「高いから安心」は間違い?NIPTの料金差のカラクリと、本当に見るべき“たった一つの指標”を専門医が暴露【YouTube解説】

こんにちは。未来のあなたと赤ちゃんを笑顔にする、おかひろしです。

NIPT(新型出生前診断)を中心に、医学的根拠に基づいた情報を、感情論ではなく「データ」を元に分かりやすくお届けするコラムへようこそ。

妊娠が分かり、出生前診断を検討し始めた時、まず最初にぶつかる壁が「料金」ではないでしょうか。

クリニックのホームページを見比べてみると、

「Aクリニックは20万円、Bクリニックは8万円」

といった具合に、倍以上の価格差があることに気づくはずです。

大切な赤ちゃんの検査です。「安かろう悪かろう」では困りますし、かといって不必要な出費は抑えたいのが親心。

「やっぱり高い方が精度が良いのかな?」

「安いところは何か裏があるんじゃないか?」

もしそう思われているなら、少し待ってください。その選び方は、一番損をするパターンかもしれません。

実は、料金が全く違う検査でも、中身(解析する場所や精度)は全く同じということがあり得ます。

逆に、安さだけで選んでしまい、「肝心なことが分からず、後から追加検査で数十万円かかった」という後悔の声も後を絶ちません。

今回は、誰も本当のことを教えてくれない**「NIPTのお金の話」**です。

なぜこんなに価格差があるのか? 業界の裏側にある「検査機関の仕組み」と、値段だけでは測れない「本当に見るべき指標」について、専門医が包み隠さずお話しします。


1. まず整理。「安さ」で選ぶと全く別の検査になる?

お金の話をする前に、まずあなたが「何を」買おうとしているのか整理しましょう。

出生前診断にはいくつかの種類があります。「安いから」という理由だけで、NIPTではなく、精度の低い全く別の検査を予約してしまっている方がいらっしゃいます。

出生前診断の比較】

検査の種類検査の方法検査の対象感度(見つけられる確率)費用の目安
超音波検査(エコー)お腹に機械をあてる形の異常(首のむくみ等)検査者の技術による数千円〜
母体血清マーカー血液検査タンパク質やホルモン濃度約80〜85%2〜3万円
NIPT(新型出生前診断血液検査赤ちゃんのDNA99.9%10〜20万円

クアトロテストなどの「母体血清マーカー」は数万円と安価ですが、調べているのは赤ちゃんのDNAではありません。お母さんの血液中のタンパク質濃度から、間接的に確率を計算しているだけです。

感度が80%程度ということは、**「本当は陽性なのに陰性と出てしまう(見逃し)」**や、その逆が起こりやすいことを意味します。

「結果は陰性だったけど、確率的だから不安が消えない……」という声が多いのはこのためです。

一方、NIPTはお母さんの血液中に漂う「赤ちゃんのDNA断片」そのものを分析します。だからこそ感度99.9%という圧倒的な精度が出せるのです。

正確さを求めるなら、選択肢はNIPT一択です。ここを間違えないようにしましょう。


2. 同じNIPTなのに、なぜ倍以上の価格差が?

ではここからが本題です。

同じ「NIPT」という名前の検査なのに、なぜ20万円のところと8万円のところがあるのでしょうか?

中身が同じなら安い方がいいですよね。でも、本当に同じなのか? 業界の「衝撃の事実」をお話しします。

多くのクリニックは「採血屋」である

日本中にNIPTを提供しているクリニックはたくさんありますが、その多くは自院で検査を行っていません。

採血した血液を、海外や国内の大きな検査会社へ空輸して、そこで解析してもらっています(外部委託)。

ここで重要なポイントがあります。

実は、**「Aという高級クリニックも、Bという格安クリニックも、送っている先の検査会社は全く同じ」**というケースが非常によくあるのです。

使っている解析マシンも、試薬も、解析するスタッフも同じ。当然、出てくる結果の精度も全く同じです。

では、なぜ価格差が生まれるのか?

それは「ブランドバッグ」と同じ理屈です。同じ工場で作られたバッグでも、有名なブランドのロゴがつくと値段が数倍になりますよね。

【NIPTの価格構造のイメージ】

項目Aクリニック(20万円)Bクリニック(10万円)ヒロクリニック
検査実費数万円数万円数万円(自社のため低コスト)
ブランド料・広告費高い普通なし
カウンセリング料含む(手厚い)簡易的必要に応じて選択
中間マージンあり(海外輸送費等)ありなし(国内解析)
検査の質(精度)同じ同じ国内解析で高品質

Aクリニック(20万円)が高いのは、「有名な大学病院であるというブランド料」や「手厚いカウンセリング料」、「海外への輸送コスト」が含まれているからです。

Bクリニック(10万円)は、同じ検査会社を使いつつ、サービスを簡素化して安くしています。

中身が同じなら、安いBクリニックを選ぶのが賢い消費者と言えるでしょう。

しかし、「安ければどこでもいい」と飛びつく前に、もう一つだけ確認すべき重要なことがあります。

それは、**「その安いプランで、どこまで調べられるか」**です。


3. 「基本プラン」の落とし穴。若い人ほど損をする?

