コラム一覧 | ヒロクリニック

LGBTQとは~多様な性のあり方~【医師監修】

LGBTQとは

男性と女性が愛し合う異性愛以外にも、現代では多様な性のあり方を示す言葉として、LGBTQがあります。今回は、LGBTQとはどのような意味なのか、LGBTQの特徴や問題点などについてわかりやすく解説していきます。

HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)特徴と対応策の詳細解説【医師監修】

HSPとは

物事に対して非常に感受性が強く敏感な気質を持った人は、Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)の頭文字をとってHSPと呼ばれています。

全般性不安障害(GAD)とは?特徴、原因や症状、治し方などについて解説【医師監修】

全般性不安障害とは?

大事な試験のときなど誰でも緊張するのは当たり前の反応ですが、不安感や恐怖心が過度になって日常生活に大きな影響が出現する場合には、全般性不安障害の可能性があります。今回は、全般性不安障害の発症原因や症状、治し方などについて解説していきます

冷房病とは?原因や症状、治し方について解説【医師監修】

冷房病とは?

夏季になると、冷房を利用する機会も増えて、常にだるいなど様々な心身の不調を呈することがあり、「冷房病」や「クーラー病」と呼ばれています。今回は、冷房病の原因、症状、対策や治し方、冷房病になりやすい人の特徴などについて紹介していきます。

