概要
ジュベール症候群関連疾患(Joubert syndrome and related disorders:JSRD)は、小脳虫部形成不全を中心とする中枢神経奇形と、多臓器障害を特徴とする繊毛病(ciliopathy)の一群です。MKS1関連型は、同じく繊毛構造の形成に関与するMKS1蛋白の欠損によって生じ、重症型ではMeckel-Gruber症候群1型として表現されます。
MKS1蛋白は一次繊毛基部の移行帯に局在し、細胞外シグナルの受容と伝達に必須です。この構造が破綻すると、脳、腎、肝、四肢など多臓器の形成異常が生じます。出生前から致死的な重症例から、比較的軽症の神経発達障害型まで広い臨床スペクトラムを持ちます。(ヒロクリニック)
疫学
ジュベール症候群全体の有病率は約8万〜10万人に1人とされます。MKS1関連型はその中の一部を占め、特にフィンランドなど特定地域での集積が知られています。(PMC)
原因
本疾患はMKS1遺伝子の両アレル病的変異によって発症します。MKS1遺伝子はヒト17番染色体(17q23)に位置し、繊毛移行帯蛋白をコードします。この蛋白は一次繊毛の構造安定とシグナル伝達に不可欠であり、その欠損により多臓器奇形が生じます。(ヒロクリニック)
遺伝形式は常染色体劣性遺伝です。(malacards.org)
症状
神経系
- 小脳虫部形成不全
- 呼吸調節障害
- 筋緊張低下
- 発達遅滞
腎
- 嚢胞腎
- 腎不全
肝
- 肝線維症
- 門脈圧亢進
その他
- 多指症
- 口唇裂
診断
- 脳MRIでモラーローテサイン
- 腎・肝エコーで嚢胞・線維化
- 遺伝子診断(MKS1解析)(PMC)
治療
- 対症療法中心
- 呼吸管理
- リハビリ
- 腎・肝合併症管理
参考文献
ジュベール症候群 — 遺伝子疾患解説ページ(ヒロクリニック)より。(ヒロクリニック)
Kyttälä M et al. MKS1 gene mutations in Meckel syndrome. Nat Genet. 2006.(Nature)
Joubert Syndrome — GeneReviews, PubMed Central.(PMC)
Meckel-Gruber Syndrome — Malacards Rare Disease Database.(malacards.org)
