ニーマン・ピック病 C1/D型(NPC1関連)

Niemann-Pick Disease, Type C1/D, NPC1

概要

ニーマン・ピック病C型は、コレステロールおよびスフィンゴ脂質の細胞内輸送異常によって生じる希少なリソソーム病です。NPC1関連型はその大部分を占め、リソソームや後期エンドソームからの脂質輸送が障害されることで神経細胞や肝脾に脂質が蓄積します。これにより、進行性の神経変性、肝脾腫、精神神経症状など多彩な症状を呈します。

発症年齢は新生児期から成人期まで幅広く、乳児期発症例では肝障害が前景に立ち、学童期〜成人期発症例では運動失調、認知機能低下、精神症状が目立ちます。進行性であるため早期診断が重要です。(ヒロクリニック)

疫学

ニーマン・ピック病C型の有病率は約12万出生に1人と推定されており、世界中に散発的に報告されています。特定地域での集積は少ないものの、フランス、スペイン、ドイツなどで比較的多く報告されています。(PMC)

原因

本疾患はNPC1遺伝子の両アレル病的変異によって発症します。NPC1遺伝子はヒト18番染色体(18q11)に位置し、リソソーム膜に存在するコレステロール輸送蛋白をコードします。この蛋白の欠損により、細胞内に取り込まれたコレステロールがリソソームから排出されず、神経細胞を中心に蓄積します。(ヒロクリニック)

遺伝形式は常染色体劣性遺伝です。(malacards.org)

症状

乳児期発症

  • 肝脾腫
  • 黄疸
  • 筋緊張低下

小児〜成人期発症

  • 運動失調
  • 垂直性眼球運動障害
  • 認知機能低下
  • 精神症状(うつ、幻覚)
  • 嚥下障害

診断

  1. 臨床所見(垂直性眼球運動障害+運動失調)
  2. フィリピン染色試験でコレステロール蓄積確認
  3. オキシステロール測定
  4. 遺伝子診断(NPC1解析)(PMC)

治療

  • ミグルスタットによる進行抑制
  • 対症療法(リハビリ、嚥下訓練)
  • 肝機能・精神症状管理

参考文献

ニーマン・ピック病C型 — 遺伝子疾患解説ページ(ヒロクリニック)より。(ヒロクリニック)
Carstea ED et al. Niemann-Pick disease type C1 is caused by mutations in NPC1. Science. 1997.(Science)
Niemann-Pick Disease Type C — GeneReviews, PubMed Central.(PMC)
Niemann-Pick Disease Type C — Malacards Rare Disease Database.(malacards.org)