難聴、常染色体劣性77

難聴、常染色体劣性77難聴、常染色体劣性77

概要

通常、若年発症の糖尿病が初発症状となり、次いで視神経萎縮により視力障害を来します。この2つの特徴的な症候の合併により診断されます。常染色体劣性遺伝性疾患。糖尿病と視神経萎縮に加えて、尿崩症、難聴、尿路異常、多彩な神経・精神症状などを合併します。

疫学

不明(英国では77万人に1人)

原因

原因遺伝子WFS1が1998年に同定され、遺伝子診断が可能になりました。この遺伝子にコードされる蛋白、WFS1蛋白 (woflramin)は細胞内では主に小胞体に存在し、この蛋白を欠損する細胞は小胞体ストレスに脆弱であることが示されています。しかしながら、この蛋 白の機能や、症候の発症メカニズムについては依然不明な点が多いです。また、WFS1遺伝子変異によらないWolfram症候群も存在し、疾患の多様性が明らかになっています。最近、WFS2としてZCD2遺伝子が同定されました。

LOXHD1遺伝子であれば当院のN-advance FM+プランN-advance GM+プランで検査が可能となっております。

症状

典型例では10歳前後に発症するインスリン依存性の糖尿病が初発症状となります。やや遅れて視神経萎縮による視力障害が発症し、失明に至る可能性があります。この2つの徴候の合併を持ってWolfram症候群の診断がなされています。その他、中枢性尿崩症、聴力障害(感音性難聴)や尿路異常(水腎症、尿管の拡大)、神経症状(脳幹・小脳失調、けいれん)、精神症状(抑鬱など)を種々の組み合わせで合併し、これらの症候に伴う多彩な症状を呈します。症候は一般に進行性ですが、症例あるいは病期により、一部の症候のみを呈する場合があります。