スミス・レムリ・オピッツ症候群(DHCR7関連)

Smith-Lemli-Opitz Syndrome, DHCR7

概要

スミス・レムリ・オピッツ症候群(Smith-Lemli-Opitz Syndrome:SLOS)は、コレステロール合成経路の最終段階に関与する酵素7-デヒドロコレステロール還元酵素(DHCR7)の欠損によって生じる先天性代謝異常症です。DHCR7活性低下によりコレステロールが十分に合成されず、その前駆体である7-デヒドロコレステロール(7-DHC)が体内に蓄積します。コレステロールは細胞膜の構成成分であるだけでなく、ホルモン合成、神経発達、シグナル伝達に重要であり、その欠乏は多臓器の形成異常と神経発達障害を引き起こします。

SLOSは先天奇形症候群と代謝疾患の両側面を持ち、軽症例から致死的重症例まで幅広い表現型を示します。(ヒロクリニック)

疫学

SLOSの有病率は約2万〜6万人に1人と推定され、欧米で比較的頻度が高いとされています。日本では稀な疾患です。(PMC)

原因

本疾患はDHCR7遺伝子の両アレル病的変異によって発症します。DHCR7遺伝子はヒト11番染色体(11q13)に位置し、7-DHCをコレステロールへ還元する酵素をコードします。これが欠損するとコレステロール不足が生じます。(ヒロクリニック)

遺伝形式は常染色体劣性遺伝です。(malacards.org)

症状

中枢神経系

顔貌・外表奇形

  • 小頭症
  • 眼間開離
  • 口蓋裂

四肢

  • 合指症(特に第2・3趾)

内臓

  • 心奇形
  • 腎奇形

診断

  1. 血中7-DHC高値
  2. 血中コレステロール低値
  3. 遺伝子診断(DHCR7解析)(PMC)

治療

  • コレステロール補充
  • 食事療法
  • 発達支援
  • 奇形に対する外科治療

参考文献

スミス・レムリ・オピッツ症候群 — 遺伝子疾患解説ページ(ヒロクリニック)より。(ヒロクリニック)
Tint GS et al. Defective cholesterol biosynthesis associated with SLOS. N Engl J Med. 1994.(NEJM)
Smith-Lemli-Opitz Syndrome — GeneReviews, PubMed Central.(PMC)
Smith-Lemli-Opitz Syndrome — Malacards Rare Disease Database.(malacards.org)