妊婦さん必見!魚の水銀とDHA・EPAのバランス術【YouTube動画解説】

こんにちは、未来のあなたと赤ちゃんを笑顔にするおかひろしです
このチャンネルでは、NIPT、新型出生前診断を中心に、医学的根拠に基づいた情報を、
感情でなくデータを元に分かりやすくお届けしていきます。

妊娠中の食事って、本当に気を遣いますよね。 特に魚は、DHAやEPAが豊富で「赤ちゃんのために積極的に食べたい!」と思っている妊婦さんも多いのではないでしょうか?
でも、一方でこんな話を聞いたことはありませんか? 「妊婦は魚をあんまり食べない方がいいって聞くけど…水銀って本当に危ないの?」 「もし水銀を摂りすぎちゃったら、赤ちゃんに何か影響がある
結論からお伝えすると、魚は妊婦さんにとって栄養満点な素晴らしい食材です。
そして、水銀について過度に心配する必要はありません。ただし、特定の種類の魚には注意が必要です。
しかし、正しい知識がないまま特定の魚を大量に食べ続けてしまうと、赤ちゃんに水銀が蓄積され、ごくわずかながら影響が出る可能性もゼロではありません。
不安から魚を全く食べなくなってしまうと、せっかくの栄養を逃してしまうことにもなります。
妊娠中は、お腹の赤ちゃんのために「何が良いのか」「何を避けるべきなのか」と、食事一つとっても悩みが尽きないものですよね。
安心して美味しい魚を食べるために、正しい情報を知りたいと思うのは当然です。
そこで今日は、【水銀が胎児にもたらす影響】というテーマで、以下の点を中心に医学的根拠に基づいた情報をお話ししていきます。

【本編】
魚の栄養価と水銀蓄積の仕組み
【質問者】
「先生、魚って妊娠中にとっても良いって聞くんですけど、具体的にどんな栄養があるんですか?そして、水銀ってなんで魚に蓄積されるんでしょう?」
【先生】
「そうですね、じゃあまず“なぜ魚が妊娠中におすすめされるのか”から整理してお話ししましょうか。妊娠中の体って、普段の状態とは全然違うんですよ。栄養の優先順位が“自分の体”よりも“お腹の赤ちゃん”にシフトする。だから妊婦さんは、ただお腹いっぱい食べればいいわけじゃなくて、“質の良い栄養”を効率よく摂らなきゃいけない。
その点で魚はとても優秀な食材なんです。なぜかというと、まず有名なのがDHAとEPAです。これはオメガ3脂肪酸と呼ばれる良質な脂の一種で、特に青魚に多く含まれています。
DHAは胎児の脳や神経、視覚の発達に欠かせません。妊娠後期になると、赤ちゃんの脳は目覚ましいスピードで成長します。神経細胞同士をつなぐネットワークも急速に構築されていきます。その材料の一部がDHAなんです。『頭の良い子になる』というと少しキャッチーすぎますが、“脳の土台作り”をサポートするというのは事実ですね。
一方EPAは、血液をサラサラにして血流を改善します。妊娠中は血液量が増えるので、どうしてもドロッとしやすくなるんです。それを防いでくれるのがEPA。血流が良くなると、胎盤にも栄養や酸素がしっかり届くので、赤ちゃんの成長環境が良くなります。

【質問者】
「DHAとEPAってそんなに重要なんですね。」
【先生】
「はい。そして魚はそれだけじゃないんです。ビタミンDも豊富です。ビタミンDはカルシウムの吸収を助けるので、赤ちゃんの骨や歯を作るのに不可欠。もちろんママの骨を守る意味でも大事です。
それから鉄分。妊娠中は血液をつくるために鉄の需要が急増します。鉄が足りないと貧血になってしまい、母体の疲れやすさだけでなく、胎児への酸素供給にも影響が出ます。魚には赤身の肉に比べると鉄は少ないですが、吸収されやすい形で含まれています。
そして亜鉛やヨウ素。亜鉛は免疫機能や細胞分裂に必要で、ヨウ素は赤ちゃんの甲状腺ホルモンを作るために欠かせません。ヨウ素は特に海藻に多いですが、魚からも摂取できます。」