夏季うつとは?原因と症状、治療法などを解説【医師監修】

夏季うつとは

暑い日が続く夏季になると、疲労が抜けにくい、食欲が湧かなくなるなど身体の不具合や心のメンタル不調が続いてしまうことがあります。これはいわゆる「夏バテ」の状態であり、季節性の「夏季うつ」をも発症している可能性があります。今回は、夏季うつの原因、症状、診断方法、治療や対策などについて紹介していきます。 目次 夏季うつの原因 夏季うつの症状 夏季うつの診断方法 夏季うつの治療・対策 夏季うつの原因 夏バテや夏季うつを発症する主な原因として、体内の水分やミネラル成分の不足に伴う脱水、あるいは暑さによる食欲低下に随伴して引き起こされる栄養不足、あるいは暑さとエアコンによる冷えの繰り返しによって引き起こされる自律神経の乱れなどが挙げられます。 人の体がストレスを感じると、自然反応として副交感神経が抑制されて交感神経が高まって優位になり、その状態が続くと過覚醒状態となって鬱状態を引き起こすと考えられています。 夏特有の「暑さ」や「発汗」もストレスの一因となりますし、夏季の暑い温度など周囲環境の変化も身体にとって大きなストレスに繋がって自律神経の乱れを誘発することが知られています。 また、うつ病が発症する理由のひとつとして、うつ病患者の中には脳の海馬や前頭葉領域で学習機能に重要な神経作用を介する栄養関連因子が減少しているとともに、情動行動を制御する神経伝達に関する物質であるセロトニンやドパミンの機能低下が関与していると考えられています。 一般的に、ストレスを受けると誰しもがその反応に対処するためにグルココルチコイドと呼ばれるステロイドホルモンを分泌することが知られており、このホルモンが長期に過剰放出されると神経細胞が一部傷害されてうつ病発症を惹起する一因と考えられています。 うつ病をもともと潜在的に有しており、あるタイミングで甲状腺機能低下症や女性において更年期障害など体内のホルモンバランスに乱れを引き起こす病気を併発することでうつ病の症状が顕著化することも経験されます。 夏季うつの症状 一般的に、うつ病は目に見える明確な症状が少ないために気づきにくい病気であり、うつ病を患っている本人自身が病識を自覚していないことも多いと考えられています。 うつ病全般で、意欲や興味の低下、楽しみの喪失、緊張や焦燥感、食欲低下や不眠、不安感、精神的不調などの症状が認められやすいと言われています。 その中でも特に、緊張や焦燥感が通常と比べて強く出現することが知られており、肌や服を擦って異様に落ち着きがない、あるいは「自分なんか生きていても仕方がない」など自分自身を責めた発言が増加することもあります。 それ以外にも、身体的不調としてめまいや吐き気を訴えるケースも存在します。 うつ病の類似疾患と考えられる「夏季うつ」とは、夏の季節に食欲低下や気分の落ち込みなどメンタル面での精神的不調が出現する状態であり、季節性感情障害に分類されています。 季節性感情障害は、進学、就職、結婚、出産など過度のストレスや大きなショックを与える恐れを有するライフイベントの有無にかかわらず、特定の夏場の時期のみに様々な症状が引き起こされるという特徴があり、主に5月から9月頃にかけて症状が自覚されやすいと考えられています。 夏季うつの診断方法 一般的に、うつ病を診断する際には患者さん自身が記入した問診票や家族からの情報に応じて、どのような症状にいつから悩んでいるかなどを含めて、現在の本人を取り巻く周囲状況を詳細に問診していくことが重要とされています。 詳しい問診などによって、患者さんが特に夏季の時期において強い悲しみや気分の落ち込みなど、いわゆる抑うつ気分や意欲や喜びなどの感情低下が現れている場合にはうつ病を疑うことになります。 うつ症状が進行すると様々な感情を感じにくくなり、生きている実感が湧かないといったこともあり、さらに病状が悪化した場合には患者自身が死にたいと考えるようになることを把握しておいたほうがよいでしょう。 