アッシャー症候群(タイプ1F)

アッシャー症候群(タイプ1F)アッシャー症候群(タイプ1F)

概要

アッシャー症候群(USH1F)は、先天性、両側性、重度の感音難聴、前庭反射不全、および青年期発症の網膜色素変性症(RP)を特徴とする遺伝性疾患です。出生時から重度の難聴を引き起こし、青年期にかけて視力を損なうことが一般的です。

アッシャー症候群にはタイプI、II、およびIIIの3つのタイプがあります。

これは重症度と、徴候や症状が現れる年齢によって区別されます。

疫学

アッシャー症候群1型(これにはサブタイプ1Aから1Gが含まれます)は、25,000人に1人の子供に影響を及ぼします。アッシャー症候群の人の約11〜19%が1F型です。聴覚障害または難聴の子供では、3〜6%が何らかの形のアッシャー症候群(タイプ1、2、または3)を患っています。聴覚障害と盲ろうの両方の成人では、50%がアッシャー症候群を患っています。

タイプ1Fは、アシュケナージ系ユダヤ人によく見られます。

原因

すべてのタイプは、劣性遺伝疾患です。

PCDH15遺伝子であれば当院のN-advance FM+プランN-advance GM+プランで検査が可能となっております。

症状

アッシャー症候群1F型の乳児は、出生時に両耳が重度に耳が聞こえません。この難聴は、通常は補聴器に反応しません。これに付随して、発話能力の発達が困難になることがあります。

青年期には、アッシャー症候群1F型の人が網膜色素変性症を発症します。これは、夜盲症と末梢視力の段階的な喪失を引き起こす眼疾患です。最終的には中央の視界だけが残り、「トンネルビジョン」が作成されます。この中心視力も損なわれる可能性があり、失明につながる可能性があります。アッシャー症候群1F型の人は白内障を合併し、視力をさらに損なう可能性があります。

また、バランス感覚にも問題があり、速度や方向の変化を感知することが難しくなります。そのため、自立歩行ができるようになるのが他の子供たちよりも遅くなります。この病気の年長の子供は、平衡障害のために不器用に見えることがあり、運動活動が困難になることがあります。

この病気は知性に影響を与えることも、他の健康上の問題を引き起こすこともありません。

診断

1)自覚症状や検査結果の組み合わせ、あるいは2)症状・検査の結果と遺伝学的検査の組み合わせで行われます(特に10歳未満で視覚症状が現れる前に診断するためには遺伝学的検査が必要です)。

まれに難聴と網膜色素変性症のそれぞれ別の原因を持つ場合もありますので、確定診断には遺伝学的検査を行います。

治療

アッシャー症候群1F型の治療法はありません。

難聴の治療には、補聴器または人工内耳を使用します。

アッシャー症候群II型の視力喪失に対しては、パルミチン酸ビタミンAを使用します。

予後

アッシャー症候群1F型は、寿命や知能には影響しません。