ケロイド・肥厚性瘢痕の治療|違いと再発しにくい進め方

傷あとが赤く盛り上がり、なかなか引かない。そんなお悩みで来院される方は少なくありません。ケロイドと肥厚性瘢痕は見た目が似ていますが、広がり方や治りやすさに違いがあります。

この記事では、両者の見分け方から治療の選び方、再発しにくくするための進め方までを、形成外科の視点で整理してお伝えします。

この記事でわかること

  • ケロイドと肥厚性瘢痕の見分け方の違い
  • 傷あとが盛り上がる主なきっかけと体質の関わり
  • ステロイド・貼付・注射・手術など治療法の組み合わせ方
  • 再発しやすさと、根気強く続けるためのコツ
  • 保険適用の考え方と、当院での相談の流れ

ケロイドと肥厚性瘢痕は何が違うのか

両者の最大の違いは、盛り上がりが元の傷の範囲を超えて広がるかどうかにあります。見た目だけでは判断が難しいこともあり、経過とあわせて見極めていきます。

ケロイドの特徴

ケロイドは、傷が治る過程で線維組織が過剰に増え、赤く盛り上がる瘢痕です。特徴は、元の傷の範囲を超えて外へ広がっていく点にあります。

かゆみや痛みを伴うことがあり、胸や肩、耳たぶ、下腹部などにできやすい傾向。体質が関与するため、同じような傷でもできる方とできにくい方に分かれます。

肥厚性瘢痕の特徴

肥厚性瘢痕も赤く盛り上がりますが、盛り上がりが元の傷の範囲内にとどまる点でケロイドと区別します。時間とともに落ち着いていくことが多い瘢痕です。

外来で診ていると、手術やけがのあとに沿って線状に盛り上がっているケースをよく見かけます。ここは私が問診でていねいに確認する部分。

比較項目ケロイド肥厚性瘢痕
広がり方元の傷の範囲を超えて広がる元の傷の範囲内にとどまる
経過自然には落ち着きにくい時間とともに落ち着くことが多い
症状かゆみ・痛みを伴うことがあるかゆみを伴うこともある
できやすい部位胸・肩・耳たぶ・下腹部など傷を受けた部位に沿って
体質の関わり関与しやすい比較的少ない

なぜ傷あとが盛り上がるのか

ごくわずかな傷でも、体質やできる部位によっては盛り上がりにつながります。きっかけは日常の中にたくさんひそんでいます。

手術やけがはもちろん、にきび、ピアス、やけどといった小さな傷から生じることもあります。胸元や肩は皮膚の張力がかかりやすく、盛り上がりが強く出やすい部位です。

体質が関わるため、ご家族に同じ傾向がみられる方もいらっしゃいます。にきびのあとが気になる方は、ニキビ跡の治療もあわせてご覧ください。

治療法は「組み合わせ」が基本

ケロイド・肥厚性瘢痕の治療は、単独ではなく複数の方法を組み合わせて進めるのが基本です。状態や部位に合わせて計画を立てます。

ステロイドの外用・貼付・注射

盛り上がりや赤み、かゆみをやわらげる目的で、ステロイドを使います。塗り薬、貼付するテープ、注射という選択肢があります。

注射は盛り上がりが強い部分に用いられ、貼付タイプは日常的に続けやすい方法です。症状に応じて使い分けていきます。

シリコンジェルシート・圧迫療法

傷あとを保護し、圧を加えて盛り上がりを抑える方法です。シリコンジェルシートや圧迫療法は、続けることで力を発揮します。

耳たぶのケロイドには、専用の固定具で圧をかけることもあります。地道な継続が近道。

内服(トラニラストなど)

