卵子の染色体異常と流産の関係性〜DNAとヒストンが織りなす命の神秘【YouTube動画解説】

こんにちは、
未来のあなたと赤ちゃんを笑顔にするおかひろしです

このチャンネルでは、NIPT、新型出生前診断を中心に、医学的根拠に基づいた情報を、感情でなくデータを元に分かりやすくお届けしていきます。

流産をしてしまうと「私の何が悪かったの?」「流産の原因は無理して働いたせい?」などと自分を責めてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか?よくSNSなどの投稿でこんな言葉を見かけます。

実は、流産のほとんどの原因は、「染色体異常」だと言われています。

お母さんのせいではないことが多いのです。

この「染色体異常」があると、残念ながら赤ちゃんが生存できないことがほとんどなのです。

流産は、本当に辛く、理由が分からず不安になる経験です。でも、多くの場合、お母さんの行動が原因ではないということを知ってほしいんです。

今回の動画では、この「流産染色体異常の関係性」について遺伝専門医が詳しく解説します。

流産の本当の原因について知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

DNAと染色体の構造イメージ

①染色体とは?

②染色体異常とは?

数的異常(数の異常)
染色体の数が通常よりも多い、または少ない状態です。これには以下のような例があります:

  • トリソミー(Trisomy):ある染色体が3本存在する状態。例:ダウン症候群(21トリソミー)
  • モノソミー(Monosomy):ある染色体が1本しか存在しない状態。例:ターナー症候群(Xモノソミー)

構造的異常(構造の異常)
染色体の構造に変化が生じる状態で、以下のようなタイプがあります:

  • 欠失(Deletion):染色体の一部が欠けている。
  • 重複(Duplication):染色体の一部が重複している。
  • 転座(Translocation):染色体の一部が他の染色体に移動している。
  • 逆位(Inversion):染色体の一部が逆向きになっている。
  • 環状染色体(Ring chromosome):染色体の両端が欠失し、環状になっている。

染色体異常が流産を引き起こす理由

  1. 遺伝情報の過不足による発育障害
    染色体の数が通常より多い(トリソミー)または少ない(モノソミー)場合、遺伝情報の過不足が生じます。これにより、胎児の正常な発育が妨げられ、生命維持が困難となるため、自然に流産が起こることがあります。
  2. 構造異常による機能障害
    染色体の一部が欠失、重複、転座(他の染色体との位置交換)などの構造異常を持つ場合、重要な遺伝子の機能が失われたり、異常な働きをすることがあります。これも胎児の発育に深刻な影響を及ぼし、流産の原因となります。

本当の流産の原因

35歳未満の母親から生まれるダウン症の赤ちゃんの割合は約51%です。
35歳以上の母親から生まれるダウン症の赤ちゃんの割合は約49%です。

年齢が高まるにつれて染色体異常の発生率が高くなる理由

染色体異常の発生要因

  • 減数分裂時のエラー
    卵子や精子が形成される際の減数分裂で、染色体が正しく分配されないことがあります。特に母体の年齢が高くなると、このリスクが増加します。

本日のまとめ

今日は、流産染色体異常の関係性というテーマでお話ししました。
まとめとして、以下の点を覚えておいていただけると嬉しいです。

各トピックまとめ

  • 染色体異常の主な原因
    流産の原因のほとんどは「染色体異常」である
    「ご自身の行動を責める必要がない場合が多いことを知っておいてください」