概要
異染性白質ジストロフィー(Metachromatic Leukodystrophy:MLD)は、リソソーム酵素であるアリールスルファターゼA(ARSA)の欠損により生じる進行性脱髄性疾患です。ARSA活性低下によりスルファチドが分解されず、中枢および末梢神経系に蓄積し、オリゴデンドロサイトおよびシュワン細胞に毒性を示してミエリンが破壊されます。
本疾患は乳児期発症型、小児期発症型、成人期発症型に分類され、いずれも進行性であり、運動機能・認知機能が徐々に低下します。早期診断により造血幹細胞移植や遺伝子治療の適応が検討可能となります。(ヒロクリニック)
疫学
MLDの有病率は約4万〜10万人に1人と推定されています。欧州や中東で比較的頻度が高いと報告されています。(PMC)
原因
本疾患はARSA遺伝子の両アレル病的変異によって発症します。ARSA遺伝子はヒト22番染色体(22q13)に位置し、アリールスルファターゼAをコードします。スルファチドの分解ができず神経系に蓄積します。(ヒロクリニック)
遺伝形式は常染色体劣性遺伝です。(malacards.org)
症状
乳児期型
- 筋緊張低下
- 発達退行
- 歩行消失
- 嚥下障害
小児型
- 学習障害
- 行動変化
- 運動失調
成人型
- 精神症状
- 認知症様症状
診断
- MRIで白質異常
- ARSA活性低下
- 尿中スルファチド増加
- 遺伝子診断(ARSA解析)(PMC)
治療
- 造血幹細胞移植(早期)
- 遺伝子治療(研究段階)
- 対症療法
- リハビリ
参考文献
異染性白質ジストロフィー — 遺伝子疾患解説ページ(ヒロクリニック)より。(ヒロクリニック)
Gieselmann V et al. Metachromatic leukodystrophy. Brain Pathol. 2001.(Nature)
Metachromatic Leukodystrophy — GeneReviews, PubMed Central.(PMC)
Metachromatic Leukodystrophy — Malacards Rare Disease Database.(malacards.org)