魚と水銀の関係
【質問者】
「なるほど…魚って妊娠中に必要な栄養が色々そろっていて、本当にバランスがいい食材なんですね。でも、一方で“魚=水銀”というイメージを持っていて、不安になる人も多いと思います。」
【先生】
「そうですね。水銀の話は、妊婦さんからも本当によく聞かれます。“魚は体にいいって分かってるけど、水銀っていう言葉が頭をよぎるとちょっと怖い”…そんな気持ちですよね。では、まずは水銀が魚にどうやってたまっていくのかを順を追って説明しましょう。
海の中には、実は自然由来と人間の活動によって、ごく微量の無機水銀が存在しています。これは目に見えないほどの微量ですが、海の生態系の中でゆっくりと姿を変えていきます。微生物の働きによって、この無機水銀はメチル水銀という有機化合物に変わります。メチル水銀は脂に溶けやすく、一度生き物の体に入るとなかなか排出されません。
まず、海中のプランクトンがメチル水銀を取り込みます。 この時点ではほんのわずかです。ところが、そのプランクトンを小魚が食べます。小魚は一度だけでなく、何度もプランクトンを食べるので、体の中に少しずつメチル水銀がたまっていきます。さらに、その小魚を中型の魚が食べ、その中型魚を大型の魚が食べる…という食物連鎖を繰り返すたびに、メチル水銀の量はどんどん濃縮されていきます。
このように、食べられる側から食べる側へ、濃度が階段状に上がっていく現象を生物濃縮(バイオマグニフィケーション)と呼びます。たとえるなら、雪の上を転がす雪玉がどんどん大きくなるようなものです。最初は小さくても、食物連鎖を何段階も経るうちに、大型魚の体内ではかなりの量になります。
特に、大型で長生きする魚ほど水銀量が多くなります。なぜなら、寿命が長ければ長いほど、食べる回数が増え、そのたびに水銀が少しずつ蓄積されるからです。たとえば、マグロやカジキ、キンメダイなどがその代表例です。これらは生態系の頂点に近い位置にいるため、水銀が多く含まれている傾向があります。
ここで誤解しないでいただきたいのは、“水銀が含まれている=危険”ではないということです。確かに水銀は有害物質ですが、問題はその量なんです。」

現代の日本では、食品中の水銀含有量は厳しく監視されており、基準を超える魚が市場に出回ることはありませんが、胎児には水銀を排出する機能がありません

そのため母体に入ったメチル水銀は胎盤を通って赤ちゃんにも移行し、胎児の体内に残ります。成人なら2〜3か月で自然に排出されますが、胎児はそれができないため、母体よりも影響を受けやすいのです。

こう聞くと、『じゃあやっぱり魚は危険なんじゃない?』と思ってしまうかもしれません。でも、ここからが大切な話です。過剰に怖がって魚を全部避けてしまうのはもったいないんです。なぜなら、魚は妊娠中の栄養補給にとても優れていて、DHAやEPA、ビタミンD、鉄、亜鉛など、胎児の成長や母体の健康維持に欠かせない成分をたっぷり含んでいるからです。

実際、厚生労働省のガイドラインでも『食べてはいけない』とは書かれていません。代わりに、種類ごとに“安全に食べられる目安量”がきちんと示されています。

【質問者】
どんな魚が水銀が多いとされるでしょうか?

【先生】
水銀が比較的多いとされるのは
キンメダイ
メカジキ
クロマグロ
本マグロ
メバチマグロ
これらは週1切れ(約80g)までが目安です。これはかなり余裕を持った安全基準で、毎週この上限ギリギリを食べ続けても、水銀の蓄積が危険レベルに達することはほぼありません。

【質問者】
では一方で水銀が少ない魚はありますか?

【先生】
水銀が少ない魚、たとえば

  • サケ
  • アジ
  • サンマ
  • サバ
  • イワシ

これらは週に何回食べても問題ありません。ツナ缶も、使われているのは水銀量の少ないキハダマグロやメジマグロなどなので、基本的に安全です。

さらに、WHO(世界保健機関)の報告でも、母体の毛髪水銀値が10〜20ppmになると胎児への影響が出るリスクが約5%とされていますが、これは特定の地域や特殊な食生活(ほぼ毎日大型魚を大量に食べる)で見られるもので、日本の一般的な食生活ではまず到達しません。普段の食事で、しかも量を気をつけていれば、その数値になることはほぼないんです。

だから私としては、『大型魚も食べてOK、でも週に1回程度に抑える』というスタンスをおすすめします。そうすれば、水銀のリスクをしっかりコントロールしながら、魚の栄養的メリットをしっかり享受できます。

要するに、怖がって魚を避けるよりも、“種類を選び、頻度を守る”方が賢い選択なんです。」


水銀を過剰摂取したときの影響

【質問者】
「でも、水銀を多く摂ってしまった時の“影響”ってどんな感じなんですか?」

【先生】
「研究によると、水銀を過剰に摂った場合、生まれた赤ちゃんが音に反応するスピードが千分の1秒遅くなるというデータがあります。これは数値上は差が出ていますが、日常生活で影響を感じるレベルではありません。発達障害や知能の低下といった深刻な影響とは別物です。」

