原発性免疫不全症候群

原発性免疫不全症候群原発性免疫不全症候群

概要

原発性免疫不全症候群は、先天的に免疫系のいずれかの部分に欠陥がある疾患の総称であり、後天的に免疫力が低下するエイズなどの後天性免疫不全症候群と区別されています。障害される免疫担当細胞(例えば、好中球、T細胞、B細胞)などの種類や部位により200近くの疾患に分類されます。原発性免疫不全症候群で問題となるのは、感染に対する抵抗力の低下です。重症感染のため重篤な肺炎、中耳炎、膿瘍、髄膜炎などを繰り返し、時に生命の危険を生じることもあり、中耳炎の反復による難聴、肺感染の反復により気管支拡張症などの後遺症を残すこともあります。

疫学

約3,500名、有病率は人口10 万人当たり 2.3 人であり、欧米とほぼ同じでした。

原因

多くは免疫系に働く蛋白の遺伝子の異常です。この10年間に代表的な原発性免疫不全症候群の原因遺伝子は多くが解明され、確定診断や治療に役立っています。しかし、IgGサブクラス欠乏症の一部、乳児一過性低γグロブリン血症のように一時的な免疫系の未熟性、慢性良性好中球減少症のように自己抗体によると思われる疾患もあります。

CIITA遺伝子であれば当院のN-advance FM+プランN-advance GM+プランで検査が可能となっております。

症状

主な症状は易感染性です。つまり、風邪症状がなかなか直らなかったり、何度も発熱したりし、入院治療が必要となります。重症のタイプでは感染が改善せず、致死的となることもあります。好中球や抗体産生の異常による疾患では細菌感染が多く、T細胞などの異常ではウイルスや真菌感染が多い傾向があります。

【参考文献】

難病情報センター – 原発性免疫不全症候群