また、これらの精神的な不調症状のみではなく、身体的症状として不眠や食欲低下、頭痛、消化器症状といった身体的不調を患者さんが引き起こしている際にはうつ病に患っている可能性が高いと判断されます。 夏季うつの治療・対策 夏季うつに対する治療や対策の一つは、普通の活動レベルで生活をしていても毎日2.5リットル程度の水分が身体から失われていることから、夏の暑い時期にはこまめに水分補給をすることが挙げられます。 また、夏の外気温とエアコンで涼しくなっている室内温との温度差や体の冷やし過ぎは自律神経の乱れを招くことから、温度差が大きくなりすぎないように認識すると同時に、体をアイシングなどで冷やし過ぎないように注意しましょう。 毎日において、良質な睡眠をしっかり確保すること、夏の季節にも1日3食を規則正しく摂取して良好な栄養バランスを心がけることが重要なポイントです。 積極的に摂りたい栄養素としては、タンパク質が挙げられ、特に夏の時期はタンパク質を消耗しやすいため肉類や魚介類、豆類、卵、乳製品からタンパク質を補給することが必要となります。 また、ビタミン群を取り込むことも体力や免疫力を上昇させると考えられており、特にウナギなどに多く含まれているビタミンB1成分は糖質をエネルギーに変えて身体を疲れにくくする効果がありますし、ニンニクに含まれるアリシンはビタミンB1成分の体への吸収を高めてくれます。 夏バテや夏季うつを予防するおすすめの対策として、自律神経のバランスを整えて副交感神経の働きを助けるために手軽にできる有酸素運動を行うことが推奨されています。 夏の時期に限らず、普段から「自分は体力がない」と自覚している人こそ、夏バテ予防として軽い運動を日常生活の中に取り入れることを心がけるとよいでしょう。 例えば、ウォーキングやジョギング、あるいはラジオ体操や全身のストレッチなど自宅でも気軽にできる有酸素運動の代表例であり、「人と話ができて軽く汗ばむ程度」に無理なく運動を実践することを意識すると良いでしょう。 エレベーターやエスカレーターの代わりに階段を利用する、比較的涼しい時間に1駅分歩く、いつもよりすこしだけ早歩きしてみるものよいでしょう。 普段の生活の中で、エレベーターやエスカレーターの代わりに階段を利用する、比較的涼しい時間に1駅分歩く、いつもよりすこしだけ早歩きしてみるなどの行動を継続することで、暑い夏をより快適に過ごすことができるかもしれません。 ただし、夏の暑いシーズンに運動するには熱中症に罹患しないように一定の注意をはらうことが必要であり、運動日の気温や湿度、着用する服装に気を付けてスポーツドリンクなど水分や塩分補給をこまめに行いましょう。 また、気温が高い月や体調が優れないときには無理をせず、その日の運動は中止して、体調が改善したら再開するように意識して、万が一夏バテの症状が重く、日常生活や普段の仕事に支障が出現するようであれば、速やかに医療機関を受診しましょう。 夏季うつにおける治療方針としては、過度なストレスがかからない居住環境において心の休養を十分に確保することが重要であり、仮に仕事量が急激に増加したことが契機となって夏季うつを発症した際には、仕事量の軽減や自宅で療養して安静を保つなどの救済措置が実施されます。 そして、夏季うつに対する治し方の主体となるのは様々な種類の薬を用いた薬物療法です。 近年、主に医療現場で用いられるのは脳内のセロトニン濃度を高めることができる選択的セロトニン再取り込み阻害薬であり、それ以外の選択肢としてセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤や三環系抗うつ薬などが使用されることがあります。 夏季うつに対する薬物的な治療薬は即効性を有するわけではなく、約2週間~1か月程度で効果が感じられる傾向があり、急性期の期間では十分な休息と薬物治療などを実践することで、約1~3か月ほどで症状が改善すると言われています。 今回の情報が少しでも参考になれば幸いです。 【参考文献】

