「高望みする女」と「攻撃的な男」。SNS男女論争の正体は、1万年前の脳のバグだった?【YouTube解説】

こんにちは。未来のあなたと赤ちゃんを笑顔にする、おかひろしです。

NIPT(新型出生前診断)を中心に、医学的根拠に基づいた情報を、感情論ではなく「データ」を元に分かりやすくお届けするコラムへようこそ。

最近、X(旧Twitter)などのSNSで、男女間の激しい言い争いを目にして、心がざわついたことはありませんか?

「年収〇〇万以下の男は淘汰されるべき」という女性の辛辣な意見。

それに対して「産ませるかどうかを決めるのは男だ」と怒りをぶつける男性のレス。

見ているだけで疲れてしまうような言葉の応酬ですが、実はこれ、単に「性格が悪い人たちの喧嘩」として片付けることはできません。

医学的・生物学的な視点で見ると、彼らはそれぞれの性別に刻まれた**「1万年前の生存本能」**に忠実な行動をとっているに過ぎないのです。

今日は、現代の男女を悩ませる「高望み」と「攻撃性」の正体を、進化生物学の観点から冷静に解き明かしていきます。

なぜ私たちは分かり合えないのか。その理由を知ることで、あなたのモヤモヤが少しでも晴れることを願っています。


1. 私たちの脳はまだ「サバンナ」にいる

まず大前提として、知っておかなければならない衝撃的な事実があります。

それは、**「私たちの脳の仕組みは、狩猟採集時代(サバンナでの生活)からほとんど変わっていない」**ということです。

人類史を1年のカレンダー(365日)に例えてみましょう。

ホモ・サピエンスが誕生したのが1月1日だとします。

そこから私たちは、来る日も来る日も槍を持って獲物を追いかけ、木の実を集める生活を送ってきました。

農業を始めて定住生活に入ったのは、なんと12月18日頃になってからです。

さらに、今のような便利な産業社会になったのは、12月31日の午後11時58分くらいの出来事です。

つまり、人類の歴史の96%以上は「サバンナ」であり、私たちの本能(OS)は、当時の過酷な環境を生き抜くために最適化されたままなのです。

スマホを片手にSNSを見ている現代人の脳内では、いまだにマンモスを追いかけ、飢餓に怯える原始の本能が動いています。


2. なぜ女性は「奢ってくれない男」に冷めるのか?

この「サバンナ脳」を理解すると、女性の行動原理が見えてきます。

よく「女性は高望みだ」「奢ってくれないとすぐ冷める」と言われますが、これはワガママや損得勘定ではありません。本能レベルでの**「生命の危機管理」**なのです。

「親の投資理論」というコストの差

生物学者のロバート・トリヴァースが提唱した「親の投資理論」によると、オスとメスでは、子孫を残すために支払うコスト(投資)に圧倒的な差があります。

  • 男性:精子は安価で大量生産が可能。
  • 女性:卵子は希少。さらに妊娠・出産・授乳という、命がけで莫大なエネルギーと時間を投資しなければならない。

サバンナ時代、妊娠中の女性は自力で獲物を狩ることが難しくなります。

もしパートナーが、獲った肉を自分に優先的に回してくれなかったら?

それは即、自分と胎児の「餓死」を意味しました。

「割り勘」=「死」のサイン?

女性の本能にとって、

「私にリソース(食料・お金)を投資しない男」 = 「私と子どもを見殺しにする可能性のある男」

なのです。

現代のデートで「割り勘」を提案された瞬間に女性の恋心が冷めるのは、性格ががめついからではありません。

脳の奥底にある警報装置が、「この男は、いざという時に食料を分け与えてくれないぞ! 命が危ない!」と激しくアラームを鳴らしているからなのです。

SNSで「稼げない男は淘汰される」と発言する女性は、現代社会の基準では「高望み」に見えるかもしれません。しかし彼女の脳内では、サバンナの過酷なルールがいまだに適用されており、「生存のために優秀な供給者を選ばなければならない」という切実な命令に従っているだけなのです。


3. なぜ男性は「攻撃的」になるのか?

