オルニチンアミノトランスフェラーゼ欠乏症(OAT関連)

Ornithine Aminotransferase Deficiency, OAT

概要

オルニチンアミノトランスフェラーゼ欠乏症は、ミトコンドリア酵素であるオルニチンアミノトランスフェラーゼ(OAT)の欠損により発症する先天性代謝異常症です。本疾患は臨床的には「ギルシン型脈絡網膜萎縮症(gyrate atrophy)」として知られ、網膜・脈絡膜の進行性変性と高オルニチン血症を特徴とします。

OATはオルニチンをピロリン酸グルタミン酸に変換する反応を触媒し、アルギニン代謝およびプロリン合成に関与しています。その欠損によりオルニチンが血中に蓄積し、網膜色素上皮および脈絡膜の変性が進行します。多くは小児期から夜盲を初発症状として発症し、進行すると視野狭窄、視力低下、失明に至ります。(ヒロクリニック)

疫学

本疾患は極めて稀で、世界的な有病率は100万人に1人未満と推定されています。フィンランドや日本で比較的報告例が多いとされています。(PMC)

原因

本疾患はOAT遺伝子の両アレル病的変異によって発症します。OAT遺伝子はヒト10番染色体(10q26)に位置し、ミトコンドリア内酵素をコードします。この酵素の欠損により高オルニチン血症が生じ、網膜細胞毒性を引き起こします。(ヒロクリニック)

遺伝形式は常染色体劣性遺伝です。(malacards.org)

症状

眼症状

  • 夜盲
  • 視野狭窄
  • 進行性視力低下
  • 黄斑変性

全身症状

  • 筋力低下
  • 成長遅延(まれ)

診断

  1. 高オルニチン血症
  2. 眼底検査で輪状の脈絡網膜萎縮
  3. ERG異常
  4. 遺伝子診断(OAT解析)(PMC)

治療

  • 低アルギニン食
  • ビタミンB6補充(反応例あり)
  • 低タンパク食
  • 定期眼科フォロー

参考文献

オルニチンアミノトランスフェラーゼ欠乏症 — 遺伝子疾患解説ページ(ヒロクリニック)より。(ヒロクリニック)
Valle D et al. Gyrate atrophy of the choroid and retina: OAT deficiency. J Clin Invest. 1981.(Nature)
Ornithine Aminotransferase Deficiency — GeneReviews, PubMed Central.(PMC)
Ornithine Aminotransferase Deficiency — Malacards Rare Disease Database.(malacards.org)