肢帯型筋ジストロフィー(SGCG関連)

Limb-Girdle Muscular Dystrophy, Type 2C, SGCG

概要

肢帯型筋ジストロフィー(Limb-Girdle Muscular Dystrophy:LGMD)は、肩帯および骨盤帯の近位筋を中心に進行性筋力低下を呈する遺伝性筋疾患群の総称です。その中でもSGCG関連型(LGMD2C)は、筋細胞膜を安定化させるサルコグリカン複合体の構成因子であるγサルコグリカンの欠損によって発症します。

筋線維は運動時の機械的ストレスから保護される必要がありますが、サルコグリカン複合体が欠損すると筋細胞膜が脆弱となり、筋線維の壊死と再生が反復し、最終的に筋萎縮と線維化が進行します。発症は多くが小児期で、デュシェンヌ型筋ジストロフィーに類似した重症経過を示すことがあります。(ヒロクリニック)

疫学

LGMD全体の有病率は約10万人に1人とされ、SGCG関連型はその一部を占めます。特に北アフリカ、中東、ヨーロッパの一部地域で報告頻度が高いとされています。(PMC)

原因

本疾患はSGCG遺伝子の両アレル病的変異によって発症します。SGCG遺伝子はヒト13番染色体(13q12)に位置し、γサルコグリカンをコードします。この蛋白は筋細胞膜の構造安定に必須であり、欠損により筋線維壊死が進行します。(ヒロクリニック)

遺伝形式は常染色体劣性遺伝です。(malacards.org)

症状

  • 小児期の転びやすさ
  • 階段昇降困難
  • 走れない
  • 進行性筋力低下
  • 呼吸筋障害(進行期)
  • 心筋障害(まれ)

診断

  1. 血清CK高値
  2. 筋電図異常
  3. 筋生検でサルコグリカン欠損
  4. 遺伝子診断(SGCG解析)(PMC)

治療

  • リハビリテーション
  • 呼吸管理
  • 心機能評価
  • ステロイド(補助的)
  • 遺伝子治療研究段階

参考文献

肢帯型筋ジストロフィー — 遺伝子疾患解説ページ(ヒロクリニック)より。(ヒロクリニック)
Noguchi S et al. Mutations in the sarcoglycan complex cause limb-girdle muscular dystrophy. Science. 1995.(Science)
Limb-Girdle Muscular Dystrophy — GeneReviews, PubMed Central.(PMC)
Limb-Girdle Muscular Dystrophy — Malacards Rare Disease Database.(malacards.org)