乾癬の光線療法とは|効果と保険適用を皮膚科医が解説

当院の光線療法設備(全身照射に対応)

当院は、全身にまとめて照射できるキャビン型(ボックス型)のナローバンドUVB治療器と、患部だけをねらって照射するエキシマライト「セラビームUV308」の両方を備えています。全身型の照射装置は設備規模が大きく、導入している医療機関は限られますが、当院では皮疹が広い範囲におよぶ場合も全身照射で対応でき、症状に応じて全身照射と局所照射を使い分けられます。

  • 尋常性乾癬がどんな病気で、なぜ人にうつらないのか
  • 乾癬の治療全体のなかで、光線療法がどこに位置づけられるのか
  • ナローバンドUVBとエキシマライト(セラビームUV308)の違い
  • 光線療法が向いているケースと、通院回数・保険適用の目安
  • 副作用や注意点、生活習慣との関わり

乾癬の赤みや鱗屑が、外用薬だけではなかなか落ち着かない。そんなお悩みを抱える方にとって、光線療法は保険適用で受けられる治療の選択肢です。

この記事では、尋常性乾癬に対する光線療法の仕組みや効果、通院回数、注意点を、皮膚科専門医の監修のもとで解説します。読み終えたころには、次に何を相談すればよいかが見えてくるはずです。

尋常性乾癬とはどんな病気ですか

尋常性乾癬は、免疫の働きの異常によって皮膚の生まれ変わりが異常に速くなる、慢性の炎症性の病気です。まずは病気の特徴を整理します。

健康な皮膚は、およそ1か月かけてゆっくり入れ替わります。ところが乾癬では、このターンオーバー(新陳代謝)が極端に速くなります。

その結果、皮膚の表面に未熟な細胞が積み重なります。境界のはっきりした赤い盛り上がり(紅斑)ができ、その上に銀白色のフケのような鱗屑が付きます。

乾癬の症状の特徴

乾癬の代表的なサインは、赤い盛り上がりと、ポロポロ剥がれる鱗屑です。見た目にわかりやすい変化が出ます。

好発部位は、頭皮・ひじ・ひざ・腰まわりなど、刺激を受けやすい場所です。かゆみを伴うこともあり、掻くことで悪化する場合もあります。

私が外来で乾癬の方と接していると、赤みそのものよりも、服の上にフケのような鱗屑が落ちることを気にされる方が多い印象です。見た目の負担が生活の質を下げてしまうところに、この病気のつらさがあります。

症状は慢性的で、良くなったり再発したりを繰り返します。銀白色のフケのような鱗屑。これが乾癬を疑う一つの手がかりになります。かゆみが強い場合の日常ケアについては、かゆみ・症状別のケアもあわせてご覧ください。

乾癬は人にうつりません

結論から申し上げると、乾癬は感染症ではなく、人にうつりません。ここは最初に知っておいてください。

見た目の印象から、うつる病気だと誤解されることがあります。プールや温泉、握手や食器の共有でうつることはありません。

原因はウイルスや細菌ではなく、体質と免疫のバランスが関わります。周囲にうつす心配はいらないと、まず安心していただきたいところです。

乾癬の治療にはどんな選択肢がありますか

乾癬の治療は、症状の広がりや重さに応じて、外用・光線療法・内服・注射を段階的に組み合わせます。全体像を表で確認します。

軽い皮疹なら外用薬から始めます。範囲が広がったり、外用だけでは足りない場合に、光線療法や内服が加わります。

治療の種類主な内容位置づけの目安
外用療法ステロイド、活性型ビタミンD3の塗り薬基本の治療。軽症〜中等症の中心
光線療法ナローバンドUVB、エキシマライトの照射外用で不十分な中等症、皮疹が広めの方に
内服療法レチノイド、シクロスポリン、アプレミラストなど光線療法でも足りない場合の選択肢
生物学的製剤(注射)免疫の特定の働きを抑える注射薬中等症〜重症で、他の治療が難しい場合

