グルタル酸血症1型

Glutaric Acidemia, Type 1, GCDH

概要

グルタル酸血症1型は、リジン・ヒドロキシリジン・トリプトファンの代謝に関与する酵素であるグルタリルCoAデヒドロゲナーゼ(GCDH)の欠損により発症する先天性代謝異常症です。グルタル酸や3-ヒドロキシグルタル酸などの有機酸が体内に蓄積し、特に脳に毒性を示して神経障害を引き起こします。多くは乳児期に発症し、感染症や絶食などの代謝ストレスを契機に急性脳症を起こします。

疫学

本疾患は稀な疾患で、発生頻度は約10万人に1人と推定されています。特定の集団(アーミッシュ、オーロラ民族など)で頻度が高いことが知られています。

原因

病因

本疾患はGCDH遺伝子の変異によって発症します。GCDHはグルタリルCoAをクロトニルCoAに変換するミトコンドリア酵素で、その欠損により有機酸が蓄積します。

遺伝形式

常染色体劣性遺伝です。

遺伝子検査について

GCDH遺伝子は当院の遺伝子検査で解析可能です。

症状

乳児期

  • 巨頭症
  • 筋緊張低下
  • 発達遅滞

急性発作時

  • 意識障害
  • けいれん
  • ジストニア
  • 運動退行

診断

  1. 巨頭症や神経症状から疑います。
  2. 尿有機酸分析でグルタル酸高値を認めます。
  3. 血中アシルカルニチン分析でC5DC上昇を認めます。
  4. GCDH遺伝子変異の同定で確定診断となります。

治療

代謝管理と発作予防が重要です。

  • 低リジン食
  • カルニチン補充
  • 発熱・感染時の早期ブドウ糖投与
  • リハビリテーション

【参考文献】

  1. GeneReviews®: Glutaric Acidemia Type 1
  2. MedlinePlus Genetics: Glutaric acidemia type I
  3. OMIM: GCDH-related glutaric acidemia
  4. 難病情報センター:グルタル酸血症