妊娠中に受けられる遺伝子検査には、大きく分けてNIPT・羊水検査・絨毛検査・NIPPT(出生前親子鑑定)・胎児DNA解析の5種類があります。それぞれ検査できる時期や目的、体への負担が異なるため、目的に合った検査を選ぶことが大切です。この記事では、5つの検査の特徴と選び方を整理して解説します。
お腹の赤ちゃんのお父さんを調べる
法的鑑定もできる
この記事でわかること
妊娠中に受けられる5つの遺伝子検査の特徴と時期
染色体異常を調べる検査と、父親を調べる検査の違い
検査を選ぶ前に確認しておきたいこと
妊娠中に受けられる遺伝子検査5種類の比較
妊娠中に利用できる遺伝子検査は、調べる対象によって大きく2つに分かれます。胎児の染色体異常を調べる検査と、父親を調べる検査です。まずは全体像を一覧で確認しましょう。
| 検査名 | 調べる対象 | 実施時期 | 体への負担 |
|---|---|---|---|
| NIPT(非侵襲的出生前検査) | 染色体異常(21・18・13トリソミーなど) | 妊娠10週前後〜 | 採血のみ・リスクなし |
| 羊水検査 | 染色体異常・遺伝性疾患 | 妊娠15週以降 | 侵襲性あり(流産等のリスク) |
| 絨毛検査(CVS) | 染色体異常・遺伝性疾患 | 妊娠10〜13週ごろ | 侵襲性あり(流産等のリスク) |
| NIPPT(出生前親子鑑定) | 父親の判定 | 妊娠6週0日〜 | 採血のみ・リスクなし |
| 胎児DNA解析 | 特定の遺伝子異常の詳細 | ケースによる | 検査方法による |
NIPTとNIPPTは名称が似ていますが、調べる対象がまったく異なります。NIPTは胎児の染色体異常を、NIPPTは父親が誰であるかを判定する検査です。同じ日に両方の採血を行えるかどうかは、NIPTと出生前親子DNA鑑定は同日できるのか?で解説しています。
それぞれの検査の特徴
検査ごとの特徴を詳しく見ていきます。実施できる時期や検体の採取方法が異なるため、妊娠週数に応じて選択肢が変わる点に注意してください。
NIPT(非侵襲的出生前検査)
- 妊娠10週前後から可能で、母親の血液から胎児のDNA断片を分析します。ダウン症候群(21トリソミー)、エドワーズ症候群(18トリソミー)、パトー症候群(13トリソミー)などの染色体異常を調べる検査です。
羊水検査
- 妊娠15週以降に行われる検査です。羊水から採取した胎児の細胞を使い、染色体異常や遺伝性疾患を調べます。子宮に針を刺して羊水を採取するため、一定の確率で流産などのリスクを伴います。
絨毛検査(CVS)
- 妊娠10週から13週ごろに行われる検査です。胎盤の絨毛組織を採取して染色体異常や遺伝性疾患を調べます。羊水検査より早期に実施できますが、こちらも侵襲性がありリスクを伴います。
NIPPT(非侵襲的出生前父子鑑定)
- 母親の血液と推定父親のDNAを比較して、父親が誰であるかを胎児の段階で判定する検査です。採血のみで完了するためリスクがなく、STR法による分析で99.99%以上の精度が出ます。妊娠6週0日から検査を開始できます。
胎児DNA解析
- 特定の遺伝子異常について、より詳細な情報が必要な場合に行われる検査です。家族に特定の遺伝性疾患の既往がある場合など、限られたケースで検討されます。
検査を選ぶ前に確認しておきたいこと
妊娠中の遺伝子検査は、目的によって選ぶべき検査が変わります。申し込み前に次の3点を整理しておくと、検査選びで迷いにくくなります。
- 何を知りたいのか:染色体異常の有無を知りたいのか、父親が誰かを知りたいのかで、選ぶ検査はまったく異なります。
- 体への負担を許容できるか:羊水検査・絨毛検査は侵襲性があるため、リスクを理解したうえで判断する必要があります。
- いつまでに結果が必要か:検査ごとに実施できる時期が異なるため、妊娠週数によっては選べる検査が限られます。
検査を受ける前には、遺伝カウンセラーや医療提供者と話し合い、どの検査が目的に合っているかを確認してください。事前に理解を深めておくことで、結果が出たあとの判断もしやすくなります。
統括院長の岡は「NIPTとNIPPTを混同して問い合わせをいただくことが少なくありません」と、実際の相談窓口での様子を話しています。名称が似ているぶん、調べたい内容を明確にしてから検査を選ぶことが大切です。
お腹の赤ちゃんのお父さんを調べる
法的鑑定もできる
NIPPT(出生前親子鑑定)について詳しく知りたい方へ
父親が誰であるかを妊娠中に確認したい場合、ヒロクリニックのNIPPTは妊娠6週0日から検査が可能です。母体への採血のみで完了し、流産などのリスクはありません。
検査の正確性や、実施までの具体的な流れが気になる方は、出生前DNA鑑定の正確性と妊娠中にできる検査スケジュール(出生前親子鑑定を含む)もあわせてご覧ください。出生後に行う親子鑑定との違いは、出生前親子鑑定と出生後親子鑑定の違いで解説しています。
共同監修者の堤修一は「母体血中の胎児DNA濃度は妊娠週数とともに変化します。妊娠6週0日という開始時期は、精度を保ちながらできるだけ早く結果をお届けするために設定した基準です」と、検査開始時期の考え方を説明しています。早い段階で知りたいという要望と、精度を両立させる工夫がこの時期に表れています。
