シャルルボワ・サグネの常染色体劣性痙性運動失調症

Autosomal Recessive Spastic Ataxia of Charlevoix-Saguenay, SACS

概要

シャルルボワ・サグネの常染色体劣性痙性運動失調症(ARSACS)は、小児期に発症する進行性の神経変性疾患で、主に痙性麻痺、小脳性運動失調、末梢神経障害を特徴とします。疾患名はカナダ・ケベック州のシャルルボワ地方およびサグネ地方に多く見られることに由来していますが、現在では世界中で報告されています。

SACS遺伝子はサキシン(sacsin)という巨大タンパク質をコードし、ミトコンドリア機能、細胞骨格制御、タンパク品質管理に関与します。このタンパクの欠損により神経細胞内で異常タンパクが蓄積し、軸索変性および小脳変性が進行します。(PMC)

疫学

ARSACSはカナダ・ケベック州で高頻度(約1/1,500)に認められますが、その他の地域では非常に稀で、世界的有病率は100万人に1人未満と推定されています。(Orphanet)

原因

本疾患はSACS遺伝子の両アレル病的変異により発症します。SACS遺伝子はヒト13番染色体(13q12)に位置し、サキシンタンパク質をコードします。(ヒロクリニック)

遺伝形式は常染色体劣性遺伝です。

症状

運動系

  • 幼児期発症の歩行障害
  • 下肢痙性
  • 運動失調

神経

  • 末梢神経障害
  • 筋萎縮
  • 感覚障害

  • 網膜神経線維層肥厚

診断

  1. 臨床症状(痙性+運動失調)
  2. MRIで小脳萎縮
  3. 神経伝導検査異常
  4. 遺伝子診断(SACS解析)(PMC)

治療

  • 痙性管理(筋弛緩薬)
  • リハビリテーション
  • 装具使用
  • 遺伝カウンセリング

参考文献

ARSACS — GeneReviews, PubMed Central.(PMC)
Engert JC et al. ARSACS is caused by mutations in SACS. Nat Genet. 2000.(Nature Genetics)
ARSACS — Orphanet Rare Disease Database.(Orphanet)
SACS — Malacards Gene/Disease Database.(malacards.org)