グルタル酸血症ⅡA型

グルタル酸血症ⅡA型グルタル酸血症ⅡA型

概要

グルタル酸血症Ⅱ型(Glutaric Acidemia, Type ⅡA)は常染色体劣性 代謝障害であり、エネルギーとしてタンパク質や脂肪を使用する身体の能力に欠陥があることを特徴としています。不完全に処理されたタンパク質や脂肪が蓄積し、アシドーシスにつながる可能性があります。

疫学

グルタル酸血症Ⅱ型は非常にまれな疾患で、その正確な発生率は不明です。本邦では、約31万人に1人の発見頻度です。

原因

ETFA 、ETFB、およびETFDHの3つの遺伝子のいずれかに変異があると、グルタル酸血症Ⅱ型を引き起こす可能性があります。ETFAおよびETFB遺伝子は、電子伝達フラビンタンパク質(ETF)と呼ばれる酵素を作成するための指示を、ETFDH遺伝子は、ETF脱水素酵素(ETFDH)と呼ばれる別の酵素を作成するための指示を提供します。

グルタル酸血症Ⅱ型は、これら2つの酵素のいずれかの欠乏によって引き起こされます。これらの酵素が欠損すると、ミトコンドリアは正常に機能できなくなり、不完全に処理された分解されたタンパク質と脂肪が蓄積し、細胞が損傷します。

ETFA遺伝子であれば当院のN-advance FM+プランN-advance GM+プランで検査が可能となっております。

症状

グルタル酸血症Ⅱ型は通常、乳児期または幼児期にアシドーシスと低血糖症、摂食困難や活動低下などの行動変化、および嘔吐を引き起こします。重症例では、脳の奇形、肝腫大、拡張型心筋症、嚢胞やその他の腎臓の奇形、異常な顔貌、生殖器の異常などが現れます。

治療

急性期は対症的な治療に加え、低血糖症や代謝性アシドーシスの危機を防ぐために、絶食を厳しく避け、十分量のブドウ糖を供給することが重要です。また、有機酸代謝異常症に準じた治療も必要となります。

予後

新生児発症型については致死的です。患者数が少ないため、予後は不明な点が多いです。

【参考文献】