。回を重ねながら反応を見て、赤みが出すぎない範囲で調整します。すぐに劇的な変化が出るというより、続けるなかで少しずつ手ごたえを感じる進み方です。

途中で症状が落ち着いてきたら、間隔をあけていく判断もあります。自己判断でやめたり間隔を変えたりせず、通院のペースは医師と相談しながら決めてください。塗り薬でのかゆみケアについては湿疹のかゆみケアもあわせてどうぞ。

副作用と注意点

光線療法で起こりやすいのは、照射後の一時的な赤みやほてり、乾燥で、多くは時間とともに落ち着きます。長期的な影響は、医師が照射量を管理することでできるだけ抑えます。

まれに色素沈着が起こることもあります。乾燥が気になるときは、いつもの保湿をていねいに続けてください。ひりつきが強い、水ぶくれができたといった場合は、次の照射を待たずにご相談ください。

紫外線を長く浴び続けることは、光老化や皮膚がんのリスクと無関係ではありません。だからこそ、当院では医師が一人ひとりの照射量を細かく管理します。市販の日焼けマシンで代わりにしようとするのは避けてください。効果には個人差があり、同じ治療でも感じ方は人それぞれです。

費用(保険適用)と当院の体制

アトピー性皮膚炎に対する光線療法は保険適用の標準治療であり、自由診療ではありません。費用の心配で治療をためらっている方も、まずは診察でご相談ください。

当院ではナローバンドUVB照射と、エキシマライト光線療法機器「セラビームUV308」を用いています。全身照射と部分照射を、症状のばらつきに合わせて使い分けられる体制です。

川口院はJR川口駅東口から徒歩3分、埼玉県川口市栄町3-11-27にあります。池袋駅前院は東京都豊島区西池袋5-1-3 メトロシティ西池袋3F。診療時間は平日9:00〜13:00・14:30〜18:00で、水曜午後・土曜午後・日曜は休診、土曜は午前のみの受付です。通いやすさは治療を続けるうえで意外と大切なポイント。継続が前提の光線療法だからこそ、無理なく通える環境を選んでください。

診察をWeb予約する(皮膚科)

お電話:0120-241-929/川口駅東口 徒歩3分

よくある質問

光線療法についてよく寄せられる質問をまとめました。受診前の不安を減らす手がかりにしてください。

光線療法だけでアトピーは治りますか?

光線療法は単独で完結する治療ではなく、保湿や外用薬を土台にした補助的な選択肢です。症状をやわらげる助けにはなりますが、日々のスキンケアや外用を続けることが前提になります。

照射は痛いですか?

照射そのものに強い痛みはありません。ただし照射後に赤みやほてり、乾燥を感じることがあります。多くは一時的で、時間とともに落ち着いていきます。

どのくらいの頻度で通いますか?

目安として週1〜2回程度の通院を続けます。肌の反応を見ながら照射量や間隔を調整するため、通うペースは医師と相談しながら決めてください。

子どもや妊娠中でも受けられますか?

妊娠中の方や妊娠の可能性がある方、光線過敏症や皮膚がんの既往がある方は、事前に必ずお伝えください。年齢や体の状況によって判断が変わるため、診察で個別にご相談ください。

費用は保険が使えますか?

アトピー性皮膚炎への光線療法は保険適用の標準治療です。具体的な費用は照射の範囲や回数で変わるため、診察時にご案内します。

監修:岡 博史(統括院長・医学博士・日本皮膚科学会 皮膚科専門医)

この記事の監修者 — 皮膚科専門医による監修

  • 岡 博史 (統括院長/医学博士)
    日本皮膚科学会 皮膚科専門医
  • 遠田 博 (池袋院 皮膚科医)
    日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
  • 土屋 海士郎 (川口院 皮膚科医)
    日本皮膚科学会 専門医/難病指定医

本記事は当院の編集・監修体制に基づき作成しています。詳しくは編集ポリシー/監修体制をご覧ください。

関連記事

  1. 皮膚科と美容皮膚科の違い|ほくろ・いぼ除去の選び方

  2. 悪性黒色腫とは?

  3. 肌トラブル

    ニキビ跡を消すための皮膚科治療法

  4. 医者

    脂肪腫ができる原因と発症のメカニズム

  5. 女性 肌

    肌のトーンアップに効く皮膚科施術5選|原因と選び方

  6. 肌悩み

    色素沈着を治す皮膚科の治療法|原因別ガイド