概要
X連鎖性網膜色素変性症(X-linked Retinitis Pigmentosa:XLRP)は、網膜の桿体および錐体視細胞が進行性に変性する遺伝性網膜疾患の一型であり、視野狭窄と夜盲を主症状とします。RPGR関連型はXLRPの中で最も頻度が高く、重症度も高い型です。
RPGR蛋白は視細胞の繊毛移行帯に局在し、視細胞外節への蛋白輸送を制御しています。この機能が破綻すると視細胞の構造維持ができず、徐々に視細胞が脱落していきます。多くは小児期から夜盲で発症し、思春期〜成人期に視野が著明に狭窄し、最終的に失明に至ることがあります。(ヒロクリニック)
疫学
網膜色素変性症全体の有病率は約4000人に1人とされ、そのうちX連鎖型は約10〜15%を占めます。男性に多く発症し、女性は軽症または無症状の保因者となることが多いです。(PMC)
原因
本疾患はRPGR遺伝子の病的変異によって発症します。RPGR遺伝子はヒトX染色体(Xp21.1)に位置し、視細胞繊毛輸送蛋白をコードします。ORF15領域に変異が集中していることが特徴です。(ヒロクリニック)
遺伝形式はX連鎖劣性遺伝です。(malacards.org)
症状
初期
- 夜盲
- 暗順応遅延
進行期
- 視野狭窄(トンネル視)
- 視力低下
- 羞明
診断
- 臨床症状(夜盲+視野狭窄)
- 眼底で骨小体様色素沈着
- ERGで反応低下
- 遺伝子診断(RPGR解析)(PMC)
治療
- 低視力支援
- 視覚補助具
- 遺伝子治療(臨床試験段階)
- 定期フォロー
参考文献
X連鎖性網膜色素変性症 — 遺伝子疾患解説ページ(ヒロクリニック)より。(ヒロクリニック)
Vervoort R et al. Mutations in the RPGR gene cause X-linked retinitis pigmentosa. Nat Genet. 2000.(Nature)
Retinitis Pigmentosa — GeneReviews, PubMed Central.(PMC)
X-linked Retinitis Pigmentosa — Malacards Rare Disease Database.(malacards.org)
