アルドステロン合成酵素欠損症

アルドステロン合成酵素欠損症アルドステロン合成酵素欠損症

概要

本疾患は、ステロイド合成酵素のP450c18(P450aldとも呼ばれる)の先天的な障害によりアルドステロンの分泌障害をきたし塩喪失症状を起こす遺伝性疾患です。以前corticosterone methyloxidase (CMO)I欠損症、CMO II欠損症として臨床的に区別されていた病態は、分子生物学的にはともにP450c18遺伝子であるCYP11B2の異常であることが判明しました。

疫学

正確な頻度は不明であるが、30例以上の報告を認めます。CMO II欠損 症と称された症例は、イラン系ユダヤ人に多くの発症が認められます。

原因

ステロイド合成酵素P450c18の先天的な障害によるものです。以前はコルチコ ステロン(B)→18-OHBのステッブを触媒するステップをCMO Iという酵素が触媒し、18‐OHB→アルドステロンのステップを触媒するステップをCMO IIという酵素が触媒すると考えられ各ステップの障害によりアルドステロン合成が障害される病態をそれぞれCMO I、CMO II欠損症と呼称していました。しかし、分子生物学的に両のステップ はともにP450c18(P450ald)によって触媒されることが明らかとなり少数例ながらCMOⅠ、CMOⅡ欠損症例のP450cl8遺伝子(CYP11B2)の解析から、CMO I欠損症はP430cl8欠損症重症型、CMO II欠損症はP450cl8欠損症軽症型であるとの報告がなされています。

CYP11B2遺伝子であれば当院のN-advance FM+プランN-advance GM+プランで検査が可能となっております。

症状

塩喪失症:アルドステロンの産生低下によりNa喪失により循環血漿量の減少をきたし低血圧、場合によってはショック状態となります。

治療

鉱質コルチコイドの9αフルドロコルチゾン(フロリネフR)の補充を行います。 ショック状態のときには同時に,生食の輸液を行います。

【参考文献】

難病情報センター – アルドステロン合成酵素欠損症