当院の光線療法設備(全身照射に対応)
当院は、全身にまとめて照射できるキャビン型(ボックス型)のナローバンドUVB治療器と、患部だけをねらって照射するエキシマライト「セラビームUV308」の両方を備えています。全身型の照射装置は設備規模が大きく、導入している医療機関は限られますが、当院では皮疹が広い範囲におよぶ場合も全身照射で対応でき、症状に応じて全身照射と局所照射を使い分けられます。
この記事でわかること
- 尋常性白斑(しろなまず)がどんな病気で、なぜ色が抜けるのか
- 光線療法(ナローバンドUVB・エキシマライト)の仕組みと違い
- 効果の出やすい部位・出にくい部位の目安
- 保険適用の標準治療としての位置づけと治療の流れ
- 照射を受けるときの注意点と、化粧などで隠すカモフラージュの選択肢
鏡を見るたびに白い斑が気になって、外出が少しおっくうになる。そんな悩みを抱えて皮膚科を訪れる方は少なくありません。尋常性白斑(しろなまず)は見た目の変化が中心の疾患ですが、治療の選択肢はきちんと存在します。なかでも光線療法は、失われた色素の再生をうながす主要な治療のひとつです。
この記事では、白斑という病気の基本から、光線療法の種類と特徴、効果や注意点までを順にお伝えします。
尋常性白斑(しろなまず)とはどんな病気か
尋常性白斑は、皮膚の色をつくる細胞が働かなくなり、部分的に色が抜けて白くなる後天性の疾患です。
皮膚の色はメラノサイト(色素細胞)がつくるメラニンによって保たれています。このメラノサイトの機能が失われると、その部分だけ色が抜けて白い斑(脱色素斑)になります。原因はまだ完全には解明されていませんが、自己免疫の関与が考えられています。
多くの場合、かゆみや痛みはありません。健康そのものに大きな害を及ぼす病気ではないものの、顔や手など目立つ部位に出ると、見た目の悩みにつながります。筆者が診察室で話をうかがうと、体調よりも「人からどう見られるか」を気にされる方がとても多い印象です。
白斑が起こる場所と広がり方
白斑は顔、首、手足、体幹など、どこにでも生じます。
境界がはっきりした白い斑として現れ、時間をかけて数が増えたり広がったりすることがあります。進行のスピードや範囲には個人差があり、長く変化しない方もいれば、比較的短期間で広がる方もいます。
白斑の種類(非分節型と分節型)
白斑は大きく分けて、体の左右に広がる非分節型と、体の片側に限局する分節型の2つがあります。
タイプによって広がり方や治療の反応が異なるため、まず正しく分類することが治療方針の出発点になります。
- 非分節型:体の左右対称に近い形で複数の白斑が現れるタイプ。最も多く見られます。
- 分節型:体の片側の一定範囲に限って現れるタイプ。比較的若い年代で始まることがあります。
どちらのタイプかは、白斑の分布を診察で確認して判断します。自己判断がむずかしいところなので、皮膚科での診断が土台になります。
白斑の治療にはどんな方法があるか
白斑の治療は、塗り薬と光線療法を組み合わせながら、色素の再生(再色素化)を目指すのが基本です。
単一の方法だけで進めるより、状態や部位に合わせて使い分けるのが一般的です。主な治療を整理します。
- ステロイド外用:炎症を抑え、色素の回復をうながす塗り薬。
- タクロリムス外用:顔など皮膚の薄い部位で使いやすい塗り薬。
- 光線療法:特定の紫外線を当て、メラノサイトの働きを刺激して再色素化を促す治療。
とくに露出部の白斑や、進行している例では、光線療法が中心的な役割を担います。塗り薬と光線療法を併用しながら、根気強く経過を見ていく形が多くなります。
光線療法とは(ナローバンドUVBとエキシマライト)
光線療法は、色素の再生に有効とされる波長の紫外線を皮膚に照射し、白斑の改善を目指す治療です。
やみくもに紫外線を当てるのではなく、効果が期待できる特定の波長域にしぼって照射する点が特徴です。白斑の光線療法では、主に次の2つが使われます。