【質問者】
「そうなんですね…。でも正直、“水銀”って聞くとやっぱり不安になります。特に“水俣病”のことが頭をよぎってしまって…。」

【先生】
「水俣病は日本の公害史の中でも特に有名で、しかも妊娠中のお母さんから“胎児性水俣病”の赤ちゃんが生まれたという事実が、強い印象として多くの人の記憶に残っていますからね。だから“水銀”という言葉を聞くと反射的に不安になる方も少なくありません。

でも、ここでぜひ皆さんに強くお伝えしたいことがあります。水俣病は遺伝病ではありません。これは非常に大切なポイントです。

水俣病とは、メチル水銀という有機水銀化合物を大量かつ長期間摂取することで起こる中毒性の神経疾患です。つまり病気の原因は遺伝子ではなく、環境からの化学物質曝露(ばくろ)です。」

【質問者】
「“曝露”って何ですか?」

【先生】
「“曝露”というのは、化学物質や放射線、病原体など、人間の体に有害なものにさらされることを指します。医学や環境衛生の分野ではよく使う言葉です。つまり、水俣病の場合は、当時の人々が高濃度のメチル水銀に“さらされ続けた”ことが原因だったわけです。」

水俣病の背景と原因
【質問者】
水俣病って昭和のころ話題になっていた時ありましたよね?
【先生】
「水俣病は1950年代の熊本県水俣市で初めて確認されました。原因は、水俣湾に面した工場が生産工程で出す廃水の中に、メチル水銀が大量に含まれていたことです。その廃水が海に流れ込み、プランクトンに取り込まれ、小魚が食べ、大きな魚や貝類に蓄積され…という流れで、海産物の中の水銀濃度が極端に高くなりました。
当時の水俣湾で獲れた魚介類は、現在の基準から見れば想像を絶するほどの水銀量を含んでいました。現代の食品基準と比較すると、桁が違うレベルです。これを日常的に食べていた人たちは、数か月から数年という比較的短期間でメチル水銀中毒を発症しました。」

胎児性水俣病について
【質問者】
胎児性水俣病はお母さんから赤ちゃんにうつってしまうのですか?
【先生】
「妊娠中のお母さんが高濃度のメチル水銀を摂取すると、その一部が胎盤を通じて胎児にも移行します。こうして、胎児期にメチル水銀に曝露され、出生時から神経障害を持って生まれた赤ちゃんがいました。それが“胎児性水俣病”と呼ばれています。
ただし、これを“遺伝した”と誤解してしまう人もいますが、そうではありません。赤ちゃんが症状を持って生まれたのは、母体が妊娠中に非常に高濃度の水銀に曝露されたからであり、遺伝子の異常ではありません。つまり、親から子へ病気が受け継がれる遺伝性疾患ではなく、“胎内での環境曝露による後天的な影響”です。」

【質問者】
「現代の日本は食品中の水銀含有量がんゆうりょうは厳しく監視しているとありましたが、今の私たちが普通の生活をしていて、遺伝も含め水俣病になることはないってことですね」
【先生】
「はい、その通りです。まず、あの時代と今では状況が全く違います。現在の日本では、食品中の水銀含有量に関して非常に厳しい基準が設定されており、それを超える食品は市場に出回ることはありません。
例えば、厚生労働省は妊婦さん向けに“特定の大型魚は週1切れ(約80g)まで”という目安を出しています。これは安全マージンをしっかり取ったうえでの数値で、仮に毎週その基準ギリギリまで食べ続けたとしても、水俣病のような影響が出るレベルには到底なりません。
当時の水俣病は、今の基準では想像できないほどの高濃度かつ長期間の曝露によって起こったものです。通常の食生活で摂取する水銀量は、その何百分の一、何千分の一という低いレベルです。
さらに言えば、日本は水俣病の経験を踏まえて、世界的にもトップクラスの食品安全管理をしています。水産物は定期的に検査され、水銀や他の有害物質(PCB、ダイオキシンなど)もモニタリングされています。違反があればすぐに出荷停止や回収が行われます。
だから、スーパーや魚屋さんで売られている魚を食べることで水俣病になることはまずありません。もちろん妊婦さんは、大型魚の摂取量にだけ注意すれば、魚の栄養のメリットを十分に享受できます。」

【質問者】
「なるほど…そう聞くとすごく安心します。水俣病って、遺伝でもないし、あの時の環境とは全く違うんですね。」
【先生】
「そうです。あの悲しい出来事は決して忘れてはいけませんが、同時に正しい知識も持ってほしい。水俣病は遺伝ではなく、非常に特殊で極端な環境汚染による中毒です。そして現代の日本では、二度と同じことが起きないような仕組みがしっかり作られています。
ですから、過剰に怖がる必要はありません。むしろ妊娠中こそ、魚の持つ栄養を上手に取り入れて、お腹の赤ちゃんとご自身の健康のために役立ててください。」