概要
神経セロイドリポフスチン症(Neuronal Ceroid Lipofuscinosis:NCL)は、小児期を中心に発症する進行性神経変性疾患群で、知的退行、てんかん、運動機能障害、視力低下を主徴とします。本疾患群はリソソーム機能異常により神経細胞内にセロイド・リポフスチン様物質が蓄積することが病態の本質です。PPT1関連型は古典的乳児型NCL(Infantile NCL, CLN1)として知られ、新生児期から乳児期に発症し、最も重篤な経過をとる型の一つです。
PPT1遺伝子はパルミトイルプロテインチオエステラーゼ1をコードし、脂肪酸修飾タンパクの分解に必須です。その欠損によりリソソーム内分解が障害され、神経細胞に毒性物質が蓄積します。(PMC)
疫学
NCL全体の有病率は出生1万〜2万人に1人と推定されます。PPT1関連型はその中でも比較的頻度の高い重症型です。(Orphanet)
原因
本疾患はPPT1遺伝子の両アレル病的変異により発症します。PPT1遺伝子はヒト1番染色体(1p34)に位置し、リソソーム酵素をコードします。(ヒロクリニック)
遺伝形式は常染色体劣性遺伝です。
症状
初期(生後6〜18か月)
- 発達退行
- 筋緊張低下
- 視力低下
進行期
- 難治性てんかん
- 失明
- 嚥下障害
- 寝たきり
診断
- 臨床経過(発達退行)
- 眼底検査(網膜変性)
- MRIで脳萎縮
- 遺伝子診断(PPT1解析)(PMC)
治療
- てんかん管理
- 栄養管理
- 呼吸管理
- 緩和ケア
酵素補充療法・遺伝子治療が研究段階です。(Nature)
参考文献
PPT1-related NCL — GeneReviews, PubMed Central.(PMC)
Neuronal Ceroid Lipofuscinosis — Orphanet Rare Disease Database.(Orphanet)
Vesa J et al. Mutations in the PPT gene cause infantile NCL. Nature. 1995.(Nature)
PPT1 — Malacards Rare Disease Database.(malacards.org)