ナローバンドUVB
ナローバンドUVBは、全身や広い範囲の白斑に照射しやすい方法です。
専用の照射装置の中に立ち、体の広い面に一度に光を当てます。白斑が全身に散在するタイプや、範囲が広い場合に向いています。1回の照射時間は短く、通院しながら繰り返し受けていく治療です。
エキシマライト
エキシマライトは、限られた難治部位へピンポイントで照射するのに適した方法です。
照射口から出る光を、白斑のある場所だけに集中して当てられます。周囲の正常な皮膚への照射を抑えながら、必要な部分にしっかり光を届けられる点がメリットです。当院では、エキシマライト光線療法機器「セラビームUV308」を用いています。
ここで、2つの方法の違いを表で整理します。
| 項目 | ナローバンドUVB | エキシマライト(セラビームUV308) |
|---|---|---|
| 照射範囲 | 全身・広い範囲 | 限局した部位へピンポイント |
| 向いている白斑 | 散在型・広範囲 | 難治部位・狭い範囲 |
| 正常皮膚への影響 | 周囲にも当たりやすい | 周囲を避けて照射しやすい |
| 通院頻度の考え方 | 定期的に繰り返す | 定期的に繰り返す |
| 保険適用 | あり | あり |
どちらを選ぶか、あるいは併用するかは、白斑の広がりや部位を見て決めます。広い範囲はナローバンドUVB、しつこく残る一部分はエキシマライト、という使い分けも実際にはよく行います。
光治療全般の考え方については、皮膚科の光治療とはもあわせてご覧ください。
お電話でのご相談・ご予約は 0120-241-929(川口院)まで
セラビームUV308によるエキシマライト光線療法
セラビームUV308は、白斑のある部分に光を集中して当てられる、当院のエキシマライト光線療法機器です。
手や指の関節、口の周り、目立つけれど範囲は狭い、といった白斑に向いています。全身照射だけでは反応しにくい部分に、追加でピンポイント照射を組み合わせる使い方も可能です。
照射自体は短時間で終わり、痛みを伴う治療ではありません。照射のあとに一時的な赤みが出ることはありますが、多くは時間とともに落ち着きます。筆者の実感として、狭い範囲にしっかり光を届けたいケースでは、この機器の使い勝手のよさを感じています。
効果の出方と部位による違い
光線療法の効果には個人差と部位差があり、顔や体幹は反応しやすく、手足の先端は反応が乏しい傾向があります。
同じ治療でも、白斑のある場所によって色素の戻りやすさは変わります。あくまで一般的な目安ですが、部位ごとの反応の傾向を表にまとめます。
| 部位 | 再色素化の反応の目安 |
|---|---|
| 顔・首 | 比較的反応しやすい傾向 |
| 体幹(胸・背中・お腹) | 比較的反応しやすい傾向 |
| 腕・脚 | 中間的な傾向 |
| 手足の先端・指 | 反応が乏しいことが多い傾向 |
効果は一度で出るものではなく、徐々に現れます。多くの場合、色素が少しずつ点状に戻り始め、それが広がっていく形をたどります。数か月以上、根気強く続けることが前提になる治療です。すぐに変化が見えなくても、途中でやめずに続けることが色素の回復につながります。
効果には個人差があり、白斑が完全に元どおりの色に戻るとは限りません。この点は治療を始める前に、きちんと理解しておいてください。
光線療法を受けるときの流れと注意点
光線療法は、診断の確定から始まり、定期的な照射を繰り返しながら経過を見ていく治療です。
受診から治療までの大まかな流れと、知っておいてほしい注意点をお伝えします。
治療の流れ
まず診察で、白斑のタイプや広がりを確認します。似た見た目の他の脱色素性疾患との鑑別(診断の確定)が土台になるため、自己判断で市販の対策を進める前に、皮膚科での診断を受けてください。
