高齢出産の真実と準備すべきこと〜卵子の質・数・NIPTから考える選択肢【YouTube動画解説】

①卵子の数と質の関係

※お話しいただきたいこと

・AMHは「在庫数の目安」

・数が減る=質が悪くなっているわけではないが、残っている卵子の平均的な質も年齢とともに低下しやすい

・年齢による染色体分裂異常(不分離)の頻度上昇

1. 卵子の「数」:出生時がピーク → 減少する一方

時期卵子の数(目安)
胎児期(20週)約 600万個(ピーク)
出生時約 100〜200万個
思春期(初潮時)約 30〜50万個
35歳約 2〜3万個
閉経前数百〜数千個

  • 毎月の排卵で1個使われるだけでなく、多くの卵胞が自然に消滅(閉鎖)するため、年齢とともに急激に減少します。
  • 減少は加齢とともに加速します(特に30代後半〜40代)。

■ 卵子の「数と質」は両方とも35歳を境に悪化

  • 卵子の → 30代後半から急減
  • 卵子の → 35歳以降、染色体異常率が急増
  • その結果、妊娠率は下がり、流産率は上がる

■ 補足:AMH検査と卵子の数の推定

  • AMH(抗ミュラー管ホルモン)値は、卵巣内にどれくらい卵胞が残っているかの目安
  • 数の目安にはなるが、「質」はわからない

卵子の数とAMHの関係:なぜ相関する?

  1. 女性は生まれたときに卵子をすべて持っており、それが加齢とともに減っていく。
  2. 成長中の卵胞(前胞状卵胞など)が一部活性化され、月経周期に入る。
  3. この成長中の卵胞からAMHが分泌されるため、数が多ければAMHも高い。
  4. 卵胞の数が減れば、AMHも低下する

➡️ AMH値は「今、卵巣で動いている卵子のスタンバイ数(予備軍)」を映す指標です。

染色体異常リスクの具体的上昇

卵子の「質」:主に染色体異常のリスク増加

  • 年齢が上がると、卵子の染色体分配が不安定になり、**異数性(トリソミーなど)**のリスクが増加します。
  • これが**着床障害や流産、先天異常(例:ダウン症)**の原因になります。

🔻 代表的なリスク:卵子の染色体異常率(年齢別)

年齢染色体異常卵の割合(目安)
25歳約 20〜25%
35歳約 40%
40歳約 60%以上
43歳以上80〜90%近くになることも

出生前診断の役割

・NIPTは非確定検査だが高精度
・卵子の数が減ってきた=妊娠成立後の確認としてNIPTの活用価値が高まる
・精神的にも「安心材料」になる

④卵子が減ってもできる準備

・正しい情報を知ることが妊活の第一歩
・AMH・年齢・NIPTをうまく組み合わせて今の自分の状態を把握