わたしたちの考え
ヒロクリニックでは出生前に231種類の重篤な劣性遺伝疾患遺伝子の関連を検出することが可能です。
これは母親と父親の頬粘膜から遺伝子を抽出、解析し、その組み合わせから胎児の重篤な遺伝子疾患を検出する検査となります。
重篤な遺伝子疾患は非常にまれですが、4万人に1人の劣性遺伝疾患であってもその疾患のキャリア(二本の染色体のうち一本が異常であるが、疾患を発症していない個体)は100人に1人となります。
キャリア遺伝子を特定し、その組み合わせから231種類の劣性遺伝疾患の関連を疑うことができる検査は、有用な検査とヒロクリニックでは考えております。
この検査の特徴はこれまで遺伝子異常とされている遺伝子の組み合わせを全て検出して、遺伝子の変化が本当に病原性があるかどうかを判断するということです。
遺伝子は個人個人で異なります。それは重要な遺伝子においてもよくみられることであり、その多様性によって人は一人一人異なります。しかしながら、その変化の中で病原性を持つこともあります。
遺伝子の組み合わせは世界中のデータベースに共有されており、そのデータベースを検索することによって、231種類の遺伝子の変化が病原性を持つかどうかを調べます。
母親と父親が同じ部位において病原性を持つ時、高頻度で子供に発症するリスクがあります。ただ、遺伝子の変化を見るだけでは意味がありません。その遺伝子の変化が本当に異常なのかを判断(アノテーション)することが必要になります。これは東京衛生検査所とMedicoverの共同作業になります。
劣性遺伝疾患を発症する仕組みについて
ヒトには母親由来のものと父親由来の二本の染色体が存在します。
劣性遺伝疾患とは、二本の染色体の同じ場所に異常がある場合に発症する疾患のことを言います。母親または父親由来の染色体の一方が異常の場合でも、もう片方の染色体に異常がない場合には発症しません。その場合、その個体は該当遺伝疾患のキャリアと言われます。
昔から「血縁でこどもを作ってはいけない」と言われてきたのはこのキャリアにあたります。
例えば4万人に1人しか発症しない稀な病気がある場合にはそのキャリアは100人に1人いることが推定されます。
それは「100分の1 × 100分の1 × 4分の1 = 40,000人の1人」の計算だからです。
4万人に1人の疾患を100ヶ所調べると、理論的には誰もが一つの疾患のキャリアである可能性があるということです。
では、もしも当院の検査で両親の遺伝子の同じ場所に異常が見つかった場合にはどうなるのでしょうか?
答えは
- 4人に1人の胎児が発症します。
- 2人に1人がキャリアになります。
- 4人に1人が正常個体となります。
それを調べるにはどうしたらいいのでしょうか?
現時点では一番正確なものは羊水検査となります。
この羊水検査には遺伝子解析が必要となります。東京衛生検査所はキプロスのMedicover社と共同でこの解析を行っております。
羊水検査サポートに入っていれば通常は20万円以下で検査可能なため、費用の負担がありません。
羊水検査を行う際にはヒロクリニックにお問い合わせください。
231種類の劣性遺伝疾患は下記の疾患となります。
ヒロクリニックNIPTでわかる劣性遺伝疾患
3-ヒドロキシ-3-メチルグルタル酸血症
当院で調べられる遺伝子
発生する染色体
3-メチルクロトニルCoAカルボキシラーゼ欠損症
複合カルボキシラーゼ欠損症
無βリポ蛋白血症
ペルオキシソームアシルCoAオキシダーゼ欠損症
神経有棘赤血球症
X連鎖性脈絡膜血症
シトリン欠損症
複合酸化的リン酸化欠損症3
先天性グリコシル化異常症Ⅰ型(PMM2関連)
当院で調べられる遺伝子
発生する染色体