診断がついたら、白斑の範囲に応じてナローバンドUVBとエキシマライトを選び、照射を始めます。塗り薬を併用しながら、通院して照射を続けていく形が基本です。
照射後に起こりうること
照射のあとに、一時的な赤みやほてりが出ることがあります。多くは自然に落ち着きますが、強い赤みや水ぶくれのような反応が出た場合は、次の照射前に必ず相談してください。
また、白斑のない正常な皮膚に紫外線が当たりすぎると、日焼けのように色が濃くなることがあります。照射量は状態を見ながら調整します。
日常生活での紫外線管理
治療中は、日常の紫外線との付き合い方にも気を配ってください。屋外での過度な日焼けは、白斑と正常部のコントラストを強めることがあります。日焼け止めや衣服で無理のない範囲の紫外線対策を続けながら、治療と両立させてください。
カモフラージュという選択肢
光線療法と並行して、化粧などで白斑を目立たなくするカモフラージュも現実的な選択肢です。
治療で色素が戻るには時間がかかります。その間の見た目の悩みをやわらげる方法として、専用のカバー化粧品やコンシーラーで白斑を隠す手段があります。
治療をあきらめるという意味ではありません。色素の回復を待ちながら、日々の生活の負担を減らすための、もうひとつの手立てとして考えてください。治療とカモフラージュは両立できます。
当院(川口院・池袋駅前院)の白斑光線療法
当院では、ナローバンドUVB照射とエキシマライト光線療法機器セラビームUV308を用いた、保険適用の光線療法を行っています。
広い範囲にはナローバンドUVB、しつこく残る限局部位にはエキシマライトと、白斑の状態に合わせて使い分けます。塗り薬との併用も含め、一人ひとりの状態に応じた治療を組み立てます。
- 川口院:埼玉県川口市栄町3-11-27(JR川口駅東口 徒歩3分/TEL 0120-241-929)
- 池袋駅前院:東京都豊島区西池袋5-1-3 メトロシティ西池袋3F
診療時間は平日9:00〜13:00・14:30〜18:00です。水曜午後・土曜午後・日曜は休診で、土曜は午前のみの診療となります。通院しながら続ける治療のため、通いやすさもふまえてご相談ください。
お電話は 0120-241-929(川口院)/受付時間内にご連絡ください
よくある質問
白斑の光線療法について、診察でよく寄せられる質問をまとめます。
Q1. 白斑の光線療法は保険が使えますか
ナローバンドUVB、エキシマライトともに保険適用の標準治療です。診察のうえ、白斑の状態に応じて照射方法を決めていきます。費用の詳しい目安は受診時にご案内します。
Q2. 効果が出るまでどのくらいかかりますか
効果は徐々に現れるため、数か月以上、根気強く続けることが前提になります。色素が点状に戻り始め、少しずつ広がっていくのが一般的な経過です。反応の速さには個人差があります。
Q3. 痛みはありますか
照射自体に強い痛みはありません。照射後に一時的な赤みやほてりが出ることはありますが、多くは自然に落ち着きます。強い反応が出た場合は、次の照射前にご相談ください。
Q4. どんな白斑でも同じように効きますか
いいえ、部位によって反応の出やすさが変わります。顔や体幹は比較的反応しやすく、手足の先端は反応が乏しい傾向があります。効果には個人差があり、完全に元の色に戻るとは限りません。
Q5. 治療中に気をつけることはありますか
屋外での過度な日焼けを避け、無理のない範囲で紫外線対策を続けてください。照射を定期的に受けること、そして自己判断で中断しないことが色素の回復につながります。気になる症状があれば、その都度ご相談ください。
監修:岡 博史(統括院長・医学博士・日本皮膚科学会 皮膚科専門医)
本記事は一般的な情報提供を目的としています。診断や治療方針は個々の状態によって異なります。気になる症状がある場合は、皮膚科を受診してください。
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