月経前症候群(PMS)とは?原因や症状、治療法を解説【医師監修】

月経前症候群(PMS)

月経前症候群(略称:PMS)という病気は、定期的に訪れる月経周期前の3日から10日前後の日程で続く精神的な不調や身体的な関連症状の総称を指しており、通常では月経が開始すると共に症状が軽快または消失する状態を意味します。 今回は、月経前症候群がどのような病気なのか、その病気の原因、症状、治療などを中心に詳しく解説していきます。 目次 月経前症候群とはどのような病気か 月経前症候群の原因 月経前症候群の症状 月経前症候群の治療 まとめ 月経前症候群とはどのような病気か 本邦では、定期的に訪れる月経や生理周期を有する女性のおよそ8割の方々が月経前に何らかの症状があると指摘されています。 さらに、それら症状が日常的な生活に支障や困難をきたすほどに強く出現する割合は女性全体のおおむね5%前後と伝えられています。 特に、思春期前後の女性では月経前症候群の罹患頻度が通常よりもさらに多くなるとの報告もされています。 月経前症候群では、月経が訪れる前に約3日間から10日間程度継続する精神的あるいは身体的な不調症状を呈する状態であることが知られており、月経が開始するにつれて自覚症状が軽快ないし消失するのが特徴のひとつです。 また、月経に関連した精神的な不調や身体的症状を認める場合を月経前症候群(略称:PMS)、そしてその重症化したタイプを月経前不快気分障害(略称:PMDD)と呼称しています。  月経前症候群の原因 一般的に、女性には個々に若干の違いはありますが、おおむね25〜38日間の性周期があると言われており、月経の始まりから月経終了、そして次の月経が訪れるまでがひとつの周期的なサイクルが形成されています。 そうした性周期の前半部分では、女性ホルモンのひとつであるエストロゲンというホルモンが多く分泌されて、卵巣内部の卵胞自体が成熟する「卵胞期」という段階が訪れます。 その後、性周期の前半が開始されてから14日目前後に成熟した卵胞から卵子が排出されて排卵される流れが自然です。 排卵した後には妊娠準備のために黄体からエストロゲンと異なるもうひとつの女性ホルモンとして知られているプロゲステロンが生理的に多く分泌されるフェーズが訪れます。 この時期は「黄体期」と呼ばれており、およそ2週間ほどして妊娠が成立しなければ、妊娠するために準備されていた子宮内膜が剥脱して月経が生じることによって、次の性周期に移行する運びとなります。 個々のケースによって大きく症状の重症度が異なる本疾患の明確な原因は判明していませんが、排卵後に訪れる月経前のいわゆる黄体期に分泌される女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンの分泌量が急激に変動することが発症と深く関与していると想定されています。 これらの黄体期の後半に卵胞ホルモンであるエストロゲンと黄体ホルモンと呼ばれるプロゲステロンが急激に変動して分泌低下することで、脳内ホルモンや神経伝達物質の異常を引き起こすことに繋がり、月経前症候群を引き起こす直接的な原因と考えられています。 なお、月経前症候群は女性ホルモンの低下だけが原因ではなく、日々の過剰なストレスなどによって脳内のホルモンや神経細胞に関連する伝達物質が悪影響を受けて発症するとも指摘されています。 月経前症候群の症状 月経前症候群の精神症状としては情緒不安定、ちょっとしたことでイライラ感を募らせる、抑うつ症状、不安を抱いて睡眠が障害されることなどが挙げられます。 自律神経症状としては、全身ののぼせ感や食欲不振、頭重感やめまい症状、倦怠感や疲労感などを自覚することも経験されますし、身体的症状は、腹痛、頭痛、腰痛、全身のむくみ、そして乳房の張りなどの症状を自覚することも多いと言われています。 急な環境の変化や、ハードワークによる緊張状態が続いた時など、ストレスがたまっていると、月経前症候群の症状を自覚しやすくなることが知られており、基本的には性格的に律儀で真面目、几帳面で完璧主義の方では月経前症候群の症状を認められやすいと考えられています。 また、カフェイン入りのコーヒーを普段からよく飲む場合、バランスの悪い食事をしている場合、あるいは風邪や病気で免疫力が低下して自律神経が乱れている際には月経前症候群の症状が重症化する傾向が認められます。 