ダウン症とNIPT新型出生前診断の真実|家族の未来を考える選択肢【YouTube解説】

「きれいごと」だけでは語れない、ダウン症の子を迎えた家族のリアルな現実

こんにちは、未来のあなたと赤ちゃんを笑顔にする「おかひろし」です。

SNSで見るダウン症のお子さんの笑顔や、「生まれてきてくれてよかった」というご家族の言葉。それは間違いなく真実であり、尊いものです。

しかし、それが**「全ての現実」ではありません。**

障害を持つお子さんを育てるということは、想像以上の葛藤や、将来への切実な不安と向き合い続けることでもあります。

今回は、あえて「きれいごと」だけではない、ダウン症児育児のリアルな側面と、私たち親が知っておくべき未来への備えについてお話しします。


親亡き後、誰が支えるのか?「きょうだい児」の苦悩

先日、あるニュースが話題になりました。

両親が亡くなった後、重い知的障害のある弟さんの介護と生活を、お姉さんがたった一人で背負っているという事例です。

彼女は弟さんを大切に思い、支えたいと願う一方で、自身の結婚や仕事、自由な時間を犠牲にせざるを得ない現実に直面しています。

「弟は大切だけど、私も自分の人生を生きたい」

この言葉には、障害のある子を持つ家族(特にきょうだい)が抱える、愛情と自己犠牲の間の深い葛藤が表れています。

「親がいなくなった後、この子はどうなるのか?」「他の兄弟に負担をかけてしまうのではないか?」

これは、多くの親御さんが抱える、避けては通れない重い問いかけです。


94%の家庭で直面する「問題行動」の壁

ダウン症のお子さんは「天使のように優しい」と言われることが多いですが、成長過程では激しい感情の起伏や、社会的な適応の難しさに直面することも少なくありません。

ある調査によると、ダウン症のお子さんを持つ家庭の約94%が、何らかの「問題行動」に悩んでいるというデータがあります。

問題行動の種類発生した割合
社会的な困難80%
情緒不安定75%
こだわり行動60%
暴言・拒否50〜55%

言葉での表現が苦手なため、感情をうまく伝えられずに暴言や強い拒否が出てしまうことがあります。

親御さんには、ただ愛するだけでなく、こうした行動に根気強く向き合う忍耐力と、長期的な支援の視点が求められます。


長寿化が生んだ新たな課題「若年性アルツハイマー」

医療の進歩により、かつては10歳程度と言われていたダウン症の方の平均寿命は、今や60歳近くまで伸びています。

家族と長く過ごせるようになったことは素晴らしいことですが、同時に新たな健康課題も明らかになってきました。

それが、「若年性アルツハイマー型認知症」のリスクです。

なぜダウン症の方に多いのか?

ダウン症(21トリソミー)では、21番染色体が1本多いため、その上にある**「APP(アミロイド前駆体タンパク)」**という遺伝子も多くなります。

これにより、脳内にアルツハイマーの原因物質(アミロイドβ)が蓄積しやすくなり、40代〜50代という早い段階から認知症の症状が出やすくなるのです。

「長く生きられるようになったからこその悩み」。

親御さんは、お子さんの老後のケアまで見据えた、より長いスパンでのライフプランを考える必要があります。


NIPTは「命の選別」ではなく「未来への準備」

ここまで厳しい現実をお話ししましたが、これらは決して「脅し」ではありません。

これからお子さんを迎えるにあたり、**「もしもの時、自分たちはどう向き合うか」**を真剣に考えるための材料です。

NIPT(新型出生前診断)は、単に障害の有無を調べるだけの検査ではありません。

「知る」ことで、未来の選択肢を広げるためのツールです。

  • もしリスクが高いと分かったら、どんな支援が必要か事前に調べることができます。
  • 家族で話し合い、覚悟を決めるための十分な時間を持つことができます。
  • もちろん、安心して出産に臨むための材料にもなります。

「命を受け入れる覚悟」と「生涯支え続ける覚悟」はセットです。

きれいごとだけでなく、現実も含めて受け止めるために。NIPTは、あなたとご家族が後悔のない未来を選ぶための、大切な第一歩になり得ます。