ゼルウィガー・スペクトラム障害、(PEX6関連)、PEX6

Zellweger Spectrum Disorders, (PEX6-related), PEX6

概要

ゼルウィガー・スペクトラム障害(Zellweger Spectrum Disorders:ZSD)は、ペルオキシソームの形成および機能異常により生じる先天性代謝疾患群です。PEX遺伝子群(PEX1、PEX6、PEX12など)の異常によって、ペルオキシソーム内への酵素輸送が障害され、脂肪酸代謝や過酸化水素処理、プラスマローゲン合成などが正常に行われなくなります。その結果、超長鎖脂肪酸(VLCFA)の蓄積、胆汁酸代謝異常、ミエリン形成障害などが生じ、多臓器に障害を来します。

PEX6関連型は、ZSDの中でも比較的頻度の高い原因遺伝子の一つであり、新生児期発症の重症型から小児期・成人期発症の軽症型まで幅広い表現型を示します。(PMC)

疫学

ZSD全体の有病率は出生5万〜10万人に1人と推定されます。PEX6はPEX1に次いで多い原因遺伝子とされています。(Orphanet)

原因

本疾患はPEX6遺伝子の両アレル病的変異により発症します。PEX6はヒト6番染色体(6p21)に位置し、ペルオキシソーム膜へのタンパク輸送に関与するAAA-ATPaseファミリーの一員をコードします。これによりペルオキシソーム形成が阻害され、代謝障害が生じます。(ヒロクリニック)

遺伝形式は常染色体劣性遺伝です。

症状

神経系

  • 筋緊張低下
  • けいれん
  • 発達遅滞
  • 聴覚・視覚障害

肝胆道

  • 肝腫大
  • 胆汁うっ滞

骨格

  • 頭蓋顔面異常
  • 関節拘縮

感覚器

  • 網膜変性
  • 難聴

診断

  1. 血中VLCFA高値
  2. 血中フィタン酸上昇
  3. MRIで白質形成異常
  4. 遺伝子診断(PEX6解析)(PMC)

治療

  • 対症療法中心
  • 栄養管理
  • 発達支援
  • てんかん管理
  • 聴覚・視覚支援

根治療法は確立していません。

参考文献

Zellweger Spectrum Disorders — GeneReviews, PubMed Central.(PMC)
Braverman NE et al. Zellweger spectrum disorders. Nat Rev Dis Primers. 2016.(Nature Reviews)
Zellweger Spectrum Disorders — Orphanet Rare Disease Database.(Orphanet)
ZSD — Malacards Rare Disease Database.(malacards.org)