概要
肢根型点状軟骨異形成症(RCDP)は、ペルオキシソーム機能障害によって引き起こされる先天性骨格異形成症候群です。III型はAGPS遺伝子変異によるタイプで、ペルオキシソームで行われるエーテルリン脂質(プラスマローゲン)合成障害を背景に発症します。出生時から四肢近位部の短縮(肢根短縮)、点状石灰化、成長障害、白内障、関節拘縮などを特徴とし、神経発達障害を伴います。I型よりやや軽症とされますが、依然として重篤な疾患です。
疫学
RCDP全体の発生頻度は約10万出生に1人未満とされ、III型はその中でもさらに稀です。世界的に報告例は限られています。
原因
病因
本疾患はAGPS遺伝子の変異によって発症します。AGPSはペルオキシソーム内でエーテルリン脂質合成を担うアルキルグリセロールリン酸合成酵素をコードしており、この機能が障害されると細胞膜構成や神経機能に必要なプラスマローゲンが欠乏します。
遺伝形式
常染色体劣性遺伝です。
遺伝子検査について
AGPS遺伝子は当院の遺伝子検査で解析可能です。
症状
骨格系
- 肢根短縮(上腕・大腿の短縮)
- 点状石灰化(X線で確認)
- 関節拘縮
- 側弯・股関節脱臼
その他
- 先天性白内障
- 成長障害
- 知的障害・発達遅滞
- 呼吸障害
- 反復感染
診断
- 出生時の骨格異常と白内障から疑います。
- X線で点状石灰化を確認します。
- 血中プラスマローゲン低値が参考所見となります。
- AGPS遺伝子の両アレル変異の同定により確定診断となります。
治療
根本治療はなく、対症療法と支持療法が中心です。
- 呼吸管理
- 栄養管理
- 白内障手術
- 整形外科的管理
- リハビリテーション
- 感染予防
【参考文献】
- GeneReviews®: Rhizomelic Chondrodysplasia Punctata
- MedlinePlus Genetics: Rhizomelic chondrodysplasia punctata
- OMIM: AGPS-related rhizomelic chondrodysplasia punctata
- 難病情報センター:点状軟骨異形成症