月経前症候群には主に身体症状と精神症状があり、いずれにしても非常に多彩な症状が出現することが特徴のひとつであり、これらの症状は月経が訪れる3日から10日程度前から始まって月経開始と共に改善傾向を示すことが多いです。 精神症状を顕著に認める場合は、月経前の不快な気分障害を認めるタイプもあることが知られており、特に精神神経症状や精神状態の悪化所見がひどい際には、月経前症候群と違って月経前不快気分障害(英語表記:premenstrual dyspholic disorder : 略称PMDD)の可能性もあります。  月経前症候群の治療 一般的に、月経前症候群に対する治療策のひとつの手段として、薬物による治療、あるいは薬にたよらない治療方法が検討されます。 医療機関では、月経前症候群の症状と類似している気分障害やうつ病などの精神神経疾患と鑑別することも重要な視点となります。 月経前症候群と診断された際には、比較的症状が軽微な場合には生活カウンセリングや生活習慣改善のための衛生指導が実施されます。 月経前症候群に随伴する症状を改善させるためには、有酸素運動を主体とした適度な運動、禁煙、節酒、そして日常生活におけるストレスの解消方法などを中心に指導を行います。 重症な場合には、イライラ感や怒り感情が強くなって他者を無意識に罵倒することもあるだけでなく、そういった症状を周囲に十分理解してもらえないしんどさから自ら社会から離脱して引きこもりになるケースもあります。 普段の日常生活では、自分のライフリズムを知って気分転換やリラックスする時間を出来るだけ設ける、あるいは自分が心地良いと思えるようなセルフケア方法を検索して探してみるのも月経前症候群の症状を改善させる治療策になる可能性があります。 月経前に月経前症候群を疑う悩ましい症状を自覚した際には、それらの出現症状を自分なりに記録して、月経周期との関連性を確認することも重要なポイントです。 月経前に情緒不安定になっているのは、神経が緊張して興奮している状況が考えられると同時に、女性ホルモンのバランスも乱れている可能性が考えられ、女性ホルモンのバランスを整えるためにコーヒーや紅茶などのカフェインが多量に入っている飲料を出来る限り控えましょう。 また、情緒不安定を緩和させて精神状態を安定させる作用を有するビタミンB群、カルシウム、マグネシウムなどのビタミンやミネラル成分を積極的に摂取するように心がけましょう。 植物のエストロゲンとも呼ばれる女性ホルモンに似た働きのある豆腐、豆乳などに含まれるイソフラボンやブロッコリーなどに含有されている神経伝達物質の代謝に関与しているビタミンEを摂取してリラックスできる場合もあります。 精神神経症状や自律神経症状に対しては、精神安定剤や選択的セロトニン再取り込み阻害薬などの薬物療法(脳内の活性物質セロトニンを維持する治療法)を使用することがありますし、市販のサプリメント療法、漢方薬を使用する東洋学的漢方療法やピルなどを用いた排卵抑制療法(排卵を抑える治療法)も月経前症候群の症状を緩和させる治療選択肢のひとつと言えるでしょう。 まとめ 月経前症候群は、通常では月経が開始する3日から10日ほど前から吐き気や頭痛、眠気などの身体的症状や不安感やイライラする感情など精神的に不快な症状を呈することが知られており、これらの症状は月経が開始すると同時に改善していくのが特徴として挙げられます。 一般的に、月経のある女性の大部分は月経前に何らかの不快症状を感じると言われています。 日常生活に支障を来すほどの症状を認める場合には月経前症候群を疑い、その症状が軽度な場合には、生活習慣の改善などを行うことで状態が改善することも多いと考えられています。 一方で、症状が重症化すると著しい気分変調を来す気分障害と呼ばれる精神疾患のひとつとして捉えられることもありますので、できるだけ事前に月経前症候群にならないために工夫して対策を講じることが重要なポイントです。 具体的にいつからひどい症状が出現して続くのかをセルフチェックした上で病院の担当医に相談して、適切な診断に結び付けてもらうようにしましょう。 今回の情報が少しでも参考になれば幸いです。 【参考文献】

