重症先天性好中球減少症(HAX1関連)

重症先天性好中球減少症(HAX1関連)重症先天性好中球減少症(HAX1関連)

概要

重症先天性好中球減少症(HAX1関連)(Congenital Neutropenia(HAX1-related))は、アジアおよび中東で発生率が高い遺伝子HAX1の病原性多様体によって引き起こされる常染色体劣性疾患です。

この障害は、2つのHAX1アイソフォームのうちの1つだけに影響を与える病原性多様体が神経学的症状のない好中球減少症を引き起こす可能性がある場合、遺伝子型-表現型の相関関係が提案されています。

疫学

有病率は100万人に2人です。性差はありません。

原因

HAX1変異による劣性遺伝疾患です。ミトコンドリア内膜電位維持に必要なHAX1が変異することによりアポトーシスが引き起こされます。

HAX1遺伝子であれば当院のN-advance FM+プランN-advance GM+プランで検査が可能となっております。

症状

乳児期に現れる好中球の減少を伴う骨髄不全を特徴とし、ブドウ球菌、レンサ球菌による中耳炎、気道感染症、蜂窩織炎、皮膚感染症などを発症します。また、肺炎、敗血症といった重症感染症に罹患することもあります。

患者は複数の細菌および真菌感染症を患っており、急性骨髄性白血病または骨髄異形成症候群を発症するリスクがあります。また一部の患者は、精神運動遅滞などの神経学的症状を発症します。

治療

感染予防が重要です。感染症がコントロールできない症例では、造血幹細胞移植も検討されます。

予後

敗血症や悪性腫瘍により、平均余命が短くなることがあります。

【参考文献】