オドント・オニーコ・皮膚異形成症・”オドント・オニーコ・皮膚異形成症、ショプフ・シュルツ・パサージ症候群

Odonto-Onycho-Dermal Dysplasia / Schopf-Schulz-Passarge Syndrome, WNT10A

概要

オドント・オニーコ・皮膚異形成症(Odonto-onycho-dermal dysplasia:OODD)およびショプフ・シュルツ・パサージ症候群(Schopf-Schulz-Passarge Syndrome:SSPS)は、歯、爪、皮膚、毛髪、汗腺などの外胚葉由来組織の形成異常を特徴とする遺伝性外胚葉異形成症の一群です。これらは同一遺伝子であるWNT10Aの変異によって引き起こされ、臨床的に重なり合う連続スペクトラムとして理解されています。

WNT10AはWntシグナル伝達経路に属するリガンドタンパク質で、歯胚形成、毛包形成、汗腺発達、皮膚角化制御などに重要な役割を果たします。この経路が障害されることで、歯の欠損(無歯症・乏歯症)、爪の異形成、皮膚の角化異常、毛髪の低形成、発汗障害などが生じます。(PMC)

疫学

正確な有病率は不明ですが、WNT10A変異は外胚葉異形成症の原因として比較的頻度が高く、乏歯症患者の約20〜30%でWNT10A変異が報告されています。OODDおよびSSPSは極めて稀な表現型です。(Orphanet)

原因

本疾患はWNT10A遺伝子の両アレル病的変異または一部優性作用型変異によって発症します。WNT10A遺伝子はヒト2番染色体(2q35)に位置し、外胚葉組織の分化・発達を制御します。(ヒロクリニック)

遺伝形式は常染色体劣性が基本ですが、軽症例では優性遺伝様の表現型も報告されています。

症状

  • 乏歯症、無歯症
  • 円錐歯

  • 爪甲低形成
  • 脆弱爪

皮膚

  • 掌蹠角化症
  • 乾燥皮膚
  • 皮脂腺嚢腫(SSPSで特徴的)

毛髪

  • 疎毛
  • 脱毛傾向

汗腺

  • 低汗症または無汗症

診断

  1. 臨床所見(歯・爪・皮膚異常)
  2. 歯科レントゲン
  3. 遺伝子診断(WNT10A解析)(PMC)

治療

  • 歯科補綴治療
  • 皮膚科的角化管理
  • 発汗障害への環境調整
  • 遺伝カウンセリング

参考文献

Odonto-onycho-dermal dysplasia — Orphanet Rare Disease Database.(Orphanet)
Bohring A et al. WNT10A mutations cause ectodermal dysplasia. Am J Hum Genet. 2009.(AJHG)
Schopf-Schulz-Passarge syndrome — GeneReviews, PubMed Central.(PMC)
WNT10A — Malacards Gene/Disease Database.(malacards.org)