この記事のまとめ
髪は1日に50〜100本ほど自然に抜けるため、抜け毛があるだけで心配する必要はありません。一方で、髪全体が細くなった・分け目や生えぎわが目立ってきたといった変化が数か月続く場合は、男性型脱毛症(AGA)や女性の薄毛(びまん性脱毛)が始まっている可能性があります。この記事では、薄毛の主な原因、自分でできる予防、医療機関に相談する目安をまとめました。
抜け毛は1日何本までなら心配いらない?
1日50〜100本程度の抜け毛は、髪の生え変わりによる自然なものです。髪には「成長期・退行期・休止期」というサイクル(毛周期)があり、休止期を終えた髪は自然に抜け落ちて、同じ毛穴から新しい髪が生えてきます。そのため、シャンプーやブラッシングのときに髪が抜けること自体は正常です。
注意したいのは本数よりも「変化」です。次のようなサインが続く場合は、薄毛が進み始めているかもしれません。
- 抜け毛に細く短い毛が増えてきた
- 髪のボリュームが減り、地肌が透けて見えるようになった
- 分け目が広がってきた、つむじが目立つようになった
- 生えぎわ(額の両端)が後退してきた
- 髪にハリやコシがなくなり、スタイリングがまとまりにくい
薄毛の原因は何?男性と女性で違う?
男性は男性ホルモンの影響によるAGAが多く、女性は加齢やホルモンの変化、栄養不足などが重なる「びまん性脱毛」が多くみられます。男性に多い「男性型脱毛症(AGA)」は、男性ホルモンが変化してできるジヒドロテストステロン(DHT)が毛根に作用し、髪の成長期が短くなることで起こります。生えぎわの後退や頭頂部の薄毛として現れ、思春期以降、少しずつ進行するのが特徴です。
女性の薄毛は、生えぎわが後退するよりも、髪全体のボリュームが少しずつ減っていく形をとることが多く、「女性型脱毛症(FAGA・FPHL)」とも呼ばれます。加齢や出産・更年期によるホルモンの変化のほか、鉄やたんぱく質の不足、極端なダイエット、強く髪を引っぱる髪型なども影響します。出産後に一時的に抜け毛が増える「分娩後脱毛」のように、時間とともに回復するものもあります。
このほか、円形脱毛症や甲状腺の病気、薬の副作用などが原因のこともあります。原因によって対策がまったく異なるため、気になるときは自己判断せず医師に相談しましょう。
自分でできる薄毛の予防は?
バランスのよい食事、十分な睡眠、頭皮にやさしいヘアケアを続けることが基本です。育毛剤やシャンプーだけで薄毛を止めることは難しいものの、頭皮と髪を健やかに保つ生活習慣は、治療の効果を支える土台になります。
食事で気をつけることは?
髪の材料になるたんぱく質と、亜鉛・鉄などのミネラルを不足させないことが大切です。髪の主成分はケラチンというたんぱく質です。肉・魚・卵・大豆製品などでたんぱく質をしっかりとり、髪の材料になる亜鉛や、女性で不足しやすい鉄も意識しましょう。極端な食事制限は抜け毛の原因になります。
睡眠やストレスは関係ある?
はい。睡眠不足や喫煙は髪の成長に悪影響を与えるため、生活リズムを整えることが予防につながります。睡眠不足や強いストレス、喫煙は、頭皮の血流や体のホルモンバランスに影響します。毎日決まった時間に眠り、適度な運動でストレスをためないようにしましょう。
シャンプーやヘアケアのコツは?
頭皮をこすりすぎず、洗った後はすぐに乾かし、髪を強く引っぱる髪型を続けないことです。シャンプーは1日1回を目安に、指の腹で頭皮をやさしく洗い、すすぎ残しがないようにします。濡れた髪は傷みやすいため、早めにドライヤーで乾かしましょう。きついポニーテールなど同じ場所を強く引っぱる髪型や、頻繁なカラー・パーマも頭皮や髪の負担になります。
病院に相談したほうがいいのはどんなとき?
数か月たっても抜け毛や薄毛が改善しないとき、薄毛が進んでいると感じるときは、早めの相談がおすすめです。AGAは進行性のため、何もしなければ少しずつ薄毛が進みます。早い段階で治療を始めるほど、今ある髪を維持しやすくなります。次のような場合は、皮膚科や薄毛治療を行う医療機関に相談しましょう。
- 抜け毛の増加や地肌の透けが3か月以上続いている
- 家族に薄毛の人がいて、自分も生えぎわや頭頂部が気になってきた
- 円形に髪が抜けている、頭皮に赤みやかゆみ、フケが多い
- 市販の育毛剤を続けても変化を感じない
ヒロクリニック美容皮膚科では、医師が頭皮や毛髪の状態を診察し、必要に応じて血液検査や頭部の写真撮影をおこなったうえで、内服薬・外用薬・頭皮への注入治療などから治療法をご提案しています。治療法の違いについては「薄毛の治療法の違い」もご覧ください。
薄毛・抜け毛の予防についてよくある質問
Q. 20代でも薄毛になることはありますか?
A. はい。AGAは思春期以降に発症し、20代から始まることもあります。若いうちに気になり始めた場合も、早めに相談することで対策を始めやすくなります。
Q. 市販の育毛剤で予防できますか?
A. 市販の育毛剤の多くは頭皮環境を整えることを目的としたものです。進行性のAGAなどでは、医師の診察のもとでおこなう治療が必要になることがあります。
Q. 女性でも薄毛の治療は受けられますか?
A. はい。女性の薄毛は男性とは原因や進み方が異なるため、女性向けの治療法をご提案しています。妊娠中・授乳中は使えない薬もあるため、診察時にお伝えください。
まとめ:薄毛が気になり始めたら早めに相談を
生活習慣で頭皮と髪を整えつつ、変化が続くときは早めに医師の診察を受けることが大切です。抜け毛は誰にでもある自然なものですが、髪のボリュームや分け目の変化が続く場合は、薄毛の始まりかもしれません。食事・睡眠・ヘアケアを見直しつつ、気になる変化があれば医師に相談しましょう。
育毛治療の内容と料金は、育毛(女性)・育毛(男性)のページをご覧ください。
※当院の育毛治療・美容皮膚科の施術は、公的医療保険の対象とならない自由診療です。効果には個人差があります。
【参考文献】
- 日本皮膚科学会 – 皮膚科Q&A 脱毛症
- 日本皮膚科学会 – 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版