過敏性腸症候群の原因と症状・ストレスとの関係性について【医師監修】

過敏性腸症候群の原因と症状・ストレスとの関係性について

過敏性腸症候群とは、大腸に炎症や腫瘍などの病気は認められないものの、腹部の不快感や便秘、下痢などの症状が長期間に続く状態のことです。この記事では近年、増加傾向にある過敏性腸症候群のおもな原因と治療法について医師が解説します。

更年期に見られる症状と原因・治療法の男女差についての詳細【医師監修】

更年期

更年期とは「閉経を迎える前後5年間」のことです。閉経平均年齢を50歳前後として、一般的に45〜55歳を更年期と呼び、その時期に起こるさまざまな症状を更年期障害と定義します。この記事では更年期障害の原因と症状、治療法について医師が解説します。

アルコール依存症の診断基準とストレスの関係性について【医師監修】

アルコール依存症の診断基準とストレスの関係性

お酒の歴史は紀元前までさかのぼり、神への捧げ物や人々のコミュニケーションツールとされてきました。一方で過度な飲酒を繰り返し、アルコール依存症などに陥るケースも少なくありません。この記事ではアルコールが招くさまざまな病気を医師が解説します。

五月病とは?適応障害の原因、症状、治療法の詳細解説【医師監修】

五月病

春を迎える頃に多く耳にする五月病。新年度の環境変化に心が追いつかず鬱々とした状態を指しますが、放置することで悪化し、適応障害やうつ病を引き起こすことも少なくありません。この記事ではストレスによっておこる心の病気について医師が解説いたします。 目次 五月病の原因は環境変化による心のゆらぎ 適応障害とは 適応障害の診断基準 うつ病とは 適応障害とうつ病の違いとは 適応障害の症状 適応障害の対処法 うつ病の症状 うつ病の治療 適応障害によるおもな症状 適応障害の心の症状 適応障害のからだの症状 適応障害になりやすい人の特徴 身近な人が適応障害となった場合の対策と接し方 適応障害からうつ病へ 適応障害の再発 うつ病発症後の自殺による死亡は6日以内 今日からできる適応障害の対策 適応障害の抜け出し方は心療内科に相談を 五月病の原因は環境変化による心のゆらぎ 五月病とは新年度の進学や就職、転居などの環境変化に心が追いつかず、学生および新入社員が「学校や会社に行きたくない」「気分がふさぎ体調が優れない」など、憂うつな状態のことをいいます。また、ゴールデンウィーク明けに、これらの症状を訴える方も多くいらっしゃいます。 五月病は一般的に”軽いうつ病”ともいわれますが、医学的にはストレスを起因とする適応障害といえるでしょう。適応障害は放置することで、うつ病へと移行することも少なくありません。 適応障害とは 適応障害とは特定可能なストレスを起因とする心の病気のことです。入学や入社または転職を始めとし、結婚・離婚・死別など、これまでいた環境と異なる状況がストレスとなり、気分が落ち込んだり、からだの不調によって日常生活に支障をきたすとされています。 これらのことから、適応障害は学生や新入社員など若い人だけではなく、性別や年齢を問わず誰もが発症の可能性のある病気といえるでしょう。 なお適応障害の診断基準はDSM-5(精神障害の診断・統計マニュアル)で定められ、うつ病とは異なる病態となります。 適応障害の診断基準 上記をすべて満たすことで適応障害と診断されます。なお「死別反応」とは家族やパートナーなど、親しい存在の死別にともなう悲しみや、抑うつ状態のことです。心の病気とは関係なく、正常な感情による反応とされています。 悲しみ・怒り・悩みなど、人は生きていく上でさまざまな感情(反応)が沸き起こります。しかし、それらの反応が過剰でなく、日常生活を送るうえで支障がないのであれば、適応障害とはいえないでしょう。 うつ病とは うつ病とは、仕事や趣味などの活動に対する興味・喜びが低下し、日常生活に支障をきたすような強い抑うつを感じている状態のことです。 うつ病はおもに強いストレスや、悲しみをともなう出来事などを原因として発症するといわれています。その原因に対して不釣り合いなほど強く、悲しみや抑うつ・不安などを長い期間感じることにより、「仕事中も涙が止まらない」「気分がふさぎ、起き上がることもできず寝てばかり」などの状態により、休職(休学)や退職(退学)を余儀なくされるケースも少なくありません。このほか、うつ病の原因はホルモンバランスや薬の副作用、遺伝などが挙げられます。 適応障害とうつ病の違いとは 適応障害とうつ病には似た症状も多く認められます。しかし、適応障害とうつ病は、診断基準も治療法も異なる病態です。 適応障害の症状 適応障害の症状はストレスとなる原因から離れることにより、症状が軽快しやすいとされています。また、趣味や自身が興味のあることについては楽しむことができます。睡眠や食欲は個人差がありますが、ストレスの原因から離れている場合、問題なくとれているケースも少なくありません。 適応障害の対処法 うつ病の症状 うつ病の症状は適応障害と異なり、職場や人間関係などストレスの原因から離れたとしても軽快しづらいとされています。適応障害の場合、自身の好きなことや趣味は楽しむことができますが、うつ病はこれまで好きだったことや、楽しかったことへの興味が失われてしまいます。また不眠や食欲減退なども挙げられます。 うつ病の治療 適応障害によるおもな症状 適応障害の症状は個人差があり、うつ病と似た症状も多く挙げられます。いずれも早期の診察と適切な治療が大切です。気分がふさぐ、抑うつ的、不眠や食欲低下(もしくは過食)などの症状が続いた際は、すみやかに心療内科で診察を受けましょう。 適応障害の心の症状 適応障害のからだの症状 適応障害になりやすい人の特徴 適応障害はストレスを原因とする心の病気です。環境の変化が怖い、気が弱いなどストレス耐性が低い人や、完璧主義であったり真面目な人ほど、適応障害になりやすいといわれています。なお、DSM-5によると適応障害の男女比率は1:2とされ、独身女性に多く見られる症状といわれています。 身近な人が適応障害となった場合の対策と接し方 家族や職場の同僚が適応障害と診断された場合、ストレスを原因とする病気であることを理解することが最も大切です。たとえば職場でのパワハラがストレスの原因であれば、パワハラ行為者と被害者との距離を保つよう配置換えを行う、出社を強制するのでなく可能な限り、在宅勤務を行える環境に整えることなどが挙げられるでしょう。 家族であれば接し方にも注意が必要です。適応障害はうつ病と異なり、自身に興味のあることや趣味を楽しむことができます。個人差はありますが、睡眠や食欲は問題のないケースも少なくありません。その様子を「大人の甘え」や「さぼり癖」などと非難せず、当事者の話に耳を傾け、つらい状況をサポートする姿勢を心がけましょう。 適応障害からうつ病へ 適応障害はストレスの原因の始まりから3ヶ月以内に発症したのち、ストレスの原因が解消され、6ヶ月以上続くことなく軽快する、とされています。しかしストレスとなる環境、または人間関係が改善されず適応障害の症状が長引き、うつ病へ移行することも少なくありません。 適応障害の再発 適応障害はストレスに始まり、ストレスを遠ざけることで、抑うつ状態から抜け出すことが可能とされています。しかし適応障害を発症した原因であるストレスに再び対峙した際、適応障害が再発する可能性は高く、適応障害からうつ病へ移行すると約60%の確率で再発のおそれがあるといわれています。 …

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