大切なのは、一つの治療にこだわらず段階的に見直すことです。症状の変化に合わせて、治療の組み合わせを調整していきます。光線療法は、外用と内服の中間に位置する治療と考えると分かりやすいです。

光線療法とはどんな治療ですか

光線療法は、特定の波長の紫外線を皮膚に当てて、乾癬の炎症を抑える治療です。塗り薬や飲み薬とは異なる仕組みで働きます。

乾癬では、皮膚の免疫細胞が過剰に働いています。適切な波長の紫外線には、この過剰な免疫の反応を落ち着かせる作用があります。

照射は医療機関で行い、医師が照射量を管理します。日焼けサロンや自己流の日光浴とは目的も安全性もまったく別物です。光線療法全般の仕組みは皮膚科の光治療とはで詳しく解説しています。

ナローバンドUVBとは

ナローバンドUVBは、乾癬に効果的とされる狭い範囲の波長だけを取り出して照射する方法です。中等症の乾癬に対する標準的な治療の一つです。

全身や広い範囲の皮疹に対応しやすいのが特徴です。皮疹が背中や体幹に広く出ている方に向いています。

ナローバンドUVBは、余分な波長を減らして必要な波長に絞ります。副作用のリスクに配慮しながら照射できる点が利点です。

エキシマライト(セラビームUV308)とは

エキシマライトは、より強い光を狭い範囲にピンポイントで当てられる光線療法です。当院ではセラビームUV308という機器を使用します。

ひじ・ひざ・頭皮など、限局した局面にはエキシマライトが有効です。手ごわい部分だけを集中して照射できます。

正常な皮膚への照射を抑えられる点も特徴です。狭い範囲に残った頑固な皮疹への、心強い選択肢。ナローバンドUVBと使い分けることもあります。

ナローバンドUVBとエキシマライトの比較

両者は照射範囲と得意な場面が異なります。どちらを選ぶかは、皮疹の広がりや部位を見て医師が判断します。

比較項目ナローバンドUVBエキシマライト(セラビームUV308)
照射範囲広い範囲・全身に対応しやすい狭い範囲にピンポイント
向いている皮疹体幹など広めに出ている乾癬ひじ・ひざ・頭皮など限局した局面
正常な皮膚への影響照射野が広くなりやすい患部に絞って照射しやすい
保険適用ありあり

どちらも保険適用で受けられます。皮疹の状態によっては、両方を組み合わせて治療する場合もあります。

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光線療法はどんなケースに向いていますか

光線療法は、外用薬だけではコントロールしにくくなった乾癬に向いた治療です。次のような場面で検討します。

塗り薬を続けても赤みや鱗屑が残る場合が代表例です。皮疹の範囲が広がってきたときも候補になります。

  • 外用療法を続けても症状のコントロールが不十分なとき
  • 皮疹が広めで、塗り薬だけでは手間がかかりすぎるとき
  • 内服薬や生物学的製剤に進む前に、段階的に試したいとき

一方で、慎重な判断が必要な方もいます。妊娠中の方、光線過敏のある方、過去に皮膚がんの既往がある方は、事前に必ず医師へご相談ください。持病や内服薬の内容によっても対応が変わります。

治療の流れと通院回数はどのくらいですか

光線療法は、週1〜2回の照射を継続して積み重ねる治療です。1回で完結するものではありません。

まず診察で乾癬の状態を確認し、照射する部位と量を決めます。照射自体は数分程度で終わります。

目安としては週1〜2回を継続します。皮膚の反応を見ながら、照射量を少しずつ調整していきます。

照射を続ける方を見ていると、この週1〜2回のペースを生活に無理なく組み込めるかどうかが、継続の分かれ目だと感じます。通いやすい院を選ぶことが、結果的に効果の実感にもつながります。週1〜2回の継続がひとつの目安。焦らず積み重ねてください。

