乳がん早期発見の全て!見逃せない初期症状とセルフチェック法【YouTube動画解説】

「9人に1人がなる病」乳がんと遺伝子(BRCA)の深い関係。早期発見で守れる未来

こんにちは、未来のあなたと赤ちゃんを笑顔にする「おかひろし」です。

今回は、女性にとって最も身近な病気の一つである**「乳がん」**についてお話しします。

「私はまだ若いから大丈夫」「身内にがんの人はいないから」と思っていませんか?

実は、乳がんは日本人女性の9人に1人が生涯のうちにかかるとされており、20代・30代の若い世代での発症も決して珍しくありません。

しかし、恐れる必要はありません。正しい知識とデータを持っていれば、未来は守れます。

今回は、乳がんの生存率を分けるカギや、遺伝子(BRCA)との関係、そして今日からできるセルフチェックについて解説します。


早期発見が「命」と「生活」を救うデータ

なぜ、これほどまでに「早期発見」が叫ばれるのでしょうか?

その理由は、ステージ(進行度)ごとの生存率のデータを見ると一目瞭然です。

  • ステージⅠで発見された場合:5年生存率は 97.1%
  • ステージⅣ(進行がん)の場合:5年生存率は 33.8%

ステージⅠで見つかれば、9割以上の方が長期的に生存されています。

つまり、早く気づくことができれば、乳がんは「治る可能性が非常に高い病気」なのです。逆に、発見が遅れると生存率が下がるだけでなく、治療も長引き、生活の質(QOL)に大きな影響を与えてしまいます。


「遺伝性乳がん」とBRCA遺伝子の正体

乳がんの原因は生活習慣など様々ですが、全体の5〜10%は「遺伝」が原因だと言われています。

ここでカギとなるのが、**「BRCA1・BRCA2遺伝子」**です。

BRCA遺伝子とは?

本来、この遺伝子は体の中の**「修理屋さん」**のような存在です。DNAに傷がついたとき、それを修復して正常な細胞に戻す働きをしています。

しかし、生まれつきこの「修理屋さん(BRCA)」に変異があり、うまく働かない方がいます。すると、傷ついたDNAが修復されず、エラーが蓄積してがん細胞になりやすくなってしまうのです。

データによると、BRCAに変異がある女性が**一生のうちに乳がんを発症する確率は60〜70%**と、非常に高いことが分かっています。

アンジェリーナ・ジョリーさんが予防的切除の手術を受けたニュースを覚えている方も多いと思いますが、彼女もこの遺伝子変異をご自身で把握した上で、未来を守る決断をされました。


痛みがないからこそ危険!見逃せない5つのサイン

「乳がんは痛い」と思っていませんか?

実は、痛みで乳がんが見つかるケースは全体の1%未満。「痛くないから大丈夫」という思い込みが一番危険です。

以下の5つの症状がないか、チェックしてみてください。

  1. 乳房のしこり(最も多い症状です)
  2. 脇の下のしこり(リンパ節転移の可能性があります)
  3. 乳房の変形(左右差や、形が不自然に変わる)
  4. 乳頭からの異常分泌(血が混じる、黄色い液体が出る)
  5. 皮膚のくぼみ(えくぼのような凹みができる)

これらのサインは、月1回のセルフチェックで見つけることができます。


今日からできる「月1回」の習慣

あなたと大切な家族を守るために、月1回のセルフチェックを習慣にしましょう。

おすすめのタイミングは、乳腺が落ち着いてしこりが分かりやすい**「生理終了後」**です。

かんたん3ステップ・チェック

  1. 見て確認:鏡の前で両腕を上げ、乳房の形や皮膚のくぼみ、左右差がないかチェックします。
  2. 触れて確認:お風呂上がりなどに、手のひらで乳房全体を円を描くように触れます。
  3. 広範囲を確認:乳房だけでなく、脇の下や鎖骨の周りもしっかり触ってみましょう。

まとめ:自分のリスクを知ることが、最大の予防

今回のポイントをまとめます。

  • 9人に1人:乳がんは誰にとっても他人事ではありません。
  • 早期発見がカギ:ステージⅠなら97%以上が助かります。
  • 遺伝を知る:BRCA変異がある場合、発症リスクは高まりますが、予防的対策が可能になります。
  • セルフチェック:「痛くないしこり」や「変形」を見逃さないでください。

乳がんは「防げない病気」ではなく、**「リスクを知り、管理していく病気」**です。

ご家族に乳がんの方がいる、あるいは将来のために自分の体質を知っておきたいという方は、一度遺伝子検査や専門医への相談を検討してみるのも一つの選択肢です。

当クリニックでは、医学的根拠に基づいた情報発信を通じて、赤ちゃんとご家族の未来をサポートしています。