概要
神経セロイドリポフスチン症(NCL)は、ライソゾームに関連する細胞内代謝異常により、神経細胞内にセロイドリポフスチンと呼ばれる脂質・蛋白複合体が蓄積することで起こる進行性の神経変性疾患群です。
CLN6関連NCLはその中の一型で、主に小児期に発症し、視力障害、てんかん、運動・認知機能の低下が進行性にみられます。
疫学
神経セロイドリポフスチン症全体の発生頻度は約1万〜10万人に1人と推定されており、その中でCLN6型は比較的まれなサブタイプです。地域や民族によって特定の型が多いことがありますが、CLN6型は世界各地から報告されています。
原因
病因
本疾患はCLN6遺伝子の変異により発症します。CLN6遺伝子は小胞体膜に局在するCLN6蛋白をコードし、ライソゾーム蛋白の輸送や品質管理に関与していると考えられています。この機構が障害されることで異常蛋白の分解がうまくいかず、神経細胞内に蓄積物がたまり、神経細胞死が進行します。
遺伝形式
常染色体劣性遺伝です。
遺伝子検査について
CLN6遺伝子は当院の遺伝子検査で解析可能です。
症状
発症年齢や進行速度には個人差がありますが、典型的には以下の経過をたどります。
初期症状
- 発達の停滞または退行
- 視力低下(視神経萎縮・網膜変性)
- てんかん発作
進行期症状
- 認知機能低下・認知症様症状
- 運動失調、歩行障害
- 構音障害、嚥下障害
- 筋緊張異常
診断
- 視力低下、てんかん、発達退行などから本疾患を疑います。
- 眼科検査で網膜変性を認めることがあります。
- MRIで脳萎縮などの所見がみられます。
- 電顕や生検で特徴的な蓄積物を確認することがあります。
- CLN6遺伝子の両アレル変異の同定により確定診断となります。
治療
現時点で根本治療は確立しておらず、対症療法と支持療法が中心となります。
- てんかん発作に対する抗てんかん薬
- 理学療法・作業療法・言語療法
- 栄養管理、嚥下リハビリ
- 心理社会的支援、家族支援
【参考文献】
- GeneReviews®: Neuronal Ceroid Lipofuscinosis
- MedlinePlus Genetics: Neuronal ceroid lipofuscinosis
- OMIM: CLN6-related neuronal ceroid lipofuscinosis
- 難病情報センター:神経セロイドリポフスチン症
