概要
ガラクトキナーゼ欠損症は、ガラクトース代謝に関与する酵素であるガラクトキナーゼ(GALK)の欠損により発症する先天性代謝異常症で、ガラクトース血症II型とも呼ばれます。ガラクトースがガラクトース-1-リン酸へ変換されず、体内にガラクトースおよびガラクチトールが蓄積し、特に水晶体に沈着することで白内障を引き起こします。他のガラクトース血症と比べ、肝障害や神経障害が軽度または認められないことが多いのが特徴です。
疫学
本疾患は非常に稀であり、正確な有病率は不明ですが、世界的に散発的な報告にとどまっています。一部地域(ロマ民族集団など)で頻度が高いことが知られています。
原因
病因
本疾患はGALK1遺伝子の変異により、ガラクトキナーゼ活性が低下または欠損することで発症します。この酵素はガラクトースを代謝経路に取り込む最初の段階を担っており、その障害によりガラクトースが代謝されずに蓄積します。
遺伝形式
常染色体劣性遺伝です。
遺伝子検査について
GALK1遺伝子は当院の遺伝子検査で解析可能です。
症状
主な症状
- 乳児期または幼児期からの白内障
- 斜視
- 視力低下
その他
- 多くの場合、肝障害や精神発達遅滞は認めません。
診断
- 乳児期の白内障から疑います。
- 血中・尿中ガラクトース高値を認めます。
- 酵素活性測定でガラクトキナーゼ活性低下を確認します。
- GALK1遺伝子変異の同定により確定診断となります。
治療
食事療法が基本です。
- 乳糖・ガラクトース制限食
- 定期的な眼科フォロー
- 必要に応じ白内障手術
【参考文献】
- GeneReviews®: Galactokinase Deficiency
- MedlinePlus Genetics: Galactosemia
- OMIM: GALK1-related galactosemia
- 難病情報センター:ガラクトース血症
