ロバーツ症候群(ESCO2関連)

Roberts Syndrome, ESCO2

概要

ロバーツ症候群は、染色体分離と姉妹染色分体結合の維持に関与するESCO2遺伝子の異常により生じる重篤な先天奇形症候群です。ESCO2はコヒーシン複合体の機能維持に必須であり、細胞分裂時の染色体の正確な分配を担います。その障害により細胞増殖が抑制され、四肢形成不全、顔面奇形、成長障害、中枢神経異常などが生じます。

重症例では胎内致死や新生児期死亡に至ることがあり、軽症例ではCornelia de Lange症候群様表現型を呈することもあります。(ヒロクリニック)

疫学

ロバーツ症候群は極めて稀で、世界的に100例未満と報告されています。近親婚家系での発症が多い傾向があります。(PMC)

原因

本疾患はESCO2遺伝子の両アレル病的変異によって発症します。ESCO2遺伝子はヒト8番染色体(8p21)に位置し、アセチルトランスフェラーゼ活性を有する蛋白をコードします。これにより染色体分離異常が起こります。(ヒロクリニック)

遺伝形式は常染色体劣性遺伝です。(malacards.org)

症状

  • 四肢欠損・短縮
  • 口唇裂・口蓋裂
  • 小頭症
  • 心奇形
  • 成長障害

診断

  1. 出生前超音波で四肢奇形
  2. 染色体検査で特異的分離異常
  3. 遺伝子診断(ESCO2解析)(PMC)

治療

  • 対症療法中心
  • 外科的修復(口唇裂など)
  • 発達支援
  • 遺伝カウンセリング

参考文献

ロバーツ症候群 — 遺伝子疾患解説ページ(ヒロクリニック)より。(ヒロクリニック)
Vega H et al. Roberts syndrome is caused by mutations in ESCO2. Nat Genet. 2005.(Nature)
Roberts Syndrome — GeneReviews, PubMed Central.(PMC)
Roberts Syndrome — Malacards Rare Disease Database.(malacards.org)