遺伝性フルクトース不耐症
ホモシスチン尿症cblE型
ハイドロレタラス症候群
封入体ミオパチーⅡ型(GNEミオパチー)
イソ吉草酸血症
メチルマロン酸血症MUT0型
ホモシスチン尿症を伴うメチルマロン酸血症cblD型
当院で調べられる遺伝子
発生する染色体
ムコ多糖症Ⅱ型(ハンター症候群、X連鎖性)
当院で調べられる遺伝子
発生する染色体
ムコ多糖症III型(サンフィリッポ症候群)
当院で調べられる遺伝子
発生する染色体
マルチプルスルファターゼ欠損症
原発性線毛機能不全(DNAH5関連)
原発性線毛機能不全(DNAI1関連)
原発性高シュウ酸尿症3型
濃化異骨症
ピルビン酸デヒドロゲナーゼ欠損症
エカルディ・グティエール症候群
アルポート症候群
アルストレーム症候群
アンダーマン症候群
アロマターゼ欠損症
重症先天性好中球減少症 (HAX1関連)
クリグラー・ナジャー症候群Ⅰ型
嚢胞性線維症
第XI因子欠乏症
家族性自律神経失調症
ジュベール症候群関連疾患
接合部型表皮水疱症(ヘルリッツ型)
層状魚鱗癬Ⅰ型
レーベル先天性黒内障(LCA5関連)
リー脳症(フランス-カナダ型)
X連鎖性ミオチュブラーミオパチー
ナバホ神経肝障害(MPV17関連の肝脳ミトコンドリアDNA枯渇症候群)
神経セロイドリポフスチン症(CLN8関連)
神経セロイドリポフスチン症(MFSD8関連)
神経セロイドリポフスチン症(TPP1関連)
ナイミーヘン染色体不安定症候群
網膜ジストロフィー
当院で調べられる遺伝子
発生する染色体
網膜色素変性症-25
網膜色素変性症-59
サンフィリポ症候群
当院で調べられる遺伝子
発生する染色体
重症複合免疫不全症(アサバスカ型)
SLC35A3変異による関節拘縮、精神遅滞、および発作
アスパラギン合成酵素欠損症
アスパルチルグルコサミン尿症
常染色体劣性多発性嚢胞腎
当院で調べられる遺伝子
発生する染色体
バルデー・ビードル症候群(BBS1関連)
ファンコニ貧血C型
ファンコニ貧血G型
ゴーシェ病
グルタル酸血症ⅡA型
非ケトーシス型高グリシン血症(グリシン脳症)
白質消失病
ライディッヒ細胞形成不全(黄体形成ホルモン抵抗性)
当院で調べられる遺伝子
発生する染色体
肢帯型筋ジストロフィーⅡE型
ジヒドロリポアミドデヒドロゲナーゼ欠損症(メープルシロップ尿症III型)
当院で調べられる遺伝子
発生する染色体
リポタンパク質リパーゼ欠損症
オーメン症候群(RAG2関連)
オルニチンアミノトランスフェラーゼ欠損症
高オルニチン血症-高アンモニア血症-ホモシトルリン血症(HHH)症候群
ペンドレッド症候群
ゼルウェーガースペクトル症候群(PEX1)
ゼルウェーガースペクトル症候群(PEX2)
ツェルウェガー症候群(PEX1)
当院で調べられる遺伝子
発生する染色体
X連鎖重症複合免疫不全症
鎌状赤血球症
シェーグレン・ラルソン症候群
一次性ネフローゼ症候群
シュワルツ・ヤンペル症候群
バルデー・ビードル症候群(BBS12関連)
ベータサラセミア
ビオチニダーゼ欠損症
カナバン病
カーペンター症候群
糖原病Ⅰ型(Ia)
糖原病Ⅰ型(Ib)
糖原病Ⅲ型
糖原病VII型
グレイシル症候群
長鎖3-ヒドロキシアシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症
当院で調べられる遺伝子
発生する染色体
リジン尿性蛋白不耐症
メープルシロップ尿症ⅠB型
メチルマロン酸血症(MMAA関連)
ホモシスチン尿症を伴うメチルマロン酸血症cblC型
当院で調べられる遺伝子
発生する染色体
ツェルウェガー症候群(PEX2)
当院で調べられる遺伝子
発生する染色体