よくある質問
NIPTとNIPPTは同じ検査ですか。
違います。NIPTは胎児の染色体異常を調べる検査で、NIPPTは父親が誰であるかを調べる検査です。名称が似ているため、申し込み時には目的を確認してください。
NIPTとNIPPTは同時に受けられますか。
採血のタイミングを合わせられる場合があります。詳しくは各クリニックにご相談ください。
羊水検査や絨毛検査は必ず受ける必要がありますか。
必須ではありません。染色体異常のリスクが気になる場合の選択肢の一つです。侵襲性を伴う検査のため、受けるかどうかは医師や遺伝カウンセラーとよく相談したうえで判断してください。
NIPPTは妊娠何週から受けられますか。
ヒロクリニックのNIPPTは、妊娠6週0日から検査を開始できます。母体への採血のみで完了し、体への負担はありません。
検査結果はどのくらいで判明しますか。
検査の種類によって異なります。NIPPTの場合、通常は申し込みから1〜2週間程度で結果が判明します。詳しい日数は検査機関にご確認ください。
まとめ
妊娠中に受けられる遺伝子検査には、染色体異常を調べるNIPT・羊水検査・絨毛検査と、父親を調べるNIPPTがあります。目的が異なる検査を混同しないよう、まずは何を知りたいのかを整理することが選択の第一歩です。
父親が誰であるかを妊娠中に確認したい方は、採血のみで完了するNIPPTが選択肢になります。妊娠週数や具体的な流れが気になる方は、お気軽にご相談ください。
お腹の赤ちゃんのお父さんを調べる
法的鑑定もできる
略歴
- 1996年 慶應義塾大学医学部 卒業
- 2004年 慶應義塾大学 医学博士号 取得
- 2005年 慶應義塾大学 皮膚科学教室 助手
- 2008年 ヒロ皮フ形成クリニック 開業
- 2009年 医療法人社団福美会 理事長
- 2015年 医療法人社団福美会 理事
資格・所属
- CAPラボディレクター
- 日本皮膚科学会 皮膚科専門医
- 日本医師会 産業医
- 東京衛生検査所 指導監督医
この記事は、 ヒロクリニックNIPPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。
堤 修一 (つつみ しゅういち)
医師・医学博士 / ヒロクリニック博多駅前院 院長
略歴
- 1993年 東京大学医学部医学科 卒業
- 2016〜2019年 東京大学先端科学技術研究センター 准教授
発信・関連リンク
この記事は、 ヒロクリニックNIPPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。
参考文献
- Lo YM, Corbetta N, Chamberlain PF, Rai V, Sargent IL, Redman CW, et al. Presence of fetal DNA in maternal plasma and serum. Lancet. 1997 Aug 16;350(9076):485-7.
- Bianchi DW, Parker RL, Wentworth J, Madankumar R, Saffer C, Das AF, et al. DNA sequencing of maternal plasma to detect Down syndrome: an international multisite observational study. N Engl J Med. 2014 Feb 27;370(9):799-808.
- Norton ME, Jacobsson B, Swamy GK, Laurent LC, Ranzini AC, Brar H, et al. Cell-free DNA analysis for noninvasive examination of trisomy. N Engl J Med. 2015 Apr 23;372(17):1589-97.
- Rose NC, Bariani MV, Al-Kouatly HB, Devine WP, Fisher A, Genesi MP, et al. Screening for fetal chromosomal abnormalities. ACOG Practice Bulletin, Number 226. Obstet Gynecol. 2020 Oct;136(4):e48-67.
- Gregg AR, Skotko BG, Benkendorf JL, Monaghan KG, Bajaj K, Best RG, et al. Noninvasive prenatal screening for fetal aneuploidy, 2016 update: a position statement of the American College of Medical Genetics and Genomics. Genet Med. 2016 Oct;18(10):1056-65.