光線療法の副作用と注意点は何ですか

光線療法は比較的受けやすい治療ですが、紫外線を使う以上、注意すべき点があります。安全に続けるための前提を確認します。

照射直後に、軽い赤みやほてり、乾燥を感じることがあります。多くは一時的ですが、強い日焼けのような反応が出た場合はお伝えください。

長期的には、紫外線の累積による皮膚への影響に配慮が必要です。だからこそ、医師が照射量を管理し、自己流での照射は行いません。効果や反応には個人差があります。

もう一点、見落としたくないのが関節の症状です。関節の痛みや腫れを伴う場合は、乾癬性関節炎の可能性があり、別の評価が必要になります。皮膚だけでなく、体の状態全体を見ていきます。

生活習慣と乾癬はどう関わりますか

乾癬は、生活習慣とも関わりがあると考えられています。治療と並行して、日々の過ごし方を見直す価値があります。

一般に、肥満・喫煙・ストレスなどは乾癬と関連が指摘されています。体調や生活のリズムが皮膚の状態に影響することもあります。

禁煙やバランスのよい食事、睡眠の確保は、体への負担を減らす土台になります。乾燥やこすれといった皮膚への刺激を避けることも、日常でできる工夫です。治療と生活の両面から向き合ってください。

当院の光線療法(川口院・池袋駅前院)

ヒロクリニック皮膚科・形成外科では、ナローバンドUVB照射とエキシマライト機器「セラビームUV308」による光線療法を、保険適用で行っています。乾癬の状態に合わせて使い分けます。

限局した頑固な皮疹にはエキシマライトを、広い範囲にはナローバンドUVBをと、部位や広がりに応じて選びます。まずは診察で、光線療法が適しているかを確認します。

川口院は、埼玉県川口市栄町3-11-27、JR川口駅東口から徒歩3分です。池袋駅前院は、東京都豊島区西池袋5-1-3 メトロシティ西池袋3Fにあります。

診療時間は平日9:00〜13:00・14:30〜18:00です。水曜午後・土曜午後・日曜はお休みで、土曜は午前のみの診療です。通いやすい院をお選びください。

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お電話でのご予約・ご相談は 0120-241-929(川口院)

よくある質問

乾癬の光線療法について、外来でよくいただく質問をまとめました。受診前の不安の解消にお役立てください。

Q1. 光線療法で乾癬は完全に治りますか

乾癬は慢性・再発性の病気で、完全に治すと断定できる治療はありません。光線療法は症状を落ち着かせることを目的とし、効果には個人差があります。良い状態を保つために、継続的な管理を行っていきます。

Q2. 光線療法は痛いですか

照射自体に強い痛みはなく、光を当てるだけの治療です。照射後に軽い赤みやほてりを感じることがあります。気になる反応が出た場合は、遠慮なくスタッフにお伝えください。

Q3. 保険は使えますか

はい、当院のナローバンドUVBとエキシマライト(セラビームUV308)による光線療法は、いずれも保険適用です。乾癬の治療として医師が必要と判断した場合に行います。費用の詳細は診察時にご説明します。

Q4. どのくらいの頻度で通いますか

目安は週1〜2回の照射を継続する形です。皮膚の反応を見ながら照射量を調整していきます。生活のリズムに合わせて通える院を選ぶと、無理なく続けやすくなります。

Q5. 乾癬は家族や周囲にうつりますか

うつりません。乾癬は感染症ではなく、ウイルスや細菌が原因の病気ではありません。プールや温泉、食器の共有などで人にうつることはありませんので、その点はご安心ください。

【監修】岡 博史(統括院長・医学博士/日本皮膚科学会 皮膚科専門医)
本記事は一般的な情報提供を目的としています。症状や治療方針には個人差があります。診断・治療については、必ず医療機関で医師にご相談ください。

この記事の監修者 — 皮膚科専門医による監修

  • 岡 博史 (統括院長/医学博士)
    日本皮膚科学会 皮膚科専門医
  • 遠田 博 (池袋院 皮膚科医)
    日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
  • 土屋 海士郎 (川口院 皮膚科医)
    日本皮膚科学会 専門医/難病指定医

本記事は当院の編集・監修体制に基づき作成しています。詳しくは編集ポリシー/監修体制をご覧ください。

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