概要
CLN5疾患は、神経セロイドリポフスチン症(Neuronal Ceroid Lipofuscinosis:NCL)と総称される進行性神経変性疾患群の一型であり、主に小児期に発症し、進行性の認知機能低下、運動機能障害、視力障害、てんかんを特徴とします。NCLはリソソーム機能異常により神経細胞内にセロイド・リポフスチン様物質が蓄積する疾患群で、CLN5はその中でも比較的稀な原因遺伝子の一つです。
CLN5タンパクはリソソーム内腔タンパク質で、リソソーム機能の維持および神経細胞の恒常性に重要な役割を果たしています。この機能が失われることで神経細胞内に異常物質が蓄積し、神経変性が進行します。(PMC)
疫学
NCL全体の有病率は出生1万〜2万人に1人とされます。CLN5関連型はその中でも非常に稀で、特定の地域(フィンランドなど)に集積が知られています。(Orphanet)
原因
本疾患はCLN5遺伝子の両アレル病的変異により発症します。CLN5遺伝子はヒト13番染色体(13q22)に位置し、リソソーム内タンパク質をコードします。この機能欠損によりリソソーム分解能が低下します。(ヒロクリニック)
遺伝形式は常染色体劣性遺伝です。
症状
初期(幼児期〜学童期)
- 学習能力低下
- 注意障害
- 視力低下
進行期
- てんかん
- 運動失調
- 嚥下障害
- 寝たきり状態
診断
- 臨床経過(進行性神経変性)
- 眼底検査(網膜変性)
- MRIで脳萎縮
- 遺伝子診断(CLN5解析)(PMC)
治療
- てんかん管理
- リハビリ
- 嚥下・栄養管理
- 緩和ケア
根治療法は確立していませんが、遺伝子治療研究が進行中です。(Nature)
参考文献
CLN5 disease — GeneReviews, PubMed Central.(PMC)
CLN5 disease — Orphanet Rare Disease Database.(Orphanet)
Siintola E et al. Mutations in CLN5 cause Finnish variant late infantile NCL. Hum Mol Genet. 2000.(HMG)
CLN5 — Malacards Rare Disease Database.(malacards.org)
