エーラス・ダンロス症候群

エーラス・ダンロス症候群エーラス・ダンロス症候群

概要

皮膚、関節、血管など全身的な結合組織の脆弱性に基づく遺伝性疾患である。その原因と症状から、6つの主病型(古典型、関節型、血管型、後側彎型、多発関節弛緩型、皮膚脆弱型)に分類されており、全病型を合わせた推定頻度は約1/5,000人とされています。さらに、最近、難治性疾患克服研究事業研究班において見出し、疾患概念を確立した「D4ST1欠損に基づくEDS(DDEDS)」を含め、新たな病型が発見されています。

疫学

すべての病型を合わせると1/5,000人はいるだろうと考えられています。

原因

コラーゲン分子又はコラーゲン成熟過程に関与する酵素の遺伝子変異に基づきます。古典型はV型コラーゲン(COL5A1、COL5A2)遺伝子変異により、血管型EDSはIII型コラーゲン(COL3A1)遺伝子変異より、後側彎型EDSはコラーゲン修飾酵素リジルヒドロキシラーゼ(PLOD)遺伝子変異により、多発関節弛緩型EDSはI型コラーゲン(COL1A1、COL1A2)遺伝子変異により、皮膚脆弱型はプロコラーゲンI N-プロテイナーゼ(ADAMTS2)遺伝子変異により、DDEDSはCHST14遺伝子変異により発症します。

しかし、それぞれの遺伝子変異がどのような機序で多系統の合併症を引き起こすのか、治療につながる詳細な病態は不明です。

PEX2遺伝子であれば当院のN-advance FM+プランN-advance GM+プランで検査が可能となっております。

症状

古典型においては、皮膚の脆弱性(容易に裂ける、萎縮性瘢痕を来す)、関節の脆弱性(柔軟、脱臼しやすい)、血管の脆弱性(内出血しやすい)、心臓弁の逸脱・逆流、上行大動脈拡張を表します。関節型EDSにおいては、関節の脆弱性が中心(脱臼・亜脱臼、慢性疼痛)です。

血管型EDSにおいては、動脈解離・瘤・破裂、腸管破裂、子宮破裂といった重篤な合併症を呈するとともに、小関節の弛緩、特徴的顔貌、皮下静脈の透見などの身体的特徴があります。

DDEDSでは、進行性結合組織脆弱性(皮膚過伸展・脆弱性、全身関節弛緩・慢性脱臼・変形、巨大皮下血腫、心臓弁の逸脱・逆流、難治性便秘、膀胱拡張、眼合併症など)及び発生異常(顔貌の特徴、先天性多発関節拘縮など)を伴う特徴的な症状を表します。

治療

古典型EDSにおける皮膚、関節のトラブルに対しては、激しい運動を控えることやサポーターを装着するなどの予防が有用である。皮膚裂傷に対しては、慎重な縫合を要します。

関節型EDSにおいては、関節を保護するリハビリテーションや補装具の使用、また疼痛緩和のための鎮痛薬の投与を行います。血管型EDSの動脈病変については、定期的な画像検査・発症時の慎重な評価と治療を行います(できる限り保存的に、進行性の場合には血管内治療を考慮)。

最近、β遮断薬セリプロロールの動脈病変予防効果が期待されている。腸管破裂の発症時には、迅速な手術が必要です。DDEDSにおいては、定期的な骨格系(側彎、脱臼)の評価、心臓血管の評価、泌尿器系、眼科の評価、必要に応じた整腸剤・緩下剤内服などが考慮されます。

【参考文献】

難病情報センター – エーラス・ダンロス症候群