一方、男性側の心理はどうでしょうか。

「産ませるかどうかは俺が決める」といった攻撃的な発言の裏には、女性の厳しい選別に晒されるオスとしての焦りと、間違ったアピール戦略があります。

決定権は常に「女性」にある

残酷な事実ですが、生物学的に繁殖の決定権を持っているのは、常に「産む性」である女性です。

女性はリスクが高い分、パートナーを厳しく選別します。選ばれなければ、オスの遺伝子はそこで途絶えます。

SNSでいくら男性が「選ぶ権利」を主張しても、生物学的な現実は変わりません。だからこそ、男性は必死に自分を大きく見せようとするのです。

「攻撃性」の使い道を間違えている

ここで重要なのは、女性が全ての「攻撃性(強さ)」を嫌うわけではないということです。

攻撃性には2つのタイプがあります。

  1. 敵意的攻撃性(NG)
    矛先がパートナーや弱者に向くもの。暴言、DV、モラハラなど。
    → 女性の本能はこれを「生存リスク」と判断し、全力で拒否します。
  2. 道具的攻撃性(OK)
    矛先が「外敵」「獲物」「仕事のライバル」に向くもの。
    → これは「頼もしさ」「生活力」として評価されます。

女性が本能的に求めているのは、**「外には強く(獲物を狩る力があり)、内には優しい(資源を分配してくれる)」**という英雄型の男性です。

SNSで女性に対して攻撃的な言葉を吐く男性は、矛先を完全に見誤っています。それは強さのアピールではなく、「内弁慶なモラハラ予備軍」という最悪の自己紹介にしかなっていないのです。


4. 現代社会とのミスマッチ。「少子化」の真因

本能はサバンナのままですが、環境は激変しました。

このミスマッチこそが、現代の少子化や未婚化の根本原因です。

「資産」から「負債」へ

農業社会において、子どもは貴重な労働力であり「資産」でした。

しかし現代社会において、子どもは高額な養育費や教育費がかかる存在となり、経済的には「負債」の側面が強くなりました。

生物学的に言えば、「数打ちゃ当たる(r戦略)」から、「少数をエリートに育てる(K戦略)」へと、生存戦略が切り替わっているのです。

「機会費用」の壁

さらに、豊かな現代社会では、子どもを持つことの「機会費用(オポチュニティ・コスト)」が跳ね上がっています。

子どもを産むというカードを切ることで、「キャリア」「自由な時間」「自分だけのために使えるお金」という、別の魅力的なカードを捨てなければなりません。

本能は「産め!」とアクセルを踏んでいるのに、理性が「いや、失うものが大きすぎて割に合わないぞ!」と急ブレーキをかけている。

この激しい葛藤が、現代人の心を疲弊させているのです。


5. 本能のバグに気づき、アップデートせよ

あのSNSバトルは、**「サバンナのルールで戦おうとして、現代社会で自爆している人たち」**の姿です。

お互いに「淘汰される」と罵り合っていますが、皮肉にも、本能のままに振る舞い、アップデートを拒む者こそが、現代社会において淘汰される運命にあります。

では、私たちはどうすれば良いのでしょうか?

答えはシンプルです。

「自分の脳は、サバンナ時代の古いルールのままバグを起こしている」と自覚することです。

男性への処方箋

「力」や「攻撃」でねじ伏せようとしても、現代の女性には通用しません。

攻撃性を女性に向けるのではなく、仕事や社会活動に向け、「獲物(収入や信頼)」を持ち帰ってください。そしてそれを、パートナーと気前よくシェアする姿勢を見せてください。

「俺が守るから安心しろ」という包容力こそが、現代における最強の求愛行動です。

女性への処方箋

「年収」や「奢られること」への過度な執着は、現代社会においては誤作動を起こしている「古代の生存センサー」かもしれません。

もちろん経済力は大切ですが、現代は女性も自ら獲物を狩れる(働ける)時代です。

相手の「獲物の大きさ(スペック)」だけでなく、**「共に巣を作り、子育てをシェアできるパートナーシップ(共同繁殖能力)」**にも、ぜひ目を向けてみてください。

サバンナでは生き残れなかったかもしれない「優しくて家事ができる男性」が、現代では最高のパートナーになる可能性があります。


本日のまとめ

今日は、SNSの男女論争の裏にある、進化学的なメカニズムについてお話ししました。

最後に、大切なポイントを振り返りましょう。

1. 脳はサバンナのまま

私たちの本能は、1万年前の過酷な環境を生き抜くためのものです。現代の平和な社会とはズレが生じています。

2. 女性の「選り好み」は生存本能

「リソースをくれない男」は、かつては死を意味しました。高望みはワガママではなく、命を守るためのセンサーの名残です。

3. 男性の「攻撃」は矛先が重要

女性に向けられた攻撃性は「DV予備軍」として嫌われます。強さは外敵や仕事に向けるべきです。

4. 理性でアップデートを

遺伝子の命令にただ従うのではなく、「これは古い本能だ」と気づき、理性でコントロールできる人だけが、現代で幸せな関係を築けます。

SNSで異性を攻撃する時間があったら、その時間を「現代社会に適応するためのアップデート」に使いましょう。

お互いの本能の違いを理解し、尊重し合える関係こそが、未来のあなたと赤ちゃんを笑顔にする第一歩です。

これからも、科学的な視点で、あなたの人生とパートナーシップをサポートする情報をお届けしていきます。