NIPT新型出生前診断の真実と重要ポイント5選 – 妊婦さんが知っておくべき最新情報【YouTube動画解説】

妊娠中は食べ物や薬など、胎児への影響を考えて慎重になるものです。特にNIPT(新型出生前診断)を受ける時期は、赤ちゃんの臓器が作られる重要なタイミングでもあります。

今回は、NIPT検査をスムーズに受け、かつ赤ちゃんの健康を守るために知っておくべき「検査前のNG行為」や「注意点」について、エビデンスに基づいて解説します。

1. 検査エラーの最大の原因「ヘパリン注射」

NIPTを受ける前に最も気をつけていただきたいのが、流産防止のために使われる**「ヘパリン」という注射薬です。

実は、ヘパリンを打った直後にNIPTの採血をすると、かなりの確率で「検査結果が出ない(判定不能)」**という事態になります。

  • なぜダメなのか?: ヘパリンが血中に残っていると、NIPTの検査過程に干渉してしまうためです(詳細は解明されていませんが、経験的に明らかです)。
  • 対策: ヘパリンの半減期(血中濃度が半分になる時間)は4〜6時間です。当院では、注射から12時間以上あけて採血することをお勧めしています。
    • 1日1回投与の方: 検査が終わった「直後」に打つようにしてください。
    • 1日2回投与の方: タイミングの調整が必要です。事前に医師に相談し、検査直前は打たずに来院し、採血後に打つなどの対応をお願いしています。
  • 塗り薬は?: ヒルドイドなどの「ヘパリン類似物質」のクリームやローションは、皮膚から血中には吸収されないため問題ありません

※ワーファリンや痛み止め(NSAIDs)も血液に作用しますが、現状ではこれらが原因で検査エラーになったケースはありません。ただし、ヘパリン注射だけは要注意です。

2. 直前の食事に注意「脂質の多い食べ物」

検査直前に脂っこい食事(天ぷら、トンカツなど)をとると、血液中の中性脂肪値が急上昇します。

この状態で採血した血液を遠心分離にかけると、上澄みの部分が「脂」だらけになってしまい、胎児のDNAがうまく取り出せないという事態が起こります 。

  • 対策: 検査の5〜6時間前からは、脂っこい食事を控えてください
  • リスク: 再採血になったり、検査不可となる可能性があります。

3. 意外な落とし穴「脱水状態」

特に夏場や、つわりで嘔吐してしまっている時期に多いのが「脱水」です。

脱水状態だと血管から血が抜けにくくなるだけでなく、検査に必要な**「血漿(けっしょう)成分」**が極端に少なくなってしまいます。

  • 必要な量: NIPTの検査方式にもよりますが、最低でも1cc〜2ccの血漿が必要です。脱水していると、規定量の血液を採っても血漿が足りず、検査ができないことがあります。
  • 対策: 来院前にお水を飲むなどして、水分補給を心がけてください。当院でもお水を配って飲んでいただいてから採血することがあります 。

4. 心の準備「メンタル面のNG」

物理的なNG行為ではありませんが、メンタル面での準備も大切です。

NIPTを受ける方の多くは「自分は大丈夫」と思っていらっしゃいますが、実際には**50人に1人(約2%)**の割合で陽性判定が出ます 。

  • アドバイス: 「自分事」として捉え、事前に遺伝カウンセリングの話をしっかり聞いておいてください。いざ陽性となった時に動揺して判断ができなくならないよう、「誰が陽性になってもおかしくない」という意識を持って検査に臨むことが大切です。

5. NIPT受検時期の過ごし方「感染症対策」

NIPTを受ける妊娠9週〜10週頃は、赤ちゃんの臓器が形成される最も重要な時期(器官形成期)です。この時期にウイルスに感染したり薬剤の影響を受けると、胎児に奇形が生じるリスクが高まります。

  • 注意すべきウイルス: サイトメガロウイルス、パルボウイルス(リンゴ病)、風疹など。大人がかかっても軽症ですが、胎児には取り返しのつかない影響を与えることがあります。
  • 過ごし方: 不要不急の外出は避け、人混みに行かないようにしてください。体調管理を徹底し、静かに過ごすことが、赤ちゃんへの一番のプレゼントになります 。

まとめ

NIPT前、および妊娠初期に気をつけるべきポイントは以下の3点です。

  1. ヘパリン注射: 検査直前は避け、医師の指示に従って時間を調整する。
  2. 食事: 直前の高脂質な食事は控える。
  3. 水分: 脱水を防ぐため、水分をしっかりとる。

そして何より、この時期は赤ちゃんの人生にとっても最も大事な「体作りの時期」です。感染症などに気をつけて、穏やかに過ごしてください。