こんにちは、未来のあなたと赤ちゃんを笑顔にする、おかひろしです。
このチャンネルではNIPT(新型出生前診断)を中心に、「感情ではなく、医学データに基づいた事実」をわかりやすくお伝えしています。
「NIPTを受けたから、もう安心だよね?」
実はこれ、親御さんから非常に多く聞かれる言葉です。
たしかに、NIPTは染色体異常のスクリーニング検査として有効ですが、全ての先天異常をカバーできる検査ではありません。
実際、「NIPTでは見つけられないけれど、超音波でなら発見できた」という疾患は複数あります。
その中には、出生前に知っておくことで出産方法や治療計画に大きく関わる重要なケースもあるのです。
だからこそ今日は、
「NIPTが無駄にならないために、超音波で見逃してはいけない疾患3選」を医学的な根拠に基づいてご紹介します。
もし、NIPTを受けただけで安心してしまい、その後の超音波検査でのフォローが不十分だった場合──
出生後すぐに命に関わる異常が見つかるリスクが残ります。
そしてそれは、「知るチャンスがあったのに見逃してしまった」という後悔に変わることもあります。
「健康に生まれてほしい」その気持ちは、誰しもが持っている自然な願いです。
だからこそ、今の医学で“見つけられること”をきちんと押さえておくことで、後悔のない準備ができます。今回は、NIPTと併せて注意すべき3つの超音波で発見できる重大な疾患について、
・それぞれの異常がなぜ起こるのか
・どんなタイミングで見つかるのか
・なぜNIPTでは分からないのか
をデータベースで解説していきます。
全前脳胞症とは、本来2つに分かれるはずの大脳半球が、妊娠初期の段階で分かれず1つの塊のままになってしまう重度の脳形成異常です。
この疾患は染色体異常に関連するケースもありますが、約50%は遺伝子の異常や原因不明とされます(出典:日本小児神経学会ガイドライン2021)。
つまり、染色体量の異常を検出するNIPTでは“陰性”と判定される可能性があるのです。
妊娠初期(11週~13週)の胎児精密超音波検査で、頭部の構造が明らかに異なるため、専門医が診れば診断可能です。
脳や頭蓋骨がほとんど形成されない先天異常で、生命維持がほぼ不可能とされます。
発生率は約1,000人に1人程度(日本産科婦人科学会より)。
無脳症は構造的な問題であり、染色体異常とは関係がないことがほとんど。
そのため、NIPTでは検出されません。
こちらも、妊娠初期~中期の超音波検査で頭部の異常が明確に映るため、早期発見が可能です。
体幹部の発達に重大な障害がある状態で、内臓が体の外に露出したままになるなどの異常がみられます。
胎盤・臍帯・腹壁など複数の器官が同時に正しく作られなかったことが原因です。
この疾患もまた、染色体異常が主な原因ではないため、NIPTでは検出できません。
臓器の位置異常や体の湾曲など、明らかな構造異常が映像で確認できます。
12週〜14週頃の超音波検査で多くが判明します(出典:Ultrasound Obstet Gynecol. 2006)。
NIPTはあくまで「染色体異常を調べるスクリーニング検査」です。
しかし、それ以外の重大な構造的異常に関しては、超音波検査のほうが適しているケースが多く存在します。
だからこそおすすめしたいのが、「NIPT × 超音波」の併用です。
この2つの情報を組み合わせることで、より正確な妊娠管理が可能になるというわけです。
今日は、「NIPTだけではわからない3つの重大な疾患」について、超音波検査の重要性とあわせてお話しさせていただきました。
NIPTは染色体異常を調べる非常に有効な検査ですが、
「構造の異常」には反応できないという限界があります。
だからこそ、妊娠12週前後の超音波検査をあわせて行うことで、
より早期に、そしてより正確に、赤ちゃんの状態を知ることができます。
NIPTはあくまで「染色体を見る検査」です。
構造異常を含めたより確実な確認のためには、精密超音波検査との併用が、現時点での最善のアプローチです。
「知らなかった」では済まされないことがあるからこそ、
“知ること”が、赤ちゃんとあなた自身を守る第一歩になります。
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