かゆみや盛り上がりに対して、トラニラストなどの内服を組み合わせることがあります。外用や貼付と併用して用いられる薬です。

飲み薬だけで完結させるものではなく、ほかの治療を支える役割として位置づけています。

手術・レーザー

盛り上がりが大きい場合には、手術を検討します。ただし手術単独では再発しやすいため、術後に放射線やステロイドを併用するなど慎重に進めてください。

赤みが強い傷あとに対して、レーザーを用いることもあります。状態を見ながら方法を選びます。

治療法主な目的特徴
ステロイド外用・貼付・注射赤み・かゆみ・盛り上がりの軽減日常的に続けやすく、組み合わせの中心
シリコンジェルシート・圧迫療法傷あとの保護と盛り上がり抑制継続で効果を発揮する
内服(トラニラストなど)かゆみ・盛り上がりへの補助外用や貼付と併用しやすい
手術大きな盛り上がりの切除単独では再発しやすく、放射線やステロイド併用を検討
レーザー赤みへのアプローチ状態に応じて選択する

傷あとの盛り上がりが気になる方は、一度ご相談ください。状態を診たうえで、あなたに合った治療計画をご提案します。予約はこちらのオンライン予約からどうぞ。

治療の経過と再発について

ケロイド・肥厚性瘢痕は再発しやすく、根気強い継続が必要です。短期間で終わるものではないと、あらかじめ知っておいてください。

私自身、患者さんに繰り返しお伝えしているのは、自己判断で放置しないこと。傷あとが硬く盛り上がってからよりも、早めに治療を始めるほど扱いやすくなります。

効果の出方には個人差があります。少しずつやわらげ、落ち着いた状態を保っていく。そういう長い目線でのお付き合いになります。

保険適用について

ケロイド・肥厚性瘢痕には、保険適用となる治療があります。まず診察で状態を確認し、治療計画を立てていきます。

症状や治療内容によって、保険診療と自費診療の区別が変わります。費用や進め方に不安がある場合は、診察のときに遠慮なくおたずねください。

当院での治療の流れ(川口院・池袋駅前院)

ヒロクリニック皮膚科・形成外科では、瘢痕・ケロイドの治療に対応しています。川口院と池袋駅前院で診察を行っています。

川口院は埼玉県川口市栄町3-11-27、JR川口駅東口から徒歩3分です。池袋駅前院は東京都豊島区西池袋5-1-3 メトロシティ西池袋3Fにあります。ご予約やお問い合わせは、フリーダイヤル0120-241-929へどうぞ。

診療時間は平日9:00〜13:00と14:30〜18:00です。水曜午後・土曜午後・日曜は休診で、土曜は午前のみの診療となります。

タトゥー除去のあとの傷あとが気になる方には、タトゥー除去後の皮膚ケアもあわせてご案内しています。

傷あとのことで迷っているなら、まずは診察でご相談ください。あなたの状態に合わせて、無理のない治療の進め方を一緒に考えます。ご予約はオンライン予約ページから受け付けています。

よくある質問

ケロイドと肥厚性瘢痕はどうやって見分けますか?

盛り上がりが元の傷の範囲を超えて広がるものがケロイド、範囲内にとどまるものが肥厚性瘢痕です。見た目が似ているため、経過とあわせて診察で見極めていきます。

放っておいても自然に治りますか?

肥厚性瘢痕は時間とともに落ち着くことが多い一方、ケロイドは自然には落ち着きにくい瘢痕です。かゆみや痛みが続く場合は、早めに受診してください。

どんな治療から始めますか?

状態や部位によって異なりますが、ステロイドの外用・貼付・注射やシリコンジェルシート、圧迫療法などを組み合わせて始めることが多いです。診察で計画を立てます。

手術をすれば完全に取れますか?

盛り上がりが大きい場合は手術を検討しますが、手術単独では再発しやすいことが知られています。術後に放射線やステロイドを併用するなど、慎重に進めます。

保険は使えますか?

ケロイド・肥厚性瘢痕には保険適用となる治療があります。症状や治療内容によって保険診療と自費診療の区別が変わるため、診察のときにご確認ください。

監修:岡 博史(統括院長/医学博士/日本皮膚科学会 皮膚科専門医)

この記事の監修者 — 皮膚科専門医による監修

  • 岡 博史 (統括院長/医学博士)
    日本皮膚科学会 皮膚科専門医
  • 遠田 博 (池袋院 皮膚科医)
    日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
  • 土屋 海士郎 (川口院 皮膚科医)
    日本皮膚科学会 専門医/難病指定医

本記事は当院の編集・監修体制に基づき作成しています。詳しくは編集ポリシー/監修体制をご覧ください。

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