こんにちは。未来のあなたと赤ちゃんを笑顔にする、おかひろしです。
NIPT(新型出生前診断)を中心に、医学的根拠に基づいた情報を、感情論ではなく「データ」を元に分かりやすくお届けするコラムへようこそ。
妊娠中や妊活中、ちょっとした頭痛や風邪で薬を飲みたいと思った時、「これって飲んでも大丈夫かな?」と不安になったことはありませんか?
インターネットで検索しても、「絶対にダメ」という意見もあれば、「少量なら大丈夫」という意見もあり、何を信じていいか分からなくなることも多いでしょう。
実は、私たちが普段何気なく使っている薬の中には、お腹の赤ちゃんの成長を妨げたり、奇形のリスクを高めてしまったりするものが確かに存在します。
しかし、ここで一番お伝えしたいのは、「薬=全部怖い」ということではありません。

「どの薬が危険なのか」を正しく知り、「避けるべきものを避ける」ことができれば、リスクは確実に下げられるということです。
今日は、あなたを過度に怖がらせるためではなく、具体的な「要注意リスト」と「安全な対処法」を明確にすることで、あなたの不安を解消し、赤ちゃんを守るための羅針盤となるようなお話をしていきます。
まずは、医学的に「催奇形性(さいきけいせい)」、つまり赤ちゃんに奇形を引き起こす可能性が高いとされるお薬について見ていきましょう。
これらは、日本産科婦人科学会や厚生労働省などの公的機関でも注意喚起されており、基本的には妊婦さんに対して「禁忌(使用してはいけない)」とされるものです。
血栓症や心臓弁膜症などの治療に使われる重要な薬です。
しかし、妊娠初期(特に6〜12週頃)に服用すると、**「胎児ワルファリン症候群」**を引き起こすリスクがあります。具体的には、鼻が低くなる(鼻形成不全)や、骨の形成異常などが知られています。
妊娠が分かったら、胎盤を通過しにくい「ヘパリン」という注射薬に切り替えるのが一般的です。
乾癬(かんせん)などの治療に使われる飲み薬です。
この薬の恐ろしい点は、成分が体内の脂肪に蓄積されやすく、なかなか体から抜けないことです。
そのため、服用中はもちろんですが、「薬をやめてから最低2年間」は避妊が必要と言われるほど、赤ちゃんに重大な奇形を引き起こすリスクが高いのです。
慢性ウイルス感染症の治療薬ですが、動物実験において非常に高い確率で奇形が確認されています。
さらに注意が必要なのは、**「男性も注意が必要」**だという点です。
男性が服用した場合でも、精液中に成分が残る可能性があるため、パートナーの妊娠を計画する際は、服用中止後も一定期間(通常6ヶ月程度)の避妊が強く推奨されています。
【重要なお願い】
これらの薬は、お母さんの命を守るために必要な薬でもあります。
「怖いから」といって**自己判断で急に止めることは絶対にやめてください。**血栓ができて脳梗塞を起こすなど、お母さんの命に関わる事態になりかねません。
妊娠を考えた時点で、あるいは妊娠が分かった瞬間に、必ず主治医に相談してください。

「重い病気の薬じゃないから大丈夫でしょ?」
そう思ってしまいがちな、日常的なお薬の中にも注意が必要なものがあります。
風邪や膀胱炎で処方される抗生物質も、種類選びが重要です。
病院を受診する際は、たとえ内科や歯科であっても、必ず「妊娠しています」と伝えてください。そうすれば、ペニシリン系やセフェム系といった、赤ちゃんへの影響が少ない安全な薬を選んでもらえます。
「妊娠初期は薬に気をつけるけど、安定期に入れば大丈夫だよね?」
これは大きな誤解です。実は、薬によっては**「妊娠後期(28週以降)」の方が危険**なものがあるのです。
その代表格が、**NSAIDs(エヌセイズ)**と呼ばれる解熱鎮痛剤です。
ロキソニン、ボルタレン、イブプロフェンなどがこれに含まれます。市販の風邪薬や痛み止めにもよく入っている成分です。
なぜ妊娠後期に飲んではいけないのでしょうか?
お腹の中の赤ちゃんは、肺呼吸をしていないため、心臓に**「動脈管(どうみゃくかん)」**という特別なバイパス血管を持っています。これは通常、生まれてオギャーと泣いた後に自然に閉じるものです。
しかし、NSAIDsには血管を収縮させる作用があるため、妊娠後期にこの薬を飲むと、お腹の中で**動脈管が無理やり閉じられてしまう(動脈管早期閉鎖)**危険性があるのです。
これが起きると、赤ちゃんの心臓に過度な負担がかかり、「胎児水腫」や「新生児遷延性肺高血圧症」といった重篤な状態を引き起こしかねません。
妊娠後期の頭痛や腰痛には、NSAIDsではなく、アセトアミノフェン(カロナールなど)を使うのが鉄則です。市販薬を買う際は、必ず成分表示を確認するか、薬剤師に相談してください。
「薬じゃないからサプリなら安心」と思っていませんか?
実は、栄養素の中にも摂りすぎると毒になるものがあります。その代表が**「ビタミンA」**です。
ビタミンAは、細胞の成長に不可欠な栄養素ですが、過剰に摂取すると細胞の分裂プログラムを乱し、赤ちゃんの耳の形や心臓などに異常を引き起こす(催奇形性)リスクがあることが分かっています。
特に注意すべきは、赤ちゃんの体の原型が作られる**「妊娠初期(〜3ヶ月頃)」**です。
妊娠中は、ビタミンAの前駆体である「ベータカロテン(体内で必要な分だけビタミンAに変わる)」で摂取するか、妊婦用として調整されたサプリメントを選ぶのが賢明です。
今日は、「妊娠中の薬とリスク」についてお話ししました。
最後に、大切なポイントを振り返りましょう。
1. ハイリスク薬は自己判断しない
ワルファリンやエトレチナートなどは催奇形性が高いですが、急に止めるとお母さんの命に関わります。必ず主治医と相談し、計画的に切り替えましょう。
2. 妊娠後期は鎮痛剤に注意
ロキソニンなどのNSAIDsは、赤ちゃんの心臓血管(動脈管)を閉じてしまうリスクがあります。後期はアセトアミノフェンを選びましょう。
3. 「妊娠中」と伝える勇気を
どの病院でも、薬局でも、「妊娠しています」の一言が赤ちゃんを守ります。医師や薬剤師はプロです。必ず安全な代替案を提示してくれます。
妊娠中は、ホルモンバランスの変化で体調を崩しやすく、薬に頼りたくなる場面も多いでしょう。我慢しすぎてストレスを溜めるのも良くありません。
「薬は絶対ダメ」ではなく、「正しい薬を選べば大丈夫」です。
もし不安なことがあれば、一人で悩まずに相談してください。
NIPTなどの検査も含め、あなたが安心して赤ちゃんを迎えられるよう、私たちは正しい医療情報で全力サポートします。
未来のあなたと赤ちゃんが、健やかな笑顔で会えますように。
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