概要
フェニルケトン尿症(Phenylketonuria:PKU)は、必須アミノ酸であるフェニルアラニンをチロシンに変換する酵素フェニルアラニン水酸化酵素(PAH)の欠損または機能低下によって生じる代表的な先天性代謝異常症です。PAH活性が低下するとフェニルアラニンが体内に蓄積し、中枢神経に毒性を示すことで重度の知的障害やてんかん、行動異常などを引き起こします。
本疾患は新生児マススクリーニングの代表疾患であり、出生直後に発見して食事療法を開始すれば正常な発達が期待できる可治性疾患です。(ヒロクリニック)
疫学
PKUの発生頻度は民族差が大きく、欧米では約1万人出生に1人、日本では約12〜15万人出生に1人とされています。(PMC)
原因
本疾患はPAH遺伝子の両アレル病的変異によって発症します。PAH遺伝子はヒト12番染色体(12q23.2)に位置し、フェニルアラニン代謝に必須の酵素をコードします。酵素欠損によりフェニルアラニンが分解できず、高フェニルアラニン血症を来します。(ヒロクリニック)
遺伝形式は常染色体劣性遺伝です。(malacards.org)
症状
未治療の場合
- 発達遅滞
- てんかん
- 行動障害
- 低色素(皮膚・毛髪が薄い)
- 湿疹
治療開始後
ほぼ無症状
診断
- 新生児マススクリーニングで高フェニルアラニン血症
- 血中アミノ酸分析
- 遺伝子診断(PAH解析)(PMC)
治療
- 低フェニルアラニン食
- 特殊ミルク・食品
- BH4(サプロプテリン)療法(反応例)
- 定期モニタリング
参考文献
フェニルケトン尿症 — 遺伝子疾患解説ページ(ヒロクリニック)より。(ヒロクリニック)
Scriver CR et al. The hyperphenylalaninemias. N Engl J Med. 1995.(NEJM)
Phenylketonuria — GeneReviews, PubMed Central.(PMC)
Phenylketonuria — Malacards Rare Disease Database.(malacards.org)