安いプランの多くは、調べる項目が「基本検査(13, 18, 21番染色体)」のみに制限されています。

ダウン症(21番)が分かればいいや」と思われるかもしれませんが、実はNIPTで分かる病気はダウン症だけではありません。

むしろ、ダウン症以外の病気の方が種類も多く、全体で見ると頻度も高いのです。

【検査項目の違いとリスク】

(Wapner, R. J., et al. 2012 / OMIM database参照)

検査項目内容特徴・リスク発生頻度
基本検査(13,18,21番)特定の3つの染色体の数年齢とともにリスク上昇母体年齢に依存
性染色体検査性別に関わるX・Y染色体ターナー症候群など父親の年齢も関係あり
全染色体・微小欠失染色体の一部が欠ける重い知的障害・心疾患若い人でも同確率(事故的)
単一遺伝子疾患遺伝子の文字レベルの変化骨の病気など突然変異で発生

若い人ほど「ダウン症以外」が重要

基本検査で見つかるダウン症などは、お母さんの年齢が上がるとリスクが増えるものです。

しかし、表の下にある**「微小欠失(びしょうけっしつ)」**などは違います。

これは染色体の数は合っているけれど、本の一部のページが破れているように、ごく一部が欠損している状態です。ここが欠けると、重い知的障害や心臓病につながります。

重要なのは、この微小欠失は**「お母さんの年齢に関係なく、誰にでも事故のように偶然起こる」という点です。 20代でも40代でも、確率は変わりません(全体で約300人に1人程度)。 「私は若いからダウン症のリスクは低い」と思って安い基本プランを選んでしまうと、「自分にも起こりうる確率の高いリスク(微小欠失など)」を全てスルーしてしまう**ことになります。

お金をかける価値は、「安心の範囲を広げること」にあります。後悔しないためには、これらの項目が含まれているかを確認することが、本当の意味でのコストパフォーマンスです。


4. 本当に見るべき唯一の指標「陽性スコア」とは?

そしてもう一つ、値段や項目以上に、私が専門医として最も重要だと考えている「指標」があります。

それが**「陽性スコア」**です。

これを知っているかどうかで、万が一「陽性」という結果を受け取った時の心の持ちようが劇的に変わります。

一般的な検査は「白か黒か」だけ

多くの検査会社から返ってくる結果は、「陽性(Positive)」か「陰性(Negative)」かの二択です。

しかし、NIPTは確率を見るスクリーニング検査です。実は、同じ「陽性」の中にも濃淡があります。

「限りなく真っ黒に近い陽性」なのか、「ノイズが混ざって陽性に見えてしまっているだけの偽陽性(本当は陰性)」なのか。この違いは天と地ほどあります。

一般的なクリニックではここを区別してくれません。ただ機械的に「陽性です」と告げられ、妊婦さんはパニックになり、泣きながら羊水検査へと進むことになります。

ヒロクリニック独自の「陽性スコア」

当院では、単に陽性と伝えるだけでなく、**「陽性スコア」**という独自の数値を開示しています。

これは、検出された染色体の量が、基準値からどれくらい離れているか(確からしさ)を示すものです。

  • スコアが高い:本当に陽性である可能性が極めて高い。羊水検査を推奨。
  • スコアが低い:陽性と判定されたが、お母さんの体調や胎盤の影響(偽陽性)の可能性がある。

この数値があることで、「すぐに羊水検査に進むべきか」「少し様子を見るべきか」といった判断が可能になります。

これができる理由は、私たちが**「国内に自社の検査所(東京衛生検査所)」を持っているから**です。

採血した血を海外へ丸投げするのではなく、自分たちのラボで解析し、生のデータを医師が直接見ているからこそ、「この数値ならこういう可能性が高い」と、患者さんに寄り添った詳細な説明ができるのです。


本日のまとめ

今日は、NIPTの価格のカラクリと、クリニック選びで本当に見るべきポイントについてお話ししました。

最後に、大切なポイントを振り返りましょう。

1. 安さだけで選ばない

NIPT」以外の検査(クアトロテスト等)を選んでしまうと、精度が低く、安心が得られません。

2. 検査の中身は同じことが多い

多くのクリニックは外部委託です。高額なブランド料を払う必要はありませんが、検査項目が十分か(微小欠失などが含まれているか)は必ず確認しましょう。

3. 「陽性スコア」が見られるか

ただの「陽性」宣告ではなく、その信頼度(スコア)まで開示してくれるクリニックを選びましょう。それができるのは、自社ラボを持ち、データを解析できる施設だけです。

ヒロクリニックは、無駄な中間マージンや輸送費をカットし、国内自社ラボで解析することで、**「詳細なデータ(陽性スコア)」「適正価格」**の両立を実現しています。

「安いから質が悪い」のではなく、「無駄がないから適正価格で、質が高い」のです。

「高いお金を払ったのに、結果は紙切れ一枚でよく分からなかった」

そんな後悔をしてほしくありません。

賢く選んで、その浮いたお金を、これからの赤ちゃんとの生活や、出産準備に使ってあげてください。

私たちは、あなたの賢い選択と、安心なマタニティライフを全力でサポートします。